台の上で

卓球を仕事にしてる方は多々あると思われるけど、卓球台の上で仕事をした人というのは多々ないと思われる。
文字通り、卓球台の上に乗って仕事するのだ。
ご承知のように卓球台というのは人が乗っかるようには出来てない。
乗るのは軽量なピンポン玉だけだ。
その卓球台の上に立つ。
身動きするとグラグラする。
そのグラグラな状態で、重い業務用VTRをそえ乗せて共に立つ。
朝の8時から昼過ぎまで、立つ。
当然にVTRを操作するワケだ。
むろん、飛んだの跳ねたのはない。ファインダーを覗きながら時折りにカメラの頭を振る。運動としてはさほどに動きはない。
が〜。
なんせ不安定なのだ。
心理的にも落ちつかないコトはなはだしい。
恐々乗っかって、なるたけ動かぬよう、かつ映像だけはピシリと撮るに専念をする・・。
とあるイベントをVTRに収録するという仕事で、依頼先が用意してくれたのが、その卓球台なのだった。
周囲は観客で埋められ、卓球台はいわば特別のポジションとして用立てられていて、台のグルリにはテープも貼られている。
大なオジサンが大なカメラと大の三脚を持って乗っかるようなモノではないのだが、主催者の配慮の厚さを思うと、卓球台はダメとはいえないシチュエーションなのだ。
ゆえに乗っかり、黙々仕事した。
終わって安堵し、今度はテープ編集に専念せねばと思った翌日に、右手と左のお尻の付け根界隈が筋肉痛とあいなった。
右手のそれは激重な三脚を担いでかなり歩いたせいと判るけど、オケツ付け根界隈の、ズワ〜ンとしびれるような、ボワ〜ンと痛む感触が気味悪い。
取材からまもなく二日が経つという今日この頃になると、右手のそれはまだしも、立っていても座っていても、左足の後ろからオケツにかけてがしびれ、実に不愉快なのである。
思うに、卓球台の上にいた半日、我が輩は身体をよほどに突っ張らせていたのであろう。
左足を軸として、数時間を石のように硬化していたのであろう。
その緊張の結果としてこのしびれはあるのだけど、オケツのその位置が痛くなったコトが過去にないゆえ、余計に妙チキな感じがして、温めてよいやら冷やしてよいやらも判らない。
腕や下肢の筋肉痛は触れて感触としての痛みが判るけれど、こたびのオケツ周辺の痛みは、なにやら全体がボッボ〜ンとした茫漠なしびれがあって、点として痛みの箇所が判別しない。
指であちゃこちゃ押してみると、なるほどに、
「ここだな」
てな痛む箇所もあるけれど、それを越えて茫漠としたしびれがあるんで、まるでオケツが自分のオケツでないような変テコな按配なのだった。
だけんども仕方ない。
文句云うててもハズまらんので、おら〜ァ、黙って、撮った映像ゥ〜、編集するだよ・・。
と、自身をはげます本日のわたくしであります。
外は雨。
久々の雨。
12月の雨。
ハッピ〜エンドの名曲をば口ずさみましょか。