25年前のワイン

 みなもと太郎が亡くなった。

 71歳。いささか早過ぎ。

 すこぶる残念……。

 壁にかけている御本人から頂戴したサインと僕宛メッセージをチラッと眺め、黙祷。

 また1本、我が体内の柱がなくなった。

 でも彼の残した漫画はいつまでも活き続ける。

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 さて。

 模型やらやらがドッチャリ詰まった2Fの足の踏み場をなくした1室(倉庫)を、なんとか足が入るよう……、整理していたら、未開封のワインが10数本、出てきた。

 何本かはコルクがダメになって液漏れし、ボトル中身が1/3ほどなくなっている。寝かし置いた場所の床は赤黒く沁み、進行形でベチャっと濡れている。

 液漏れしていない気配の、1本の栓を抜いてみる。

 栓抜きを廻すと、コルクが割れ、上半分はすぐに取れたものの、下半分が瓶の底に沈んでった。

 

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 1996年製造のシェラー・シュワルツ・カッツ。シェル村の黒猫。

 その白。

 グラスに注いでみると、ロゼのような、麦茶のような、色になっている。

 25年間ズ〜っと横たわっていたから、ワインそのものの劣化と一緒に、コルクの色が沁みちゃってるわけだろう。

 

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 飲めるのか?

 むろん飲めるさ。

 ワインは腐らない。

 けど、劣化。風味落ち、本来のものにはるかに遠い。3文字であらわせる。

 ま・ず・い。

 あえて氷で冷やし、飲んだ。

 

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 舌の上に転がしつつ、かつて開高健が『ロマネ・コンティ一九三五年』で描いたのと同様な悲哀をば、味わう。

 深沈たる一滴、また一滴……、が、あろうはずがない。

 高額なロマネ・コンティと違い、この黒猫瓶は安い部類のワイン。

 90年代頃、マイブームとして、黒猫ラベルのシェル村ワインばかりを買っていて、2Fに放置されていた1ダースばかりが全て、それ。

 

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 もう1本。やはりシェル村の黒猫。

 クロックボトルというドイツ古来の陶器を模したボトル。やや珍しいカタチゆえ買ったと記憶するが、こちらは1998年産。

 別の日にこれも開封

 やはり、劣化し、透明な淡い茶色に変じてる。

 味わうというような愉しみにゃ遠い。

 

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 そもそもが長期保存するシロモノじゃない。

 モソモソしている内、模型なんぞの箱で埋まり、見えなくなり、存在を忘れていたワイン達。

 劣化にガックリしたものの、25年前頃にそれらを買っていた自分と対座したような気分には、なる。

 懐かしいわけでもなく、回顧するほどでもないけれど、束の間、タイムマシンの窓際に座って過去が立ち現れた。

 ま~、それだけのことだ。

 いずれも、小さなグラスでボトル半分ほどを飲み、残りは、す・て・た。

   惜しむなかれ古い酒

 

 ところで、うちの近く、北に抜ける道沿いにゃ、猫のカカシ有り。

 明かりがない道端ゆえ、夜はケッコ~怖いのじゃなかろうか、この佇まい。

 

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頭島でお好み焼を食べる

 

 雨のさなか、まだ警報が出ていない木曜。

 柔道家と頭島(かしらじま)へ行く。

 日生諸島の1つながら車で渡れる。

 ほんの5年ほど前に出来たばかりの橋。日生と鹿久居島を結んだ長い橋を渡り、同島の湾岸を駆け、そのまま次の橋を渡れば頭島。

 

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 雨の海も、いいな。

 数年前、福山の松永湾貯木場を見学したさいも雨で、湾岸に置かれた大量の材木が濡れ、木の香りが周囲にたっていた。雨でなけりゃ、さほど匂い立つものじゃない。

 だから同様、雨で良かった。

 

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                  頭島の漁港

 

 ささやかな漁港に小さな漁船が1隻戻ってくるたび、小さな市が開かれる。

 船のハズバンドからワイフが受け取り、それをそのままにワイフが値をきめ、売るというカタチ。

 サンダル履きの、近場の方々がそれを買う。

 ガラエビを買った中年女性がすぐそばのお好み焼店に入ってく。

 

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 それで後を追うように、漁港すぐそばのお好み焼き屋に入る。

 買ったばかりの大量のガラエビの皮を、先の女性と別の女性とが、早や、店内にしゃがんで剥いてらっしゃる。

 

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 その作業を横目にしつつメニューを眺める。

 牡蠣のシーズンじゃないので、豚玉だ。

 ぁ、いや、イカものっけてもらってデラックスで行こう。

 どうやら、そのガラエビも入るらしい。豚、イカ、エビ。豪華じゃ~ん。

 ビール必需、ね。

 

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 焼いてもらってる合間、店のヒトと近場に住んでる常連らしき中年カップルと会話してる内に、生のガラエビを頂戴する。

 これは嬉しい不意打ち。

 遠慮なく、自分で皮むきむきして、醤油で口に運ぶ。

 

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 採れトレ。船から降ろされ、即売られ、即買われ、ほんの20メートルほどの場所のお好み焼き屋さんでそれをギフトされる……、という至福。

 海と我が口が一直線。旨くないワケがない。

 ビールもう1本、欲しい……。

 てなところでお好み焼

 

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 食べつつ、店の方達に、鹿の害を聞く。

 橋が出来たがゆえ、鹿久居島の鹿が橋を通ってやって来る。

 鹿久居島はその名が示す通り、昔から「鹿が久しく居る島」だそうで、その鹿が真夜中、夜な夜なに、本島側や頭島に渡って来ては農家の作物をくすねるらしい。

 多い時は30頭ほどの軍団でやって来る。

 頭島はみかんの産地。鹿は好んでその木の皮を喰らうので樹木そのものがダメになる。

 橋はヒトにベンリをもたらしたけど、甘受したのはヒトだけじゃ~ないのね。

 オマケにこの頃はイノシシもやって来る。同じく夜の橋をやって来て、ガツガツほじくるそうな。

 そんな話を聞きつつ、ミックスをばたいらげる。

 思ったよりたくさんイカの足とガラエビが入って、主役の豚肉に拮抗。ブタ・イカ・エビの三位一体。

 柔道家と行動をともにすると大食らいになるけど、それも一興。

 

 礼して、店を出たら店の女主人が追っかけ、「指を綺麗に」と洗浄剤を差し出してくれる。

 皮ムキムキしたので、指先が生臭いだろうからとの配慮。

 気が利いてる。ありがたい。実にこの配慮が嬉しい

 テレビのナレーション的にチープに云えば、

「小さな漁港そばのお好み焼屋さんの、大きな親切」

 といった感じだけど、すこぶる気持ちが良かった。

 ぁっと、店名は「お好み焼ふみ」だ。

 

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 食後の散策。

 濡れた漁港が風情よし。

 

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 ふと、つげ義春の漫画の一コマが念頭に浮く。

 見開き2ページを使い、つげは雨の海を描いてる。

 情景と人の心の揺らぎがそこに集約されて、かつてはじめてこの一連のコマをみたさいは恍惚させられた。

 

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            つげ義春全集 第4巻 「海辺の叙景」(1967年作品)より

 

 ゆるやかに車を走らせ(むろん私は助手席で楽勝だ)、島を一周。

 車窓から灰色の海をば眺めつつ、海辺で育つ人と、海には遠い山間地で育つ人というのは、違いがあるんだろうか?

 またぞろ、思う。

 どうでもいいようなコトだけど、どうでもよくはないような、大きな命題めいたモノがあるような気がしていけない。

 

 豊島の甲生はささやかで波おだやかな湾だけど、湾から僅か300メートル程の場所で、かの片山儀太郎(明治時代・亜公園の建造者)は少年時代を過ごしてる。

 日々、海を眺めるというか眼に入る場所。常に拡がっている空間。海水と空。永遠めく繰り返される波の音。夜の星々。水面のはるか剥こうでの煌めきや光点……。

 

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           豊島・甲生 2013年9月撮影。台風一過で波がやや高い

 

 茫漠としたその視界と波音のリズムが、14歳まで甲生にいた儀太郎少年の骨格を作った筈なのだ。

 茫漠とは、「広くて、とりとめなく、ボ~っとしている様相」をいうけど、それが逆に、海の向こうへの興味を湧かせ、探求を促すことにもなったろう……。

 密教僧が峻険な山に入っていく例の通り、山が求心力を促す存在なら、海は遠心力を促す触媒、だ。

 片山儀太郎の事を考えるたび、海と山を思うのがこの頃の癖になっている。その違いを掌握したがっている。

 こたびの頭島行きは、ま~ベツダンに片山儀太郎を意識したわけじゃ~なく、柔道家が長い会社の夏休みに退屈し、

「どっか、行こうよ~」

 というのが発端。

 いささか「お出かけ我慢」のコロナれど、いや、頃なれど、ほぼ未知な第三者接近遭遇のないドライブならイイだろ〜という次第。

 雨に煙った瀬戸内をば、「お好み焼ふみ」のミックスと共、つかのまの御馳走として味わう。

 景色が見えにくいがゆえ、逆に良性な刺激を受けた。

 

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           自分宛のお土産。予想したより美味しかった1パック600円。

 

 

 

 

アオミドロ

 アッという間にやって来て、オッという内に過ぎてった台風9号。

 すくなくともここ岡山市じゃ、そんな感じだった。

 久々の降雨に、庭木は喜んだか?

 

 終わったら全て水に流そう、というワケにもいかない迷走と遁走にくれたオリンピック狂騒。

 秀逸なデザイン構成ながら、白いフタを描き込めば象徴的なカタチにもなる競技場。喝采でも嘲笑でもなく、終えての大会検証がキチリと出来るかどうか……。

 

 以上はさておき、大会が強行開催される前ごろから、やたらに暑い日が続いたのはご承知の通り。

 この台風までは、連日のカンカラカン

 庭池や植物も暑さの影響下に置かれ、小庭のトマトもキュウリもナスも、今年はうまく収穫できなかった。

 例年通りに毎日水をあたえていたものの、暑熱でグッタリ、根っこから上部へと水分があがらない。土そのものが乾ききり、その保水がため吸収してしまって、根に充分の水分を与えられないのだった。

 プロのお百姓なら対処出来るだろうけど、家庭菜園……、うまく育てられなかった。

 

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         途中までは成長したけど、グッタリし、枯れつつあるトマト

 

 庭池は夏になるとアオミドロが発生する。

 が、今年は最悪。過去にこれほど繁茂したことがない。

 あまりに汚らしい風情なので写真にすら撮らなかった。

 

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 水換えした後に撮影↑。除去しきれなかったアオミドロがあちゃこちゃ散見。この写真では水中で苔むしたようで感じ良く見えもするが……

 

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 ネットで拾った写真↑。こんな状態で池全体に拡がってくんで、始末に悪い。

 

 強靱な日差しで水温が上がり、日中はお湯がごとく。

 水面に落ちた葉、金木犀無花果の葉などがたちまちに腐って沈む。

 夜になっても水温が下がらないから、酸素が必要でない嫌気性(けんきせい)微生物バクテリアが跋扈し、水は一夜で劣化する。水そのものに異臭が入り込む。

 バランスが崩れた富栄養化状態

 結果、ネバネバしたアオミドロがどんどん成長する。この歓迎しない藻はそういうアンバランスを好む。

 なので10日ほど放置すると、40センチほどの長さにまで伸びちゃってる。

 ヤッカイなことにスイレンにそれが搦み、生長を阻害する。

 いつもなら水面に幾重にも丸い葉が茂って、ちょいと涼やかしい賑やかさが醸されるんだけど、搦んだアオミドロの成長速度に負け、うずくまるようなアンバイ。葉が増えない。

 

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         葉についたアオミドロ。ま〜、これくらいなら手で除去できるけど

 

 金魚たちを室内水槽に入れたままなので、いま庭池に魚はいない。

 金魚は藻をついばむから、ある程度アオミドロの発生を食い止めたハズなんだけど、今年の夏は魚なし。なので余計にアオミドロ……。

 でも、水の循環というか、かき混ぜというか、濾過循環ポンプだけは24時間廻してた。

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 が、どうも、それもいけないようで……、アオミドロという藻は、淀んで停滞した水よりも、ちょっと流れがある方が繁茂しやすいんだ。

 ゆるく揺られている事で成長が推進されるんだろう。

 その事を知ってシドロモドロ、水換え後、ポンプのスイッチを切った。

 

 ともあれ結局、魚もいないのに頻繁に水換えしなきゃ~いけない。アオミドロだらけの庭池って~のはよろしくない。見ためがとても悪い。

 これもまた温暖化ゆえの悪害か……。

 

 が、一方では、鉢植えのカリンがドンヒャラ葉を茂らせて、成長一途。

 

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 地植えにしたレモンも、葉をたくさんつけている。越冬直後はいっさいの葉をなくして骸骨みたいになってたけど、そんな赤裸な過去はなかったみたいな勢い。

 

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 この夏のひどい暑さに適応するものと、そうでないもの、明暗くっきり

 さぁ~、ではニンゲンはどっちだろ?

 どう転んでも、後者だろね。クーラーなくば熱中症でダウンする脆弱。おまけにコロナ。

「やってらんないわぁ~」

 青息吐息。

 

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 そんなさなか、お盆参りという次第で坊さん、まだ数日ばかり早いのに、もうやって来る。

 なんまんだぶ・なんまんだぶ。

 チャチャッと拝んで茶をすする。むろんお布施もチャチャッと懐へ。

 しゃ~ないので、坊さんに、

「お寺さんにも自粛要請、出たらえらいこっちゃねぇ」

 ショ~もないことを云う。

 坊さん、苦笑しつつも、やや真顔になって、

「そうなると、あがったりで」

 と返す。

 ご本人まだワクチンをうてていなくって、不安抱えて檀家を廻っているという。

   南無三宝・なむさん・なむさん

 

 

日々刻々 ~ゴミ処理~

 強烈な湿気にくるまれた極暑。

 日々刻々、アレありコレあり。

 市内飲食店の時間短縮要請が出る直前、ライブあり、小さな食事会あり、zoomでのミーティングと呑み会があり、某宅急便の荷の扱いに怒ったり笑ったり、イチゴ味のアイスキャンディを2本食べて舌が冷えるのを楽しんだり……、諸々、オモチロイといえばオモチロイ。むろん、コロナ禍が面白いわけはないけど。

 

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1年ぶりのライブ。リハーサル中のメンバー。この数日後に時短要請。ぎりぎりセーフ……。

 

 過日。粗大ゴミと化した諸々をまたぞろ、回収してもらう。

 こたび知ったけど、市に依頼すると1度の回収は10点のみなのだった。従って次に申し込むまでゴミはゴミのまま自宅に残る……。(前回に願ったさいはたまたま10点だったので数量制限を知らないままだった)

 タンスや布団ではなく、今回は比較的サイズの小さなモノ達30点弱を出そうとしたのだけど、一度では取ってもらえない。

「何で数量限定なの?」

 大いに訝しんだ。申し込み時に事細かく物品を申し出るワケなのだから、サイズを含め、そこは臨機応変に願いたいけど、一律、10品のみ。

 

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 岡山市の場合、パソコンとその関連機器の分別が判りにくい。

 下の記述をどう読み取る?

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 本体・ディスプレー・キーボードを一式として500円で受け付けてくれるのか、それともその3つが一体型になってるモノのみを指しているのか? 解釈が難しい。

 けど一方で市のパンフレットを仔細にみると、次のような表記がある。

 

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 これは混乱させられる。

 おまけに、こたび依頼がため市のゴミ・センターに電話したさいの、窓口女性の対応が実に官僚的というか、木でハナをくくったようなマニュアル対応で、こちらが廃棄を願った1品に関して頑なに、

「それは家庭ゴミじゃないので引き取れない」

 の繰り返し。

 これに煮やされ、ついつい、

「あんたね~、家庭内で使ってたと正直に言ってるのに何で業務品と断言するんだ、えっ?!」

 悪態をつきたくなるのを懸命に堪えたりで、それなりのストレスを味わわさせてくれたりしたけど、それもまた、通過してしまうと、オモチロイといえばオモチロイ。

「はらだって血圧あがっちゃったわい」

 という意味でオモチロイ。

 

 で、その1品に関しては取りあえず断念したものの、パソコンとディスプレーとキーボードの3点は、1つのモノとして500円で引き取ってもらうことになった。

 パソコン3台にモニター3台とキーボード3つ → 1500円

 プリンター3台 → 600円

 その他合計で10品。回収してもらうことに。

 けども、どうも女史の対応が最後までアヤフヤっぽい。引き受け業者にチャンと通達されるのか不明……。

 

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 後日、回収日。ちょいっと心配していたけど無事に全部粗大ゴミとして回収してくれた。やれやれ……。

 とはいえ廃棄したい外付けハードディスクなど、まだ30数点ある。小型家電として、それは別途で出さなきゃいけない。回収はしてくれない。

 しゃ〜ない。翌日にそれらを回収してくれる近場のホームセンターのカウンターへ、大きめ手提げ袋4つにハードディスクやらキーボードなど詰め込み、重いのを我慢で大汗かきつつ持ち込んだ。

 

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         重さに耐えかね破けた手提げ袋は抱えるっきゃ〜ない……

 

 以上で、少し片付いた……、というアンバイ。むろんにまだ廃棄すべきな諸々が残ってる。もう2回ほど、市に依頼して引き取りに来てもらわなきゃイケナイ。

 

 粗大ゴミ1つでナンギする今の世の中と、かつての先史時代石器時代弥生時代頃まで)貝塚に見られるゴミ処理を比較というのも何だけど、文字すらない時代、喰らった後の貝殻をチャンとゴミとして1カ所に捨てていた生活サイクルがあったのを思うと、これまた、オモチロイといえばオモチロイ。

 はるか大昔に、ゴミという概念があり、それを1カ所で処理するという方策があったことに、いまさらチョット新鮮をおぼえる。

 ゴミというコトバの発生時期は不明だけど、漢字として『塵』と綴り、それを別読みで「チリ」とも読める仕組みを作った漢字文化の醍醐味にも、チョット驚く。

 

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 日本国語大辞典の第8巻によれば、塵とは、散らばって入り込んでいるものを云い、当初は「ちりこみ」と口にしていたらしい。

 そういう表現がいつに出てきて定着してったかは、さすがの大辞典にも記述はないけど、ともあれ、捨てるべくして捨てた諸々を「ちりこみ」の一語に集約したニンゲンの営みは、それはそれでまたぞろ、オモチロイ。

 日々刻々の生活の中に、ゴミという分別をしちゃってるトコロがえらいというか、獣としてのサルと一線をかすという点で、いまさら、いささか、誇らしい。

 ただま~、この頃はサル以下の感性らしきヒトが増えてるような感じ悪さもあって、サルに対する優位がぐらついてるような気がしないでもない。

 

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         上:『馬込と大田区の歴史を保存する会』ホームページより

 

 ところでサルで連想したけど、チューバッカは何故に全裸なのだろ? 不思議に思う。

 ヒトと対等の知性と文化を持っている族の一人であろうに、馬や猫と同様、服をまとうコトをしないのは、それはそれで1つの文化としての歩みなのかしら? 民族的信条として衣装を拒んでるんだろうか? せめてミレニアム・ファルコンに乗るさいはパンツぐらい履いていてもよさそうなもんだけど……、いま1つ、スッポンポンの理由が判らない。

 

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 その『スターウォーズ』の最初の3部作にゃ、ゴミのシーンが2つほどあったな。

 1作目の『新たな希望』ではデススター内部のゴミ圧縮装置が主人公達に苦労を強いたし、次作『帝國の逆襲』ではスターデストロイヤーから大量の金属ゴミが宇宙空間に放り出されるシーンがござんしたなぁ。回収依頼の電話をするでなく、ドシャ~っと捨ててるのが、あるイミで小気味いいわっ。

 スターデストロイヤーという巨大宇宙戦艦から排泄物が投棄されてるみたいでもあり、けどもその世界観の中じゃ不法投棄にあたらない、みたいなトコロが、チョイっとオモチロく眼に映えたがや。だって、ビルディングよりでっかいようなのを幾つも幾つもドド~ンと捨てているんだもん。

 ニンゲンが描いた粗大ゴミ投棄シーンとしては、これ最大級かしら。

 

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 ま~、映画の中なんでべつだん構わないけど、さて一転して江戸時代、夏になると、神田川やら隅田川に、食べかすとして投げ捨てられたスイカの皮を拾い集めて、それを加工して漬物にして販売してたっていう事実があって、衛生的に如何なもんかと思いつつも、商魂というか、リサイクルというか、妙に呆気からんとした営みのリアルをおぼえさせられて感心するのだったけど、でもやっぱりね、

「そんなヤバイの喰いたくね~や」

 真顔で拒絶するんだった。実際、その江戸時代とて、赤痢や疫痢の元凶となるから、さすがに取り締まりされていたようじゃあるけど、法の眼かいくぐって、不法投棄に不法密造がたえなかったようで……。

 たくましや 夏の川辺の 皮拾い

 

 

7月の映画よもやま ~インクハートとバンドワゴン~

 

 たとえば「人流」とか、あるいは「線状降雨帯」とか、馴染みなかった新語が出てくると、

「おっ、そう来たか……」

 と、小さな不意打ちをくらったような感触をおぼえ、あらためて『ことば』というモノを意識させられる。

 一見、「人流」はありそうだけど、昭和48年(1973)刊の広辞苑に記載がない。

 同辞書をめくってみるに、「降雨」はあるけど、「降雨帯」はない。「線状降雨帯」もない。

 1973年頃は、誰もがそんな単語は知らず、それを発する必要もなかったワケだ。

(線状降雨帯の最初の使用は2016年)

 けれど、そうやって新たな単語が出てくると、途端にそれは活用され、定着する。文字(言葉)に命がふきこまれる。

 近頃は「発出」というのも耳にする。この単語は古くからあるけど、日本国語大辞典によれば、発疹がでること、出発すること、ある物事が生じて外部に出ること……、などが意味され、現在の政府が多用ぎみに使っているのとは、違う。

「発出」ではなく「発令」がおそらく正当で理解もしやすいと思うけど、国家を運営する者は時に妙に言葉を曲げてヘンテコなすり替えをする……。

 

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 ま~、そのあたりの文字の消息をモチーフにしたのが、コルネーリア・フンケ女史の『魔法の声』だった。

 とある極く特殊な人は、本を声に出して読むと、その登場人物が現実のニンゲンとして出現するという童話だ。

 けど一方、そのことで“交換作用”がはたらいて、読んでいるそばにいる現実のニンゲンが逆に本の中に吸収されてしまう……。

 この特殊能力を持っている主人公は、迂闊に声を出して読んだために、ワイフを本の中におくってしまう。

 そのワイフを取り戻すために1人娘と一緒に旅にでる。

 ま~、そういう話でけっこう奥行きがあって面白い。

 日本にだって昔から、信仰と迷信の端境でユラユラしている「言霊(コトダマ)」という考えがある。原作者のコルネーリア女史はドイツの人だけど、やはり言葉(文字)に関していえば似たような考えなり感触があるんだろう……。

 

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 それが映画になったのが、『インクハート』

 名のある役者たちが揃い、ロケされた場所もなかなかのもんだ。クレジットなしでジェニファー・コネリーも出てる。(たぶん、ほこり指という重要な役を担った亭主のポール・ペタニーと共にロケに動向してたんだろな)

 原作の芳醇な醍醐味や深みからエッセンスのみを抜き出し、冒険アドベンチャーっぽくまとめてしまってるのがイケナイけど、ま~、映画として、本・文字・言葉の三位を2時間ばかり愉しめるのはいい。

 言葉のチカラを主題に、それをファンタジーとして眺めていられるんだから、それなり、面白い。

 ヘレン・ミレン演じる主人公の叔母は湖畔の豪奢な屋敷に1人で住まい、膨大な本に囲まれ、本を愛してやまない人物ながら、本の登場人物らを召喚する能力はない……。

 原作での、彼女のその辺りの哀しみに似た消息の深みが本映画では希薄というか描かれず、そこが最大限に物足りないけども、画面に大量の本が出てくるのは、イイ。

 一見で、本棚の棚板が薄すぎると見て取ったけど、これは次の展開での本から出てきた登場人物達の破壊工作がための、撮影のための、やむをえない小道具作りなのだろうと察した。本棚をひっくり返してメチャメチャにするシーン撮影がために、あえて棚板は薄くし、倒壊しやすく、また倒れたさいの拡散具合までも考慮したワケだろう。

 そういう所も含めて眺め、良い点とペケな点を羅列できるというのも、ま~、お・も・し・ろ・い。

 だいぶんと前にamazon primeで観て、手元にあった方がいいかなとBlu-rayを買った次第。メチャに良いからでなく、良いところもあるけどペケな部分も多々で、そのあたりを含めてブラボーとブーイングの両者を飛ばせてやろうと。

 

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 ちなみに原作は「インクハート」という架空の本がタイトルだけど、これを「闇の心」と訳したのは、どうかしら? 和訳として平坦で、造語としての「inkheart」の語感(意味するトコロも含め)が薄まってるような気がしないではなく、いささか……。

 

『バンドワゴン』

 1953年のこのミュージカルは言葉のチカラではなく、身体の動きのチカラを見せた映画。

 70年代、学生の時、アンソロジー『ザッツ・エンターテイメント』でこの映画の存在を知ったのだけど、いやはや驚愕、優美極まるフレッド・アステアのダンスに脳天ク~ラクラ、しばし、まさしく言葉を失い、ただもう陶酔させられた。この反応は何度観ても同じ。

 

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 アステア扮するやや落ち目のダンサーと、舞台で共演することになった新進気鋭の若いバレリーナが、互いに反撥し疑心暗鬼だったけど、試しにと街中でペアとして踊りだす。それをほぼ1ショットでカメラが追っかけ、ダンスを終えて馬車に乗り込むまでの5分ほどの華麗な動きは何度観ても、圧倒される……。

 

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 むろん、この映画でも言葉は縦横に駆けるけど、頂点にあるのはダンスでの身体の動き。

 アステアは決して自己中心で踊らない。徹底してパートナーの“レディ”を引き立たせるべく踊る。そのスタンスが優雅極まりなく、逆にこの男性のデカさが滲む。

 言葉が研がれるように、身体も研がれる。その頂点にいたであろうフレッド・アステアを眺めるのは至福というもんだ。

 言葉も身体もうまくは使えないコチラは、こういう映画を観て、羨望するやら、“その気に”なったりやら、な~かなか良い刺激をもらうわけ。

 巻頭で銀色の列車が登場し、アステアが降りて駅舎に向かうシーンがあるけど、これが何とま~全部セットで作られている所も好感。というか驚き。

 

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 70年代に『ザッツ・エンターテインメント』が作品としてまとめられたさい、この巨大セットがまだMGMスタジオにそのまま残っていて、野外セットゆえに雨ざらし、かなり傷んでいるのがアリアリ判るシーンがあるのだけど、その傷みがゆえに時間の経過と共に刻まれたMGMの栄枯盛衰が知れて、感慨深かった。

 でもって今や、Blu-ray画質で1953年のこの『バンドワゴン』を眺められる幸せ。セットは古びようと撮られた作品は光輝な鮮烈をまとって、目映い。

 

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『足ながおじさん』

 フレッド・アステアが実に優雅にイヤミなく中年で独身の超大金持ちを演じる。

 劇中、彼がフランス旅行中、偶然に見た孤児院にいた女の子を、ちょっとした気まぐれで、アメリカの大学に行かせるべく、名を伏せたまま“後見人”となる。学費に生活費と金銭面の面倒をみる。

 で、4年後、彼女の卒業時に……、というメルヘンなストーリー。

 巻頭でのドラム演奏シーンは、後年にクレージー・キャッツのハナ肇が真似て持ちネタにしていたけど、アステアの完璧としか云いようのないドラム演技には眼が点になる。宙に浮き、床に叩きつけられるもまた手に戻る、2本のスティックが魔法の杖がごとく自在に動くんだから、たまげる。

 大勢の学生らの前で踊るアステアのダンスの圧巻は、これまた後にマイケル・ジャクソンが見事に模倣することになるけど、それら原点となるダンスがちりばめられた秀作が、これ。

 巨大なシネマスコープ・サイズで撮影され、その特性をほぼ活かしきった左右幅と奥行きのある映像作りにも大感心。

 50~60年代はシネマスコープ・サイズの映画が数多作られているけど、本作の奥行き作りは絶品かとも、思う。

 Blu-ray画質で観たいけど残念、出てないみたい。

 でもま~、ともあれ、こうしてDVD画質とはいえ何時でも観られるのは、2重マル。

 

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 フレッド・アステアの伝記本。1899年に生まれ1987年に没するまでの彼の軌跡を学ぶに最適。これを読んで、『足ながおじさん』撮影中にアステアは最愛の奥さんを亡くしており、けども悲しみのどん底ながら必死に劇中の人物を演じていたことを知る。

 常にストイック、常に自分と闘い続けた88年は、まさにアスリートのそれ。

 彼を初めて知ったのは1968年からスタートしたロバート・ワグナー主演のTVドラマ『スパイのライセンス』(プロ・スパイ)。泥棒ながら米国諜報部の一員として活躍のアレックス・マンディ(ワグナー)の父親として第2シーズンより登場し、出てくるたび、飄々とした身ごなしと品の良さにコッソリ固唾を呑んでた……。ワグナーもカッコ良かったけど、アステア老のカッコ良さったら違う次元のものだったような。

 本国じゃ全話がDVDになって販売されてるけど、字幕なり広川太一郎がワグナーの声をあてたTV放映版なりの日本版は出てない。大いに不満。

 

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諸事万端

 近頃ほとんど耳にしない4文字熟語「諸事万端」。この4文字で、全てがうまくいったという意味だと思ってらっしゃる方もあるけど、そうでない。

 熟語が示すのは、入り乱れてまとまらず正解が判らないコトなのであって、「諸事万端整えて……」と、「整え」をくっつけて、はじめて、混乱がおさまる。

 解消され、打ち消されるワケだ。

 コロナ禍でのオリンピック開催を含めて諸々な見解や言い分が対立したままの今の状態が、ま~、「諸事万端」と云えなくはないけど、「諸説紛々」の使用頻度に較べてあんまり使われていないようだね。

 ま~、どうでもいいことだけど、さっきフッと思ったんで。

 

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 過日、1年ぶりに某実行委員会の会合。

 久々の諸氏対面ながら、時間のブランクを感じないのが不思議。

 たぶん結局は、この2年近くがフリーズ状態ゆえ、堆積がないんだね。

 で、議題に登った新たなイベントの提案……。

 気乗り気分と気乗りしない感触とが体内でせめぎ合う。

 中途半端はいかん。どっちかに腰を落とさなきゃ~いけないのだけど、揺れた。

 好機としての潮時か、それともジ・エンドの引き時か、あるいはまた……。

 と、しばしのユラユラのあと、ヤルなら明るく溌剌にと、灯るマッチを空想する。

 

 委員会後、久々にバーに足をむける。

 馴染んだ顔に安堵な喜悦。

 この日たまさか、MIHOちゃんの命日……。一時は毎晩がごとくこのバーで顔をあわせ、ケタケタクスクス笑ったもんだ。

 店提供のシャンパンをあける。高名なちゃんとした名のあるシャンパンだけど、このさいあえて、

  Le Champagne de Miho.

 

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 過日、Kosakaちゃんより、「じゅん平」が店を閉めたとの報。

 あのジュ~シ~極まるトンカツが、もう食べられない。

 ショック。

 ご夫婦で経営なさっていたものの、奥方が病いとかで介護を要するようになったとか……。

 せめてもう1度、味わいたかったミックス・フライの妙味。

 残念。けども奥さんの快方をば1番に望む。

 

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 U先生より連絡。

 岡山文庫から本を出すことが決まったとの由。慶賀。

 我が事みたいに嬉しい。

 模型の写真を使いたいとのコトで、むろん、快諾。

 

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 過日、柔道家を呼び、またまたホームセンターへ。

 ベニヤ板を複数枚、諸々な材料を買い、彼のでっかい車で我が宅に搬入。

 先日のNHKの番組で知ったけど、全国のホームセンターの売り上げが通常の2倍を超えているとか。やはりコロナ禍が影響しているんだね。

 実際この日、ホームセンター・タイムの売り場では、若い女性が数本の木材を抱えてた。

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           元マザ〜ルーム。荷物を全部取っ払い、床の張り直し。

 

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 柔道家よりまたもプラモデルの贈り物。オマケに5食いり一蘭のラーメンやメンマも……。

「ひゃ~~」

 と、嬉しい悲鳴。

 

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 しかも、こたび頂戴の「プロテウス号」(映画『ミクロの決死圏』1966に登場)は16000円越えの輸入品。

ムーンレイカー』仕様のシャトルも懐かしい。

「いいのかよ~、おい」

 と、云いつつ、顔がほころぶ。

 けどまた同時に、これら模型が堆積しちゃって難儀して……、それで部屋の片付け兼ねてDIY工作をやってるワケで、片付けつつさらに荷が増えることになる。この絶対矛盾的自己同一にヤヤ苦笑。

 体育館ほどの空間があればイイが、それはそれでソコをモノで埋めたくなる衝動が湧いてくるんだろう、きっと。

 だからま~、現状の改善を試みる程度でホコを治めなきゃぁ……。

 

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 まだ未整理の、模型でグッチャラケの部屋……。10数年前はショールームっぽく瀟洒に模型達が鎮座していたけど、気づくと、自社他社含めての模型やら関連イベントで用立てたモノモノの堆積。窓さえ開けられない……。

 

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 ホームセンターで買ったモノを搬入後、下中野方面へ出て、柔道家と焼き肉。

 なんだか盛大に食べたけど、ゴハンの類いはオーダーせず。ひたすら、肉。

 にく・ビール・にく・ビール・にく・ビール…… 二進法。

 ぁぁ、もちろん運転は柔道家。あ・り・が・た・や

 

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トウモロコシを買いにいく

 KosakaちゃんとN君の3人で、県北へ出向く。

 トウモロコシを買うがため。

 吉備中央町の吉備高原ファーム直売所では複数の品種が扱われ、朝に採ったのを即座に店頭に置く。

 なので加熱の必要のない生ショクも楽しめる鮮度が自慢という次第ゆえ、やや早い午前中に出向く。

 

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 数日続いた悪天ゆえか、数量はさほどでもなかったけど、ま~、それでも、6~7種類が並んでる。

「んめぇとみぎ」という品種があり、近頃とても人気のよう。東北方面で改良されたものらしく、「おいしいトウモロコシ」という意味です~と、直売所の女史が親切に教えてくれる。東北の一地域ではトウモロコシをトミギとかトゥミギと云うそうな。

 売り切れたらその日の営業はおしまいで、8月16日で今年のトウモロコシ販売は終え、来年に備えるとのこと。

 白と黄の「ドルチェ・ドリーム」。

 甘みの強い「カクテルコーン」。

 粒々すべてが白の「ホワイトレディ」。

 この3種を複数ずつ買う。

 

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 Kosakaちゃんが、蒜山の道の駅併設の市場も覗いてみようと云い、真庭を抜けてさらに北上。

 途中でゲリラ豪雨

 唐突突然、パ~ン、という大きな破裂音と同時、車左手10メートルとない所へ鮮烈なブルーの稲光り。

 いかずち、とはまさにコレ。

 直後に民家の電線より、白煙。

 落ちた

 こんな至近で落雷直撃を見たのは、初めて。

 眼の中にしばし青い閃光が残る。

「怖っわ~!」 

 3名車内で大騒ぎ。

 雷はその1激のみ。

「もう数メートルずれてたら……」

 などと、猛雨の中を駆けつつ戦々恐々。

 

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                 落雷後、車中から。

 

 小雨の中、蒜山の道の駅「風の家」に到着。

 トウモロコシはさほどなかった。

 吉備中央町と蒜山ではやはり気温が違うようだなっ。たぶん2週間後くらいに白い実のトウモロコシが旬なモノとして並ぶんだろう。

 わずかに店頭にあった「ピュアホワイト」というトウモロコシと、定番のヒルゼン大根のでっかいのを手にし、レジに運ぶ。

 大根はメチャに重いが3㎏越えた実りがたったの100円。ご近所のタケちゃんにも買っておくか。夏の大根は硬いけど、それはそれで存分に味わえる。

 

 で、こたびは山名食堂には行かず、久々に高原でジンギスカン

 テラス席でビールと焼けた肉。熱い肉汁を吸ったキャベツの旨いことったら……。

 久々、羊のお肉を堪能。

 3人で7人前を平らげる。

 平日は時間制限なしで食べ放題のこの店は、混み合う土日は2割増しのネダンになるそうな。平日で良かったぁ。ゆったりとした時間を食(は)めたわい。

 

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 場所を変え、ジャージー牛のミルキーなソフトクリームを舐めた後、腹ごなしのドライブ。

 倉吉経由で三朝温泉街を通り過ぎ、佛寺奥院、崖上の国宝・投入堂をば、はるか下方より見上げる。

 京都から車で来たというオバチャマ4名が我々に近寄って、

「あそこまで、あがれますかぁ?」

 などと問うてくるのをkosakaちゃんが、

「この時間帯だと、登れても、降りてくるまで時間がかかりますよ」

 で、1人1人の服装と靴をば眺め、

「サンダル、駄目ですね~。でもガッカリしなくても、院の受付でワラジが有料だけど提供されます」

 既に1度、大汗かきつつ登った経験者だけに、親切の輪っかが広い。

 

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 投入堂界隈はヘンに観光地っぽくないのが、いい。双眼鏡を1つ入れた郵便ポストが置かれてるけど、無料で使える。たぶん地域の人が置いてくれているんだろう。小さな親切に大きな幸い。

 

 帰路の夕刻。車内のTVモニターに映るオリンピックとコロナ関連ニュースに3人ともども、

「オリンピックどころじゃないっしょ」

 当然の反応。もはや口にするのもアホらしいって感じの五輪……。

 そも五輪とは、ヨーロッパ・アメリカ・アフリカ・アジア・オセアニア、この5つの大陸が団結したスポーツ大会という意味合いだけど、全大陸が苦悩しているコロナ禍で決行って?

 

 市内に戻り、はま寿司で夕食。

 あっさりしたのを幾つかつまみつつ、ビール。

 

 帰宅し、ビールの肴に「ピュアホワイト」と「カクテルコーン」をレンジでチ~ン。

 ピュアホワイトの甘みは天上的。こういうのは近くのスーパーじゃ手に入らない。

 しかしケッキョク、1日中……、の・ん・で・た・なっ。

 道中で接近遭遇した落雷は、その戒めか警告か? 

 何かの映画に、

「偶然は運命の申し子だ」

 そんなセリフがあったけどね。いやいや、それはそれ、これはこれ。落雷は純然で希有な偶然。

 

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         上「カクテルコーン」。下は蒜山の「ピュアホワイト」