雪の愉悦

たぶん今日付けの岡山市発の数多のブログなどなどには、今朝の雪のコトが書かれたろうと思う。
雪の予報はあったものの、雨だったから期待は薄かった。でも暗くなるに連れて降り出した。

ボクは津山市の出身だからか、人一倍に雪が降る状況を好むヘキがあるようで・・ とりわけ、この岡山市という所が温暖で雪も嵐も少ないので余計に、雪積もる日、への思いがあついのだった。
というワケで例によって作業をしつつも、1時間に1回くらい、ドアをあけては外に出るを繰り返し、
「雨になるなよ。降りやまないでくれよ〜」
ってな御祈願をこめて徐々に白くなっていく夜中の外界を眺めてたワケだ。
朝の5時に庭先で写真を撮った。
たぶん、この降雪をとらえた写真としては、かなり早いものだったろうと自負する。
本日の夕刻のニュースでは、岡山市の降雪は2センチ、だったと報じられたけれども我が宅の庭のそれを見るに、5センチはあったぞ〜! と申したい。
もっとも、2センチであろうと5センチであろうとも、県北の蒜山の47センチには遠く及ばないし、幼少時の津山のあの降雪とを較べても、て〜〜んでたいしたコタァないのではあるんだけど・・ ともあれど雪が降った、眼の前に雪が積もりつつある、という状況は量の大小に関らず、ワガハイの心の底に沈潜する"子供"を大いに刺激してくれるのであった。
なワケでさっそくコッソリひっそり黙々・・ 雪ダルマを作る。
ダルマというよりはタマに近い代物だけれども、タマ状に出来るくらいに雪が降ったのはありがたい。素手で転がしたんで手が凍えたよ。
この凍えの感触も久しぶりだ。
夜が明けると残念ながら雨となって、一面が白い景色だったのに、次第に抜け落ちるハゲってな感じでもって地肌が見えだしてガッカリだったけど、雪に不慣れな岡山市民はこの日、多くの方が車での通勤からバスなり電車なりに換えたものと思われ、月曜というのに車はすごく少なかった。
堆積した雪が小雨にゆるんで屋根から落ちる。

ボソ。
ボソ。
ってな感じの雪のそれ以外には類例のない音で、落ちる。
ゾボッ。
ゾボッ。
とも、ボクの耳には映える。
やがて、そのボソやらソボッにかわり、雪溶けの滴の音が、ポタン、ポタン、ポタン・・ と聞こえ出す。
この音も懐かしい。
雨のそれとは決定的に違う音。
冷たく澄んでいて清廉で潔白で高雅な品位をもった音。
ポタン、ポタン、ポタン・・。
ボクにとっての、『凛として』はこれかもしれんなと思う。
オバケみたいなのを作って・・ 凛もリ〜ンもないけどさ。でも、これ見ようによっては、なんか・・ えらい坊さんに見えないか?
「えっ? 何やそれ? 誰や?」
「ダルマでんがな・・」