どこに軸足を置く?

東北の厳し過ぎる寒波の中で暖もとれず食事もとれずな多くの方々に本当に同情する。
家を失い家族を失い、家族の写真のただの1枚も残っていないという方が多々あるだろうと思うと、痛ましさに声がでない。
誰もが知る通り、日本の電力は二分されているワケで、これのスタートが明治時代だ。
以後、何度かは、それを統合しようという声はあったようではあるけれど、結局はそれが平成半ばの今に至っても出来なかった。
いわば日本は電力において国家が二分されているワケだ。
基本のインフラが実態は分離しているワケで、その分離のままに原発が立ち並ぶ…。
かの広大な面積をもつ米国は地球の面積比としては6.5%をしめるが、そこにある原発は104基。
日本はどうかというと、地球の面積の0.25%。米国の1/26。逆にいえば米国は日本より26倍広くでデカイ。
だから日本は実に狭いのだ。
その実に狭い国土に稼働中54基+建設中4基+計画中4基。
これだけの原発がある。
くどく書くけど、26倍広い国土に104基の原発をもつ米国に較べ、日本は26分の一しかない国土に計画中含めて62基なのだ…。
でもって、ほぼ世界一の地震国なんだから、常識として考えれば、安全なワケではない場所だ。
今日(3/16)のサンケイ新聞いわく、放射性物質からの回避としては「現状では花粉症と同じ対応」でよいとのコトながら… すでにそういった程度の問題ではないコトはボクのような人間にも理解が出来る。
『経済』というものを最優先しての、上記の原発数だ…。
うまく動いてりゃ、それはそれでよかったかも知れないけれど、もはやうまくは動いていないのは誰の目にも明らかだ。
警察の放水車で水をかけて何とか熱をおさえる… というコトだそうだけど、使用済みの核燃料は、熱いコーヒーを冷ますのとはまったく違うワケで、そも、この使用済みの燃料というのは、使用が済んだアト30年間くらい、あるいはそれ以上の長時間でもって、やっとこさ落ち着きはじめるという、ちょっと人間の尺度を超えた存在なのだから… それに警察車両でもって高圧放水して、とりあえずの危機を回避しているという、この構図のおぞましさに暗澹とさせられるのだ。
じっさい、今はもはや、それしか手段がない。
されど、とりあえずの回避は出来ても、核燃料は以後も30年以上は"元気"なんだから、さらなる対策を講じなくちゃ話にならない。まさか、これから30年間、ズッと放水車が水をかけるワケでもなかろう。
核燃料の再処理を目論んで建造された青森の六カ所村が1993年の建造以来18年も経った今に至っても尚も試運転中というのは、使用済みとはいえ核燃料がいかにヤッカイなものであるかを如実に示しているワケだ。
だから不思議に思うのだ。政府や東京電力さんに向けてマスコミは一斉に情報開示が足りないとブ〜イングだけども、そのマスコミすらも、核燃料が安全になるかも知れない30年以上というコトは触れていないのは何故だろうと。唯一、NHKの科学論説担当者の水野さんのみが、それを指摘していたようではあるけれど、実態としてマスコミも電力会社同様に"情報源"としてアテにならないと感じる。
一部の産業経済優先の新聞やら、あるいは原子力発電を推進する立場とおぼしき学者さんは、
「めったと起きる事件ではない」
と申されるけど、ボクが20代の頃から今に至るまでの40年ほどの合間に、スリーマイルにチェルノブイリにフクシマなのだから… とてものことメッタであろうハズがないではないか。
なぜ、そこまで電力が要るのか…。
なんどかボクはこのブログに書いてきた。「経済活動」という活動の根底を見直さなくちゃいけないのだと、ボクは思う。
今の地球における"経済"とは違うカタチでの何かを人類は探さないといけないと、思う。
誰もが知る通り、たとえばコンビニでは賞味期限が切れた弁当は廃棄される。マクドミスドも皆なそうだ…。まだまだ食べられるモノを捨てる。でもそれは法律できまっているから… というコトで廃棄される。
必需でもなかったテレビが必需になって、アナログからデジタルに換えなきゃイケナイと命ぜられる。まだまだ使えるアナログのテレビを廃棄する…。
明らかにおかしいのだ。
このおかしな根幹を見直さない限りは、この劇的に狭い日本ではまたフクシマの悲劇は起きる、とボクは思う。
70年代はじめに万国博・エキスポ70があって、タイトルは「人類の進歩と調和」だった。
当時すでに公害があったりで、経済活動がもたらすマイナス面もあったけど、まだ『未来』に希望をもてたと感じる。
それからもう40年が経っているけど、なんだか『未来』は遠いなと長嘆息をつかされる。
そんな悲嘆に沈みつつも、今この瞬間も危うい原発の建物内やらそばでもって被爆と闘いつつ懸命に作業している方々の存在の重みに、強くうたれる。
政府は、あえて彼らの名を公開すべきだとボクは思う。
政治家の策や電力会社上層部の右往左往ではなく、現場にいる人達の、その名だ。
自衛隊の精鋭ヘリですら近寄れない環境で作業する方々に、「現状では花粉症と同じ対応」というサンケイ新聞さんはこの方々にもそれを云えるのか?
そも、そこに何人の人がいて懸命になっているのかも判らないのだ。すごくおかしいじゃないか。