セレーネ(かぐや)が飛んでいる

夕刻に外に出て、月を眺める。
半月だ。
この月に向けて、いま、セレーネ(かぐや)が向かっているのだと思うと、見えはしないが反射として眼がそれを探すような動きをする。
とはいえ、実はまだセレーネは月に向かってはいない。
セレーネはまだ地球を廻っているのだよ。
地球との距離は最短にして110Kmくらい。
月からだと、これも最短で500Kmくらいの、長大な楕円を描きつつ、地球を中心に廻ってるんだ。
感触で申せば、打ち上げられたのだから真っしぐらに月に向かえばいいのに… と思っちまうのだけど、諸々の準備と軌道の関係と"慎重にやろう"とが相まって、すぐに月には向かわないのだ。
悠長… とも思える時間のかけかただ。

昨日、ウカツにもブログを一日分、上書きしてしまった。
昨夜はとあるVTRの編集作業がために終日部屋にたれこめて、結果が出ぬままに朝になっちまって、うむむ、困ったぞ〜ってな息抜きも含めて、ブログを書いてみたのだが、何か妙だなと思いつつも、上書きしてるコトに気づかなかった。失くしてこまるという文ではなかったけれど、取り返しがきかないのでシャクだ・・。

で。話は変わるが、日活がその昔に作った「大怪獣ギララ」には日本隊の月面基地が出てくるのだが、その宇宙基地に桧の風呂がある。
隊員らがつかってるワケだ。
月、でだぞ。
子供ながらに、そりゃネ〜〜だろうと思ったもんだけど、しっかりオジチャンの年齢に達した今は、ちょっと、それもエエやんか… と密かに思う。
今のところ、月でお風呂に入った人はいない。
シャワーした人もいない。
湯上がりに縁側で冷たいビール… というワケにはいかないのが月だ。
そんな環境に桧のお風呂を用立てたギララの日本隊は、すごいぞ。
いま、宇宙にいるセレーネ(かぐや)にはそんなゆとりのカケラもない。
精緻にして精妙なのは当たり前だけどもさ、どっかにアソビがあって欲しいな。
ないものねだりで恐縮だけど、人は乗っていないけど、人を感じさせる何かがあればイイな。
打ち上げ時のオフィシャルなアナウンスがたどたどしい棒読みだったのには微笑みましたけど、ね。アレはもそっとカッコよくやって欲しかったぞ。肝心かなめなリフトアップ直前に口籠られては興醒めだ。
そも、声が若過ぎないか?
こういった部分でのパフォーマンスも大事よ。このあたりはNASAのそれを見習わなくちゃいかん。
う〜ん、カッコいい〜と思わさせなきゃいかんすよ。