ノーチラス-07 ハーラン・エリスンの朗読


ここ10日ばかり、とあるプロジェクトのためにズ〜ッと調べ物をしてきた。
本を買い、ネットを検索し、メチョメチョ雨降る中を某大学のK先生やA先生とご一緒して聞き取り調査に出向いたりと… けっこう時間を要するコトを行ったから、なんだか身体がもう2つばかし本気で欲しいぞと思うくらいなアンバイなのだった。
もちろん、それら調査によって発見があったりマチガイが正されたり、新たな驚きがあったりと、当然にオモチロイ部分はすごくあるのだけども、身体が一つしかないんで、気持ちの中ではずいぶんに"前進"してるのに、実作業としての整理整頓が追いつかないのだった。
調べてハイお終いというワケではなくって、調べたものからあるモノをこれから作り出さなきゃいけないんで… 手間と時間を要するワケなのだ。
なので身体がも一つ欲しいなと… 思ったりしてるんだ。
だけど、そうはいかないや。
このプロジェクトのために、ネモ船長のノーチラス号の作業もちょっと中断させているから余計に焦るみたいな感じもチビッとあったりする。
若い頃のような焦燥では当然になくって、眼の前のものを一ヶ一ヶこなしていく以外に手はないよ〜ん、と判ってるからさほどに強く焦ったりしないけどさ。
でも、少しづづ堆積していくみたいな、追われる感じはやはりあって、それを楽しみにどう転嫁できるかがキーだったりは… する。
とはいえ24時間ず〜〜っと作業してるワケではないから、休憩もちゃんとある。
この10日ほどの休憩に用いてるのはカセットテープだ。
久しぶりにカセットデッキを取り出してホコリをはらいのけ、そこにガチャポンと入れましたるは英語の朗読… なのだった。
お題は「海底二万里」。
一冊丸ごとを、これを米国の作家ハーラン・エリスンが読んでるんだ。

エリスンは日本ではあの暴力的なSF「地球の中心で愛を叫んだもの」くらいしか訳本が出てなくって、30年ほど前には、ゴシップとしての彼の動向のみが伝えられるだけだった。
なんで訳されないのか判らないけども、ともあれ欧米ではかなりの人気作家のようである。
で、かつて、アイザック・アシモフに悪態をついたとか、他の作家をぶん殴ろうとして逆にぶっ飛ばされたといったゴシップでならした彼は、意外や、ジュール・ヴェルヌのフアンでもあるらしい…。
だみ声で早口。
口角泡を飛ばすみたいな口調。
でもそれが妙な味になっている。
なにより、読んでるエリスンが読むことを楽しんでいるのがチラチラ窺えて、ちょっと頼もしくもあるのだった。
なにしろCD以前の時代のカセットでの販売だ。
なのでテープは複数ある。
これを順に聴いて… でも、正直なところ英語を判っちゃいないボクは、だみ声聴きつつウトウトしちゃうというワケなのだった。
テーブルに足を投げ出して午後の3時にウトウトウトなのだった。