天体嗜好症


知ってる方はご存知のように(あたりまえだ(*^o^*))、夏から秋にかけては、おかやまJAZZフェスティバルというイベント主催にかかわっているので、エネルギーがそっちに傾注しぎみになって、どうしても模型から手が放れ気味。
身体は1つしかないワケだから、こういう時に、孫悟空みたいに髪の毛を使って「分身の術」が出来りゃ、スイブンと便利だろ〜にと半ばホンキで思ったりもする今日この頃。
もちろん、それでも、模型作りとはまったく違う音楽の世界での人との出合いや諸々のチャレンジに醍醐味があるから、日々、極めて充実なりなのだ。
おかやまJAZZフェスティバル(通称・OJF)に深く関るようになって既に数年。今年は4つの場所で4つの大がかりなイベントを行なってる。
この週末にその締めくくりのイベント。
小野リサさんとAnn Sallyさんを迎えてのホール・コンサート。
OJFでの諸々はこちらの専用ブログを読んでもらうとして、イベントというのは毎年繰り返してると、馴れが生じてくる。
馴れて、緊張がとけてくる。
これがイケナイ。
馴れに身体が馴染むと、あちこちにルーズさが顔を出してくる。
そこで今年は幾つかのイベントに新機軸を導入し、自分を含め、スタッフ一同での新たなチャレンジというカタチを描いてみた。
たぶん、まだ声として届いてはいないけど、不満をおぼえたスタッフもあったろう。
「そんなこと、ジャズのイベントと関係ないじゃん」
と、訝しむ方もあるだろう。
でも、新たな動きに関しては不満や不安はつきもの。
結果はどうあれ、未知の領域に足を踏み込む緊張や感触を失っちゃダメだろう、たぶん。

さてと、このせわしない合間を縫い、明石天文台に先日、出向いてきた。
来年にリニューアルされるここの展示物に関しての打ち合せに出席してきた。
天文台で仕事をする、というのは初のことだから、密かに緊張もしているのだけど、上記のとおり、挑戦することに価値ありだ。
明石天文台には、ツァイス式のプラネタリウムがある。
プラネタリウム界での潮流は、コンピュータ仕掛けで、描写される星の数も多く、色々なコトが出来る仕掛け満載というモノが主流になっているけれど、明石のそれはかなり古いもので、聞けば、国内でこのカール・ツァイス式なのは、もう僅か4ヵ所しかないという。
明石天文台でも、実は新規導入が考えられ、予算もついてた。
それを天文フアンや地域の方々や学芸員さんたちが反対し、このツァイスを使い続けることを選択したという経緯がある。
ツァイス式にはツァイス式でないと有りえない味が、あるんだ。
なにより、あの形。
稲垣足穂が云う「天体嗜好症」がうずくような良い形だから、ボクも大好きなのだ。
だから、ホントに良い決断をしたと思う。
新しい装置を導入するのもチャレンジだけど、あえて既存のそれを使い続けるのだという意志に、やはり大きなチャレンジを感じるからいいのだ。