続・ザ・ムーン


やっと… 朝日新聞に「ザ・ムーン」の感想が載ってたんで一読。
若い記者さんだと思う。若いといっても、記事中に69年のアポロ11号をテレビで観ていたと記しているから40代くらいな方かしら?
でも、「紙に描いて宇宙船を設計し、モデルを木材で組み立てた。その超アナログぶりには驚かずにはいられない」てなコトも記してあって、モノ作りの現場を知らん人なんだな〜と… 読んでちょっとガッカリもしたな。
今だってモックアップは紙や木で作るぞ(笑)。
ま、着眼点はいいね。
ボクがこのブログに記したコトとほぼ同じ部分に反応して筆をすすめていらっしゃる。
「私たち人類はやりましたね〜」
っていう部分だ。
いいトコロに眼をつけてらっしゃる。
でもね… 結尾として置かれた、
『単純に興奮できた』
は違うでしょうとボクは思うんだ。
それはあまりにハショり過ぎた一語じゃないかしら。
当時、興奮はたしかにあったけど、それはまだ言葉を与えられていない(今に至っても)情感の下で蠢いていた昂揚であって、興奮の上に、実は何事かが、人類に関る重要な何事かがアポロの月着陸には兆していたんだと思う。
人が他の天体に行き、歩き、そこから上空をあおぎ、またロケットで戻ってきた…。
科学的進捗という程度の意味合いではなく、より深い部分においての人に関する何事かを言葉として表現するのがたぶん朝日を含めたマスコミの仕事であったと思うのだけど、あの当時のマスコミはただただ、
「それは跳ねて飛んだ」
程度の感嘆詞にとどまって思考が止まり、それは今に至っても同じに見えちゃう。
視点がこの地球の地表にとどまったままで、他の天体と地球を結ぶ線が描かれない。
哲学的なまろみを含めて描いて欲しいと望むのは高望みとしても、地表から離脱して他の天体の地表に立ったというコトの深い部分をマスコミは今もってチャンと文字として語ってないと… ボクは思うんだ。
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添付の写真は月から帰還した飛行士を隔離したMQF。移動隔離室。1/48スケールのペーパーモデルだ。