へんな夢

誰にもあることでしょうが、時々、ヘンテコな夢を見るよね。
おとといの朝方にみたのがそうだった。
真っ暗やみの中、行軍してるんだ。前にも後ろにも横にも兵隊らしいのがいて、なんだか懸命に駈けている。
足の指が気持ちわるいと思ったら、草履だ。
で、刀を持ってて鎧もつけてる。頭を覆う兜はつけてない。
どうやら足軽というか一兵卒としてのイデタチで、暗闇を前へ前へと向かってるようなのだ。
「あら〜、戦国時代だよ、こりゃ」
と、夢を見つつ、もう一方で観察者としての自分が状況を分析してもいるから… おかしいね、夢って。
でだ。隣りにいるヤツの腰にはアルミのやかんがぶら下がっていて、それが気になる。
この時代にそんなアルミ製はないだろ? と訝しみながら、かつ、自分らはどこへ行くのかよく判らない。
でも、なんとなく予感がするんで、それで隣りのヤツに、
「月が出ていない晩だし、小田信長の陣に向かってるようだね〜」
と問うと、
「それはどうでもイイじゃないか」
みたいな妙に冷たい返答をする。
なんだかこんなヤツと一緒にいたくない気分がモワ〜とあがってきたから、少し足並みを乱させて徐々に彼や一群の兵隊から離れ、機会をみて草むらに隠れた。
草は、稲を乾したような匂いがあって、なんだか懐かしい。
でも、1人きりになると迷子になったコトを自覚して、この先どうしようかと思いはじめる。
すると、さっきのヤツとは別の足軽みたいなのがやってきて、
「あんたが逃げる方向に自分も一緒にいく」
という。
聞くに、
「自分らは明智軍で、もう明智光秀も死んでしまい、敵に追われてる」
とのこと。
なんだ、攻めてるんじゃなくって追われてるんか〜、とガックリしつつ、どこへ行ってよいやら判らない。落ち武者狩りで無残なメ〜に遭うような怖さがジワジワ浸透してくる。
すると相手は、
「隕石が落ちたから、まもなく火が廻る。ここは危ない」
と、せっぱ詰まっていう。
とたん、隕石落下の知識をこの御仁に伝えたいというか、ひけらかしたい要求がムクムク湧いて、近くに落ちてる棒ギレで地面に絵を描こうとする。
大きな丸をかいて地球にみたて、小さな丸をかいて隕石にみたて、
「それで直径はどれくらいなの?」
眼の前の人物に尋ねると、答えに窮してる気配なので、また優越感にひたり、
「もう火が出てるんだろ!? あんたが思ってる以上にこれはメチャに大変なことなんだぞ」
と、わざと怒って、
「あんたの友達に民主党のサポーターがいるでしょ? それはボクの知人でもあるから、そいつが教えてくれるよ」
と、そこでまた脱線してしまう。
これは失言だったと、夢の方向が突然オモロクない方向にイッちまった〜、と夢の中で自分自身反省するハメにおちいったが、もう隕石の話に戻れない。
口惜しさにジタバタしたら… 眼がさめた。
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まぎれもなく、ちょいと前の朝日新聞だか毎日新聞のニュースがネタになってる夢だった。
小惑星2つ、見えるかな8〜9日に月より近くを通過』という、のどかなタイトルのニュースだ。
のどかゆえ、逆に記憶に残ってしまったわけだ。
ホントはのどかじゃなくって、けっこう危険な状況であるというコトをニュースが伝えていないんで、妙に印象に残ってたワケだ。
ネット上で読んだだけだったので確かではないけれど、たしか10〜20mサイズの小惑星2つが地球から8万キロあたりを通過するという内容だった。
この近さは尋常じゃない。
たった8万キロだよ。
月と地球間は38万キロだから、こりゃもう異常接近だ。
ニュースの報じ方として例えるなら… 「テロリストの集団が二手に分かれて我が国の国境付近を移動中」というのを、「大型トラック2台に分かれて遠足みたい。参加可能かも〜、キャピ〜!」って伝えてるような感触。
落下の危険はないと判定されてのNASAの発表だったろうから、それを記事にするさい、「見えるかな…」になったのだとは思うけど、それにしてもノンキなフレーズだわいと、ボクは思ったんだろうね〜。
それが夢にでてきたワケ。
直径が数キロあるような小惑星はすでに大方がカタログ化されていて動向が追跡されているようだけど、10mや50mクラスの大きさのそれは、すごく近接した状況で「発見」されるというのが今の現実だから… ホントはすっごく怖い話だとボクは思う。
気づいた時にはもう手遅れ… という現実はいずれ必ず来るよね。
『それが起きるか起きないかではなく、いつ、起きるかなんです』
というのが今の先端の天文学の常識らしいから、よけいに怖いや。
だから今回の夢は、その恐怖の反映というコトになるらしいな。
と、それにしても導入部の明智光秀は何なのだ。なんで俺… 一兵卒として参加してたんだろ?
これも怖いや…。
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※ 写真はかぐやのペーパーモデルなり。アポロ以後最大の月探査だったね。