名がややこしいナ

昨日、記したオ〜君が電話をくれて、コトの真相が判ったのだダダダダ。
嬉しい誤算。難産の後の安堵と幸せって感じの感慨をシミジミ。
と、それにしてもオ〜君の多忙は驚きを超える。その上での気配りに感動する。
電話をもらったさい、たまさかにラーメン屋にて醤油味をすすっていたのだが、5〜6分話したアトの最後に・・
「麺が延びたやも、申し訳ない」
との一言がくわわって、嬉しさが増加した。麺は確かにノビたが情の滋味が醤油味にくわわって美味かった、ぞ。
多面体のブリリアントカットな光芒を幾重となく放射するオ〜君のコトについてはまたこっそり、何ぞのときにココに書くとする。

さて。
本題。(^_-)
ご承知の通り、9/13に日本初の月探査衛星が打ち上げられる。
あと数日だ。
成功を祈ってやまないのだけど、これには、名前が2つあってややこしい。
「かぐや」
「セレーネ」
プロジェクトを統括するJAXA(宇宙高空研究開発機構)のホームページを見ると、『月周回衛星「かぐや(SELENE)』と記されてる。

正しくは2つあるのではなく、一つはプロジェクトの総称で、一つは月周回の衛星を指すのだけど、そのあたりの、いわば姓と名であるコトがうまく伝わっていないので、ついこの前だったか、深夜の酒場で、お隣に座った美女が、
「あれは、どっちが本名なの?」
と、のたまった。
この美女は、SELENEの化身といっても過言でない色の白い美人だったのだけど、かぐやホドに若くはない。若くはないけど大人のオンナの魅惑に満ちていて、ジッと眺めていると惑わされそうなので、あまりジッと見てはいけない・・。
そこで、こちらとしては、
「セネーネは計画そのものの、いわば性でござんして、かぐやはその中の一部、実際に月の廻りをクルクル廻る衛星の名なのですよ。この名は公募で決まったんです。アポロ以来、本格的な月探索は久しぶりなんですわい。それも日本がやらかすんだからオモロイでしょ。しかも、かぐやには2機の副衛星も搭載されてるんだからオモシロさが三倍だ〜」
と、お応え申すのだが、先方のSELENEの化身は、
「セレーネは月の女神でしょ。月の女神とかぐや姫とが混在してヤヤこしいやんか」
溌剌と申される。
「2千円札の首里城源氏物語みたいな無理があるんとちゃう? ね、そう思わん〜?」
と、さらに横手の方に同意をお求めになる。
女性はお喋りにおいて、多くの場合、すぐに同輩に同意を求めるを常とする。
当然に、同意を求められた女性も、うんうん、と頷いて、
「無理がある〜」
笑ってお応えになられるのだ。
「ま〜、公募で決まったからね・・ 日本は公共的なモロモロに関してはなんでも名前をつけるときには公募するからね〜。かぐやの公募にゃ、たしか1万通を超える応募があったそうな」
と、やや防戦ぎみに申せば、
「自分で何で決めんの?」
女神らはそう付け加えるのだ。
そして、ニコニコしつつ、
「でも、ヨシベ〜さん、宇宙が好きなん? 詳しいわね〜〜」
微笑んでそう申されるのである。
そこには悪意も何もないのであるけれど、「宇宙が好きなん?」の部位に、ちょっと引っ掛かるものがある。
大のオトコが顔を赤らめるようなトコロがある。こいつ、マニアやな・・ と悟られたという部分で顔が上気する。
鉄道が好きだといえば、影で「あいつ、鉄っちゃんや〜」とのふくみ笑いが浮くのとご同様な構図が「宇宙モノ」にもあるんでTPOをわきまえずな発言は慎まなくてはイカン。
趣味的嗜好は出来るだけ隠さにゃイカン。
これが釣りであるとかテニスであるなら、公言しても「あいつ、釣りちゃんやとか、庭球ちゃんや」にはならんのだけど、鉄道モノやら宇宙モノはどうも居心地が悪い。なんでそ〜なったか知らんけど佇まいとしてひっそりとして置かないと、時に妙な誤解をされるのだ。
ま、ゴカイされてもイイし、そも、そのゴカイとは何ぞやというクエスチョンもあるワケゆえ、こちゃらとしてはそんなコトはどうでもよくって、いっそ、今とても興味があるのは、中国が、この日本のかぐやの一ヶ月後に予定している、月周回人工衛星嫦娥(じょうが)1号のコトだ、とあえて声を大にする。
昔々、頭髪もすこやかに生えのびた美少年のころ、その大と太と犬の区別がつかず、太きいと書いて笑われて少年のガラスのハートにピシッとヒビが入ったコトが懐かしい・・。いまはもうマチガエたりしないが、天津甘栗を30の半ばまでアマヅと読んでいたコトは認める。
そのアマヅの国の月周回人工衛星だ。
中国語の読みで表記すると、嫦娥1号はチャンア1号だ。
チャンアは月の仙人の名らしいが、日本のセレーネと同じく、これはプロジェクト名だ。

周回軌道にのせるコトを第一弾目標にし、次いで、着陸とサンプルをもっての中国への帰還。さらには将来の有人による月基地の場所選定などなどを目的としたプロジェクトのようである。
この計画のスタートとなるのが10月打ち上げの嫦娥1号なのだ。(資料:CNSA)
別に愛称はない。チャンアはチャンアだ。その1号だ。判りやすくて良いじゃないかい。
中国のそれも日本のそれも、どちらも成功していただきたい次第ながら、それにしても、こういうコトドモをば、おおっぴらにお喋りしたいもんよの〜〜〜、なぁ・・。ご同輩。
月の廻りを日本と中国の探査機がクルクルクル廻るのだ。ただ廻っているんじゃなく刻一刻にアレコレソレと情報を地球に送ってくるのだ。アポロ計画のおかげで月のかなりの事が判ってきたけど、いまだ、この月がいかに生じたか、月の起源の決定的な発見には至っていない。月の南極部はどうやら一度も陽光を浴びたコトがなく、そこに水があるのではないかとも云われて久しく、そこいらを解明すべく来年の秋には米国がエルクロスという名の探査機を打ち上げるコトにもなっている。
各国がこぞって月にまた眼を向けはじめているのもオモシロイけど、アポロ・プロジェクトの模型的マニアとしては、月の暗部の詳細を早くに知りたいナ〜、と思う今日この頃なのだ。