ペルー南部に隕石落ちた

19日の外電がいっせいに報じたペルーの隕石落下。
読売新聞によると治療を受けたのは600人。朝日新聞毎日新聞は200人。まるでデモ行進にあたっての主催者発表と警察発表くらい違う数値ながらも、200人を超える人が病院で治療を受けたというコトはまちがいないようである。
以下はAFP電の引用。

ボリビア国境に近いペルー南部の山岳地帯プノ(Puno)付近に隕石とみられる物体が落下し、これまでに住民約200人が体調不良を訴えている問題で、当局と科学者らは18日、放射線は一切検出されていないことを明らかにした。"ペルー核エネルギー研究所(Peruvian Nuclear Energy Institute)の研究者はAFPに対し、「高精度の測定機器でも放射線は検出されなかった」とし、体調不良は「衝突時の高熱により隕石から溶け出した硫黄、ヒ素など」が原因ではないかとの見方を示した。隕石落下時に地中の成分が溶けてガスが発生するのはよく見られる現象だという。また、落下した物体が人工衛星である可能性については否定した。
15日の隕石の落下に伴い、付近の住民らが頭痛や吐き気、めまいを訴え、約200人が病院で手当てを受けている。Carancas村には診療所が急きょ設置された。住民の間では症状が長期化することへの不安や隕石の落下が相次いで起こるのではとの恐怖がひろがっている。
プノ地域の保健省によると、重症者はいないものの、血液と神経系の検査は今後3〜6か月継続する必要があるという。なお、警察は落下地点にできた直径20メートル、深さ8メートルのクレーターへの立ち入りを禁止している。クレーターの近くではマスクをしていてものどや鼻に刺激を感じるという。(c)AFP

いずれのニュースも写真付きだったのが頼もしい。

即効でボクは一本の映画を想起した。
「IT COME FROM OUTER SPACE」という1953年の白黒映画。
アリゾナの片田舎の村に隕石が落ちまして、主人公夫妻が見にいったら隕石じゃなくって宇宙船で、こりゃ侵略されるなと思ったら、宇宙人は近隣の人をさらって、故障した宇宙船の修理を手伝わせ、主人公は綺麗なヨメさんをさらわれたもんだから村の青年団と共にガンバッて、
「あんたら、こんなヒドイことしたらいけんよ」
などと、けわしい顔で注意したら宇宙人達は治ったサッカーボールみたいな宇宙船で出ていった…。
という、のんびりとした映画だ。
米国映画のクセに、武器でガンバらず、説得しちゃうのだよ、宇宙人を。
背景の音楽が大いに不安感を煽る旋律を奏でてくれるのだけど、シーンはちっとも怖くない。宇宙人との遭遇という、どえらい事件ながらも結局はごく地域的ローカルな範疇でもって事件は解決してしまうので、学者も政府も軍隊も出てこない。逆説的な意味ですごいのだけども、映画史に残るような作品じゃない。

それでいてこうしてあえてココに記しているくらいに印象が濃いのはヒロイン役のバーバラ・ラッシュさんがあまりに綺麗で、その華麗な美しさがゆえにワガハイの中では永遠の作品となっちまってるワケだ。
この人は「地球最後の日」というSF映画にも出てるのだけど、清潔感ある美貌がいいのです、な。
同時代のグレース・ケリーさんのような小悪魔っぽい要素がなくって、死語なれど"清純派"に属してたと思われる方。けど、それでいて妙な肉感的な艶っぽさがあって、そこがただの清純ではない魅惑として、この人を引き立てているのだとも感じてるんだけど、胸が大きいとかヒップがバ〜ンと張ってるとかいうワケでもないの。いわゆる豊満なボディではないの。でも、円熟味というか艶が良質な磁石みたいに効いてて、これが魅惑の根源で…… ともあれ、隕石だ。
今回は隕石だ。
やっと話が戻った。
報道された写真が、「IT COME FROM OUTER SPACE」のシーンにとても似ていたので、ふいに懐かしい友にあったような親和をおぼえてしまったよ。
隕石から何かが溶けだしたというのにも興味をひかれるけど、ちょっと前に隕石の話を書いたコトもあって、これが都会に落ちなくてよかったな〜、と安堵もした。
これが、岡山の繁華街の、たとえば表町とかオランダ通りとかにでも落ちたらえらいこっちゃですよ、ホント。
深さが8mもの穴を作ったのがすごいじゃないか。
ハンパじゃないぞ、8mというのは。一級河川旭川だって最深で5mちょっとらしくって、それでも、そこに潜るのは勇気がいるぞ。
というワケで、水たまりと化した穴に何が落ちてるか、続報を待ってる次第だ。
よもや宇宙船というコトはあるまいが、「IT COME FROM OUTER SPACE」にはない"怖さ"をニュースで味わえたので… ちょっと得したような気分もあるな。