ツイン・タワー


移動発射台(LUT)が二基同時に映っている写真はアンガイとないですね。
これはその例外。
発射場に向かうアポロ13号です。
のせているのはLUT-3。左の塔はLUT-1。アポロ8号と11号を打ち上げた、いわば由緒ある発射台。
この一葉を眺めるたびに思い起すのが、わたしが住まう街で一番にノッポなマンションです。
ツインのタワー形になっていますので、なんだか反射的に、このアポロ13号の写真を思い起すのです。それがもう習癖になっていて、このマンションの界隈を歩くたびにほぼ必ず… 見上げますな。
で、眼はマンションを見ちゃいなくって、マンションをアポロとLUTに見立てて眺めてる次第。
この34階建マンションは高さが160mですので、ほぼアポロのそれに匹敵するのも都合がいいのです。
「な〜るほどな〜、この高さか〜」
と、歩くたびに、歩きつつ、連想しておりますぞ。
「こんな背の高いのが空に向かって飛び立ったんだな〜」

小学生みたいな感嘆を毎回沸かせる訳。
「このビルの半分くらいの容量の燃料がたった数分で消費されるんだな〜、すげ〜な〜」
と、炎と轟音をこのマンションに合致させ、打ち上げの瞬間をば中学生のように想起させる訳。
ちなみにこのマンションには知人が住んでます。それもけっこう高い所を所有してまして、そこに出向いてベランダから下を見ると、景色はいいけど足が竦みます。
アポロの飛行士はそのフロアよりもう20mほど高い位置で発射塔のむきだしの回廊を歩いてアポロに搭乗するのですけど、たとえば今、現物としてアポロサターンと発射台が博物館になっていて、高い所も自在に見学出来るというコトになっていても… わたしは高所が大のニガテですので、たぶん、上がれない。
だから、下から仰ぎみるのが一番なのであります。
「塔は見上げるもんだわい」
と、高校生のようにうそぶく次第です。