新春一番・この写真


アポロ6号の打ち上げ前、見学に訪れた方々。
NASAのツアーバスがカッコよいのでお気に入りの一枚になった写真だ。
目的のアポロは500〜600m向こうだ。この当時はこんなに近くまで見学のバスが出てたんだな〜と今みると驚きもするが、写っているこのツアー参加者の方々を見ると、なんだか嬉しい感触が湧いてくる。
わけても左から2番目のおっちゃん。
髪の形や姿勢の良さから、おそらく退役した軍人と思えるが、見事なメタボ腹に滑稽さが滲む。ビールとステーキでもってこうなりましたよな太っ腹だ。
その太っ腹は、ドライバー兼案内役らしき人が解説しているその横にぴったり沿い、案内役の人に向けて自分の知るウンチクをしゃべりたくてしかたないといった感を受ける。
案内の方が、
「ごらんください。全長100mを越える、これが世界最大にして唯一のアポロ・サターンです」
と申す横手で、
「あ〜、知っとる。ワシらの誇りだ。ワシはな、海軍にいた頃にゃ、何度もミサイル打ち上げに接してるからな。知ってるか、わしゃホーネットに乗ってたんや」
てなアンバイ…。時に案内役さんを差し置いて自ら勝手に解説を他の皆さんにしそうな勢い…。

一番左はその息子で、どうも… 父親のそういった目立ちたかり屋なカタチにいささかのウンザリをおぼえてるのだけど… 声に出して反撥できないって感じ。
右側にいる複数の家族らしき方々は、このツアーに参加してる退役軍人さんに、やはりいささかのウンザリゆえ、こうしてちょっと距離を… って〜な感じもあるんで、この写真、眺めていて愉しいのだ。
それにしても、このバスだ。
カッコいいじゃないか。窓のカタチがいい。
あいにくとオリジナルの写真が白黒なので色が判らないのだけど、50年に近い前の車輌に思えない親近をおぼえるんだ。