春うらら

 

 日差しほっこり、微風も心地良い。

 こういう時候のさなかは、何ぁ~にも考えず、どっかに行こうとも思わず、ただ縁側にすわって、

 ボ~~~〜

 遠来の汽笛のように、

  ぼ〜〜〜〜

 っとしているのが、イイね。

 

 

 小庭ながら我が宅でも、春の植物たちが揺れている。

 今から咲こうとしてるのや、終わりかけたの……、やらやら。

 陽光のもと、それらに蝶が立ち寄るのを見てるだけだけど、「至福の時間」っていう字がアタマに浮かんだりする。

 

 

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 最近、近代遺産に価いする(と思われる)ような建物が、あいついで「不要なモノ」として取り壊されつつある。

 例えば、「北海道百年記念塔」。

 例えば、銀座の「中銀カプセルタワービル」。

 いずれも老朽化ゆえに壊すというコトらしいけど、古いから廃棄というだけでイイのかしら?

 

 

 奈良の大仏や大仏殿はもっともっと古いワケで、要は近代に造られた建物への思いが薄過ぎるんだねぇ。大仏殿のように大事にはされないんだ。

「北海道百年記念塔」はメモリアルかつ北海道のシンボルタワーとして1968年に建造され、建造費の半分は道民の寄付だったというし、札幌や江別市の小中学校では校歌にこのタワーが唱われてもいるという。

 1968年時点でのそんな北海道民の愛情と思いも、2022年の今は不要ということか?

  インターネットのニュースが道庁の担当者の声をひろってたけど、このさき残すには今後50年間で28億かかる。いま解体するなら2024年度までかかるけど6億円ほどで済む……、とかいった廃棄前提の金銭のことばかりで、54年前の建立時の人々の熱い思いやらカタチとしての塔の意味や意義の継承なんぞにはいっさい触れられないのだった。

 

 かたや「中銀カプセルタワービル」は、黒川紀章の代表作〔1972年建造)なれど、やはり老朽なんで壊しちゃう、というコトらしい。

 この4月の12日頃より解体作業をやっているそうな。

(この2例は保存運動もあったけど、多勢に無勢って~感が濃厚)

 けど、壊しちゃえば、もう2度と復帰出来ないワケで、昭和の光景としての遺産が遺産(あるいは資産)と認識されないままハンマーや重機で、ベキバキ壊されていくって~のは……、淋しいというよりも、ひどくモノ悲しいなぁ。

 

 

 何でもかんでも残せばイイとはちっとも思わないし、保存維持には相応の資金を要するのも判っているけど、明治大正のモノには愛情が注がれるのに、昭和時代のモノには奇妙なホドに冷淡な感じがして、かなりペケね。……思えば「岡山市民会館」もそうだ。

 

 黒川のカプセルタワーより5〜6年前に造られ、彼のメタポリズム設計思想に影響をあたえたと思われるモシェ・サフディ設計によるカナダ・ケベック州にある「アビタ67団地」が、しっかり保存され、現役の集合住宅として今も、存分に“活かされ”ているのと大違い。

 

 

 昨今、生活の中での諸々なモノに関して『断捨離』が奨められているような感触があるけど、なんか根底には、

「捨てちゃえば新しい風が吹く~」

 ってな短絡でショートしちゃった風潮がのさばってるような気が、しないではない。

 生(なま)の記憶が残る昭和はオールドでどんくさいし、消去してイイんじゃ~なぁ~い、みたいな空気があるんだろうか?

 けど記憶が乾燥してくると、どうだろ?

 かつて全国津々浦々、明治に取り壊したお城を、一転、セッセとコンクリなんぞで復活させたみたいな、繰り返しが起きるんじゃなかろうか、そのうち……。

 となれば、行ったり来たりの右往左往が我が国の“特性”なのか、な?

 まっ、庭先でポンヤリしつつも、上記のようなコトが念頭に浮かぶんで、

「ふ~」

 小さく溜息をついたりもする。ただま~、春先の陽炎みたいにアタマの中で揺らぐだけなんで、そこがイカンのだろうなぁ、たぶんに。

 

 

 

20世紀少年

 

 ひっちゃちブリに、フィル・コリンズの、後半でドラムがドドドッドド~ンと来る「In the air tonight」を大音量で聴きたくなってヘッドフォンで味わってるさなか、

「あっちゃ~」

 片っ方の根元が折れちゃったよ~。

 

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 20年くらい愛用してたな。経年で力尽きたみたいじゃね……。

 残念だけど、しゃ~ない、新しいのを買わざるをえない。

 なワケで、「In the air tonight」は途中までしか聴けず。

 こういうのって、イジイジさせられるなぁ。音が出なくなったんじゃなく、ヘッドに固定できないという有様がイケマセンなぁ。

 

 1990年6月での英国ハートフォードシャー州ネブワース野外コンサートでのカッコよい「In the air tonight」。 ↓

 

 

  下、2004年のフランス公演での、一段とカッコ良くしたというか、頭髪変化と逆比例でいっそうカッコづけてる「In the air tonight」。どっちも好きだなぁ。

 

 

 

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 ようやくやっと、浦沢直樹のコミックス『20世紀少年-20th Century Boys』、全24巻を読み終える。

 読了まで半年以上かかってしまった。

 1つには、現在と過去が行き来する物語構成が、いささかうざったく、さらにもう1つは、悪人の顔があまりに典型的で興ざめ、そのあたりでどうにも、ノレなかったからで、ベッドに寝っ転がって読もうと思いつつ、

「ま~、今夜は別の本、読むか」

 なかなかページをめくる気が薄いコミックスなのだった。

 

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 ま~、とはいえ、全部で2600万冊も売れ、アレコレの賞を総なめにしたオバケのような漫画じゃあるし、3部作の映画にもなって、これまた観客動員数が当時新記録だったという作品なのだから、

「きっと、悪くはないはず……」

 ブームが去った今になって、ようやく本作に触れてみたワケなんだが、このテ~タラク

 ノレない最大の理由は、おそらく、音楽というかロックを物語の根底にしつつも、そのミュージックとしての音が漫画からストレートには伝わって来ないという、イジイジするようなジレンマであったろう。

 浦沢直樹には気の毒だけど、そう感じた。

 漫画のコマから、音が聞こえないのだ、我が耳には……。

 なので、チビリと我慢して読み続けるみたいな感もあって、そ~いう次第で半年以上かかったワケなのにゃ。

 漫画という表現とミュージックという表現には、浦沢直樹をして埋められないミゾがあるよう思え、これは残念なことだった。

 

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 本作で浦沢は、1970年大阪万国博を物語の背景に据え、ま~、そこが当方の興味の対象の大きな要因でもあったけど、こちらが想像していたのとはヤヤ違っていて、そこもチビリ残念だった。

 けどまた……、浦沢直樹の生年を思うと、ボクよりわずかに年下なのだから、ライブ感としての大阪万博への思いがゼツミョウに違っているとも判って、大阪万博というステージ・アトラクションがいかに大きなものであったかについては、浦沢同様、

あれは何だったんだろ?

 世代の差違を含め、我が事として顧みたい気分を触発してくれるんだった。

 わずか半年の会期で国民の半数越えの6500万人が会場入りした、その「熱」は何だった……?

 

 あぁ、むろん、数年後にまたぞろ開催予定の大阪万博にゃ、まったく興味なし。いまだに「博覧会かい」、1970年の残滓にすがってるのが滑稽で、もの悲しく、その上、開催後はカジノ……、だなんてバカな施政(姿勢か?)、興味ないというより開催反対。

 

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 ま~、ともあれ、ブームが去った今頃にやっと『20世紀少年-20th Century Boys』を読了。

 読み始めた最初は一瞬、これが浦沢作品のベストか……、と思ったけど、『マスター・キートン』あたりの一話完結短編がやはり最良だったなぁ。

 なんでアレコレ、賞を受賞できたんだろ? 週間ベースで読めば、なるほど、興味の持続が濃い漫画だったのじゃあろうけど、単行本としての全24冊は、けっこ〜荷が重かった。今ひとつ解せないままに、たぶんもう、これは再読はないだろうとホボ確信。

 

 

 

 

5ヶ月ぶり高知

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 某日。ポカポカ陽気。

 賞田廃寺跡を散歩。

 およそ1600年前にあった寺の跡。いまだ寺院名など、まったく不明。けども大規模。

 それゆえ、飛鳥時代(7世紀)から奈良時代にかけて、この賞田(しょうだ・地名)が岡山の中心となる場所だったろう……、などと、空想する。(すぐそばに備前国府があったから、そう推測できる。懸庁に価いする施設があったワケだ)

 廃寺跡は、春になって一面に雑草が茂りつつある。

 足下に微細な花々。

 しゃがんで仔細を見ると、2ミリに満たないような花が、靴の傍らにいる。

 眼を寄せてみると、驚くほどに豊穣。

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           タチイヌノフグリらしき青と白

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                これは名が判らん

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                 おっ、これは判る

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             ホトケノザというんだ

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 地べたの百花繚乱。

 雑草と一括りにしちゃ~、気の毒だ。

 我が物ガオで我々は踏んづけてるけど、地表の真の王者は、これら無慮大数のミニミニな植物たちのような気がしないではない。

 

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 昨日、高知に行く。

 およそ5ヶ月ぶりの四国。

 昨年11月24日と同じメンバーで、ほぼ同じコースを辿る。

 

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 まずは早朝の坂出で、前回とは違うモノをトッピングし、うどんをすする。

 これで390円。たった390円。

「香川ってホントにうどん県だにゃ~」

 これまた久々にそう感慨し、お汁も全部たいらげ……、南国へと向かう。

 

 余談ながら、130年前の明治25年時点では、岡山市内にうどん専門店はない。あるのは、屋台。

 だから屋根のある店内で座って喰らってたワケじゃ~ない。〔一部の料亭にはあったかもしれないけど)

 うどん屋台は当時、「煮売り」というジャンルに置かれ、天神町の懸庁界隈ではおよそ20数軒、旭川のほとり、京橋界隈ではさらにたくさんの小さな露店があったろう。

 屋台のうどん屋から暖簾のある一軒屋としての転身は、この岡山市街では、いつだったのか?

 かなり調べてはいるのだけど、いまだ確固とした史実が浮かんでこない。

 

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 明治25年開業の「亜公園」内に屋台があったかも、もし、あったならば……、という創造復元模型。蕎麦屋だけどうどんも扱うという設定で、屋号もつけてる。「雷神蕎麦」というんだ(笑)

 

 香川のうどんを堪能した後、ゆるゆる山間の道を駆け、道の駅「たからだの里さいた」でアレコレ物色。

 去年11月にここに来たさいは、岡山では見られない食材を幾つか買ったけど、シーズンが違うんで前回のモノは当然になし。

 徳島の大歩危小歩危吉野川沿いを南へ駆け、高速にまたのって高知の久礼へ……。

 

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                 土佐本陣から久礼の海を眺める

 

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 土佐本陣にて、いつものカツオのたたき。くわえてアジのひらきとサバを焼く。

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 食後、あちゃこちゃ立ち寄り、小夏に文旦、アレコレ買い、遅い時刻にさぬき市の「カモメ」で夕食。

 前回に訪ねたさいはコロナの影響で休みだったけど、こたびはセーフ。スタッフが少なくなっているのは、そのコロナゆえの災いか?

 

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 あえてビーフカレーを頼んでみる。

 数年前に仲間たちと会食したさいは、トンカツ定食を食べ、厚みやら柔らかさに、「おっ!」ってな驚きに近い良い感触だったけど、こたびのカレーも、あんのじょう、正解。うまかった。

 お肉がゴロゴロ、というカレー表現があるけど、ゴロゴロなんて〜もんじゃない。スプーンをスコップみたいに差し入れるたび肉が“とれる”。

 この店はホームページなど持たず、店の看板もごく小さくって控えめなれど、変にアピールしない所が逆に良く、四国に渡っての〆めの食事場所として、ふさわしい。

 そう勝手に決めかけている。

 ぁぁ、もっとも……、界隈の若い方々にとってこの店は良質なデート・スポットなのだろう。ゆえにどの席もアベック。

 中年おじさん3人というのは、ちょっと光景としてそぐわない。

 けど、ま〜、いいのだ。白い眼で見られたワケでもないだろう。たぶん。

 

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          スープと思いきや、茄子の味噌汁。ちょいと意表をつかれた 

早くに

 

  ながく我が身の面倒を診てくれた医師が、亡くなった。

 というか、亡くなっていたコトを知らずだったんで、愕然とさせられた。

 最後の検診は2月の半ばで、3月終わり頃にもう直きに次の検診だにゃ~、と思ってたら我が弟よりモシモシがあって、

「I先生、亡くなったようだぞ」

 まさかの報に、困惑、否定ぎみに……、

「なんじゃそりゃ?」

 悪い冗談を聞いたような気分なのだったけど、医院にモシモシしてみると、休診の録音案内があるきりで、何も情報が得られないのだった。

 定期で薬をもらってるんで、まもなく検診必需。

 しかたない。近場のK医院を訪ねて事情を話すと、

「I医院さん、お気の毒でしたねぇ」

 既に事態を承知のようであり、それで、ようやく事実と判って、

「が~~ん」

 あらためて、愕然を味わった。

 

 Iは、ボクよりかなり若い医師で、父親から医院を引き継いだ。

 マイ・マザ~は、このI医院で親子二代に渡って診てもらってた。

 英国車が好きで、古いロータス・エランを手にいれて自分で改造したりと趣味なヒトでもあった。

 ボクがミニに乗ってるのを知って以来は、検診は数分でアトは車の話だらけ。

 看護士さんが呆れちゃって

「あの~、アトの患者さんが……」

 苦笑するコト多々なのだったけど、その若きI医師の急死……。40半ばでまだ独身だった。

 とはいえ、あくまでも患者と医者の関係でもあって、共に車で公道を駆けたというようなコトはない。検診時に車バナシに花が咲くという範疇での関係ではあったものの、すこぶる、残念。

 

 新たな医院で、新たに検診され処方され、お馴染みの薬を頂戴して、コトは進んだけど、“主治医”に先立たれちゃった患者というのは、滑稽なもんだ。

 冥福を祈りつつ、乗り手を失ったロータスを不憫にも思う。

 早く駆けるよう彼はエンジンに手を入れたりして、英国車のみのアマチュア・レースなんぞに何度も出場していたりでなかなかヤンチャなのだったけど、その本人がライフのスピード違反、早く逝ってしまうとは、ぁぁぁあ~。

「なんちゅ~コトか」

 この世の中が整合性なき不均衡な混沌であることを重々に承知しつつも、不条理の前衛を味わって、

「こんなの、味わいたくもないっ」

 絶句したままグンニャリさせられているのだった。

 

 コロナ疑いの方を検診のためにI医院では昨年、駐車場の端に小さな検診室を設けたけど、ほぼ未使用のまま、虚ろになってしまった。

 どういう次第か、2月の検診時、そこを写真に撮っている。

 不幸を予見したワケでも断じてなく、ただただ何だか1枚パチリと撮っただけなのだけど、思わぬカタチでこの先も記憶されるであろう写真になってしまった。

 

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 過日。若い仲間たちと後楽園そばの公園で花見。

 後楽園はその数日前に外周を軽~く散策し、アチャコチャで弁当を拡げてる方々を見て、屋台禁止ゆえ、騒々しさがなくって、コレの方が良いんじゃないかしらと思ったもんだ。

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 コロナ以前の後楽園界隈は焼き肉の匂いがこもって、

「花より肉かい」

 足が遠のいてたけど、コロナのおかげといったらヘンだけど、騒擾(そうじょう)やら喧噪が薄れてガツガツせずで、よいアンバイ。

 桜の木も、焼き肉の脂を霧みたいに浴びせられずで、ホッとしてるんじゃないだろか。

 イチバン若い参加者(小1)とハトをパチリ。左のオブジェはリスかネズミか? 顔を真正面からみるとサルのようでもあり、耳の大きいサルだと言い張ってもイイけど、こういう場合は小学1年の見解を聴くべきだったろう。

 彼女の作ったヤヤ焦げた、でも甘い卵焼きに舌鼓みポンポン、ニンマリ笑ってるうち、聴くの忘れたぁ。

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3月おわり

 

 あぁ、という間に3月が過ぎてった。

 苛烈ぎみなアレありコレありが、日替わりメニューみたいにめまぐるしく眼前にやって来て、アタフタしてる内に、日数短い2月より早く終了したような感じ。

 身内がコロナにかかり、家庭内感染でさらにもう1人が……、とかとか、アレやコレが生じて落ち着かないセワシなさが、高速というよりいっそ光速で、点滅してはヨギってった。

 

 

 そんなさなかも、とあるカタチを模型化すべく、切ったり貼ったり、悪戦苦闘してる内に、3月が過ぎてしまったわけで、

「プフ~~っ」

 溜息とも長嘆息ともつかない、くぐもった呻きがこぼれる。

 

 来月4月に講演してもらえまいか……、というお話もきたけど、いささか急過ぎ、エエ加減なハナシをしてしまいそうなので、

「年末くらいなら可能でござんすがぁ」

 断るでなく、チビリ延長させてもらえまいか、というズルい言い訳してポリポリ頭をかいたりもした。

 

 

 けどまた一方、日差しがジンワリとあったか気味で、それはそれでメチャ心地良く、春到来の新規新鮮を体感もしているんだった。

 やや近くの祇園備前国総社宮に詣でてみると、誰ぁ~れもいない本殿そばでは桜花が日差しに目映く輝いて揺れ、我が宅の小庭でもアレやコレがいっせいに花をつけている。

 フラワーのシーズンがやってきたワケで、これはこれで情動される。

 

 

 色彩を失っていた山や路地や庭に、色が戻ってくるのは、う・れ・し・い。

 4月もまた気分として光速なのかどうかは判らないけど、ともあれ、『陽はまた昇る』ワケじゃね。

 冬場はやや閑散としていた冷凍庫にアイスクリームをば、放り込む。このさき、必需ゆえ。

 

 

 

 

 

久々、MO:GLA

 

 春の彼岸。坊さん来たりて経を読む。

 マイ・マザ~没して初の彼岸。

 なが~い別居、不仲だったファ~ザ~とマザ~が、いま、1つの墓に祀られているのも妙だけど、没して4ヶ月、早いような遅いような……。

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 遺影として仏間に置いた写真は最晩年のではなく、彼女が60代頃のもの……。

 その写真が仏間に鎮座して日々眼に入るようになって以来、不思議なもんで、ベッドに寝たきりの彼女の老いた姿より、元気で小言ばかり口にしていたマザ~の闊達っぷりの方が偲ばれる。

 たかが1枚の写真だけど、そこから喚起されるコトの方が大きくなって、亡くなる直後のマザ~よりも、その30~40年前の方のイメージが勝ちぎみに変じていて、いささか奇妙。

 置いた写真1枚で、心の動きって変わるもんなのだね。

 

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 弟より連絡。

 子供の1人が発熱が続き、よもやと思い検査受けたら、あんのじょうコロナ陽性……。

 軽症らしいが、家族全員、しばし蟄居生活とのコト。

 3/16時点での岡山県での感染者総数は56999人。死者219人。(岡山県ホームページに記載)

 死者数の膨大に、いまさらに、

「ありゃ!」

 と息をのまされる。

 その災いの火の粉が、年始以来会ってないけど我が身内にもかかったワケで、ひどく心配はしないけど、顔はくもる。

 不思議なのは、同居家族への検査が実施されないコト。これには、感染した娘を市民病院に連れてった弟も、

「いいのかな、そんなんで?」

 訝しんでた。

 本人のみでなく同居者もチェックしてアタリマエのように思うけど……、同居ながらイッケン無自覚症状ならば何もしないって、ひょっとして、感染者数のカウントを極力に低くするための国の方策?

 

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 中古CD屋で「Space Theater - Program of Space Pavillion at EXPO’70」を見つける。

 かねてより聴きたかったもの。絶版になって久しい。

 1970年の大阪万博・鉄鋼館のために武満徹が作った曲が収録されてる。

 鉄鋼館には、スペースホールと名付けられたシアター(外部から完全遮断された音のための空間)があって、サウンド環境として1008個のスピーカーが設置されていた。

 武満はその1008個を最大限に活かす“音楽”を作ったわけだ。

 環境前衛音楽の1つの極み。連動しつつも、スピーカー個々は個別の音を出す。

 

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 残念なことに本CDでは2本のスピーカー対応(CD時代になっての初期のもの)でしかなく、曲としては聴けても、身体中がくるまれる音響としての特性はゼロなのが、残念極まりない。

 ま~、けれど本作を聴いて、映画『未知の遭遇』でのジョン・ウィリアムズの、不協和音を巧みに織り交ぜたヴァイオリンの緩急差ある音楽が、

「あっ、これが原点か!」

 と判って、ニッコリ笑みたりはできた。

 ウィリアムズは盗んだワケでなく、まして武満徹を消費したのでもない。学んで応用、昇華してのトライだったろうと愚察し……、武満の大きさを今さらに了解して、またニッタリする。70年万博は、以外な所で現代に直通し、息吹いているのだった。

 

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 昨夜、久しぶりにMO:GLA

 豪華なメンバーでのライブ。

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 小沼ようすけSHIHOTOKU……、ジャズフェスで大きなインパクトを穿ってくれた、馴染んだミュージシャン達を、これまた久々、まのあたりにし、「皆さん元気なようで」と安堵しつつ、かつての幾重ものシーンを思い出したりする。

 コロナウイルスの波のような襲来に翻弄されっぱなしのこの2年ほどだけど、裏方として自分がかつて体感した良き諸々までは浸食されない。

 コロナめも、過去を消去する程のチカラはないワケじゃね。

 

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         3年前の10月13日にiPhoneで撮影。楽屋裏でのSHIHOさん。

 

 

 

時代劇の夢とモニター

 

 ど~でもイイことだけど……、時代劇の夢をみた。

 自分をふくめ、皆なサムライ姿。

 その中、ジャズフェスの仲間が2人ほどいて、2人ともマゲをゆってるんだから、可笑しい。

 メチャにリアル。時代ゲキだもん、誰もメガネのないお姿。メガネなしでの近眼ガオ、険しいような眼元あたりの描写とか、糊の効きが薄まった裃のくたびれ具合とか、夢のクセして考証がしっかりしてる。

 めったと見られないから目覚めてしばし苦笑。ホッコリ気分。

 刀を抜いて決闘とかじゃなく、板張りの長い廊下を5〜6人の複数で歩きながら、おしゃべりしてるだけ。

 続きを見ようとまた眼を閉じたけど、ダメだにゃ。1回こっきり。

 

 

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 Macのモニターの1つが、不調。

 iMacに2つモニターをつないで3ディスプレーという環境だけど、その1つがヨロシクない。

 

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 壊れきってはいないけど、ふいに映らなくなり、ケーブルを抜いたりさしたりすると治る。

 それがひんぱんにおき、抜いてさしてが当初は1回だったのが、3回4回となり、時にそれでもダメで1時間ほどアトにまたやると復帰したりで、ダンダンの悪化が眼にみえて……、よろしくない。

 実のところ、同じ型のモニターがそれでダメになって同じモノを買い換え、でまたも、同じ現象なのだから、こりゃ、さっぱり嬉しくない。

 

 アップルはつい最近、新たなモニターを販売しはじめたけど、べらぼ~。高いの何ののセレブ・プライス……。

 いっそこのさい、アップルのでなく、他社のを使ってみるか。

 amazonをみると、適合した廉価なのがある。

 Dell製品かぁ、ロゴがでか過ぎだなぁ、好かんなぁ……、けどま~、このさい、林檎印以外のモノが眼前にあるのも酔狂かぁ~ん。

 という次第で交換した。

 余計な出費以外のナニモノでもなしでブ~~ッ、だけども3ディスプレーの利便をおもわば。

 

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 さぁ、ところがだ……。壊れたヤツの真ん前にDellのモニターを置いて、取っ替え前のファイナルだよ~と通電したら、モンダイなく画面が開く。

「れっ?」

 しばし放置というか、そのまま使ってもモンダイない。

「へっ?」

 一夜使い続けてみると、この数週の不具合なんかゴザンセンでしたみたいに快調。

 で、さらに今夜で3日になるんだけど……、すこやか、すこぶる、快調。

 時々、機械って、奇怪な動きをするねぇ。ふ・し・ぎ

 

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 なので仕方ない。せっかく買ったDellはアップル・モニターの後ろに置き……

   Dellに出られず

 

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 とあるモノを保護収納のため、某専門業社にアクリルケースを特注。

 サイズ指定でのオーダーは、高いねぇ。

 けどシャ~ない。ケースなしの剥き出しだと、その素材ゆえの劣化が眼にみえている。おまけに規制のケースに収まらないサイズゆえ、支出アップなれどショ~がない。

 

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 今、諸々、とりわけ食料品の値上げが相次いでるけど、収入は増量されないのに、必需諸々の値段が増加って~のはマッタク良くないねぇ。どんどん損しちゃってる。

 100円だったのが118円とか……、少額単位じゃあんまり気づかないけど、マヨネーズを1000万分買おうとすると、1180万になってるわけなんで、実はまったく大変だ。損の波紋がえらく拡がってる。

 う・れ・し・く・な・~・い。

 アクリル業界や木材業界も素材入手を輸入に頼っているんで、この先、値上げが予想されるとのコト、というかDIYなんぞに用いる木材は既にアップップ〜してる。

 かんばしくない方向にモロモロ進んでナンギじゃね。

 

 値下げ、って近頃さっぱり聞かないなぁ、と思ってたら、1つだけあった。

 都心赤坂の一等地。国会議員の宿舎家賃のみ、値下げだって。

 首かしげ、眉間あたりに、奇怪という文字が浮き上がっちゃう。

 

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