明るい農村-01

原子力発電所を国営化するという話がありますね。
断固、反対です。
ゼッタイを頭につけるくらい反対。
この前NHKで、石巻赤十字病院のスタッフが主に撮影していた映像でもって一つの番組が作られてましたが… それを観ても、上記がごとくの感想です。
石巻赤十字病院では3/11のあの激しい揺れのあと、ほぼ即座に"特別緊急"な医療体制をとったようです。
そのテキパキっぷりが素晴らしい。
多くの患者が来るであろうと、ロビーのソファや鉢を移動させて仮設ベッドを通路にまで並べたし、症状によって治療順番を確定していく方式でもって準備を整えます。
が… 患者はきません。
ちょっと拍子抜けな感じの職員たち。
実はその時点では、かの津波による災害が押し寄せていたコトを病院は知らなかったんですね。
患者や避難者が続々続々続々… と来たのは翌日あたりからだったようです。
緊急用として準備はしたものの、あまりの到来者にテンテコマイ。
その状況で一週間が過ぎた頃に、病院では石巻市の被災状況を独自に掌握するために、スタッフを町に出します。
そうでなくともテンテコマイなのに、そうやってスタッフを町に出し、個別に訪問し、状況を知ろうとしたんですね。
そうすると、彼らの前に立ちはだかっていたのは、医療以前の、食料が不足しているという現実でした。
テレビやラジオでは全国から食料を含めた支援物資が届いていると報じられているというのに…。
それで病院のリーダーは、「なんで?」と訝しみ、石巻の市役所に出向きます。
そうすると、な〜んと行政は食料不足の実態を掌握していない。
「支援の物資は県から届くことになっている」というきりで、支援品が届いているのかいないのかをハッキリ口に出せる職員もない…。何日も食事していない市民がいることすら知らない。
苛立ちをおさえ、病院のリーダー達は今度は県庁を訪れます。
石巻市からおよそ1時間の距離。そこは津波のツの字も来てないのだけども、やはり行政側は実態を掌握してなくって、「担当者は何課の何それで、課としては最善を尽くしてる」みたいな、文字通りなオヤクショシゴトっぷりなのでした。
映像でこそ出てはこなかったけど… 石巻赤十字病院の方々は激怒したと想像します。
現地をローラー作戦的に廻って被災者の状況を掌握した病院側の行いは、5m四方の表彰状を作ってあげたいくらいに立派でしょう。なんせ、スタッフは限られてる。スタッフそのものが被災者でもあるに関わらず、市の状況をキチリと捉えたワケです。
一方で、本来、それを担ってなきゃいけない行政側がその役をまったくはたしていないんだから呆れます。
食料の配布どころか、住民が食事していないコトすら知らず、積み上がっていく支援物資をこの先どう配布するかといった会議ばっかりをやってるワケ。部署的な責任を転嫁するコトにのみ最大のエネルギーが費やされているみたいな印象がぬぐえない。
そも、この国では、むろんに多々の例外もあるけども、行政の硬直化がいつも問題になるような気がします。
行政、あるいは国営的なもの…。
国鉄がそうでした。
あるいは、市営化された全国の路面電車もそうでした。
我が岡山では、チボリ公園がそうでした。
民営ならば努力してそれなりに継続出来るものが、国営なり県営なり市営は、たちまちに先が細くなっていく事例だらけです。
行政が運営すると、ほぼマチガイなくそれはダメになります。
だから、原子力発電所を国営化なんて〜のはもってのホカなのです。
使命感もなければ責任感もなく、一年経てばホカの部署に移るんだから、コトをあらだてないよう現状のままに… ってな小心でしか仕事をしないから… その仕事っぷりはおよそダメダメ。
前記のように多々の例外もあって、すごく仕事をしてる人をボクも知ってはいます。
が、総じて、やはり組織としての根底に、"オヤクショシゴト"があるんですな。カタチばっかりを整えようとする。
災害用にと新品で作業服を揃えたり、支援品を送る前に訓辞をたれたり、横断幕を作ったりの… およそ本質とかけ離れたトコロに力点が置かれたりします…。
…………
室町時代の昔からずっとこのかた日本は、大臣になる人を天皇が認証するというカタチをとり続けているから制度としては随分ながいですな〜。
信じがたい発言を連発した松本某も当然に天皇が証紙を渡しているワケです。
それを受け取ってわずか6日めに大臣として自滅するんだから… 天皇とてホントは腹立たしいだろうと思います。
今の世が江戸時代同様な武士的世界なら、この松本某は腹をきって打ち首。一族郎党はお家断絶で流浪の身に必ずなるでしょうよ。
今の眼でみれば一族郎党までもはあまりに厳しいしメチャなれど、ご本人の切腹は、当然デショ… の感想が浮きます。
それほどにハチャでクチャな発言と態度であったと思います。
哀しいかな、この松本某一人でなく、この国難を前にしては、かなり多数な政治家や行政の方々が切腹クラスなていたらくなので、暗澹としてグッタリするワケなのです。
が一方で、一向に… この閉塞感からの脱却をめざす新たなエネルギーの萌芽が感じられないのも、また不思議なんです。
今の政治的状況は江戸時代の最後の頃に似てます。
幕府の閣僚達は黒船の来襲後に右往左往するだけで前進もなければ展開もない。
それで巷に焦燥と苛立ちが蔓延してテロリズムが勃興する。凶猛なエネルギーとなってアブクのように浮き上がってきます。
京都の寺子屋事件めく暗殺主眼のテロはまっぴらゴメンなれども、そんなエネルギーの発芽がなんか今は感じられない… そこが不思議なのです。
どこでボクらはガスを抜いてるのかしら? と不思議をおぼえるんです。
あと2週間ばかりでアナログ波を停止するという『地デジ化』もそうです。
総務省だかの発表だと後50万世帯くらいが地デジに未対応というコトらしいけど、たぶんにそれはひどく過小な数字と思います。
もっともっともっとイッパイいる。
が、それら未対応世帯をいわば見捨てるカタチで事を進行させているワケですからタチ悪し。例によって実態を知らないまま、あるいは知らないフリでの目標達成をもくろんでいる感じです。
たとえば今日、電気店にいって御覧なさいよ。
ハッキリいって、テレビ売ってませんよ。
在庫がないんです。
地デジ化するに足るお金がない世帯に一番に最適な廉価で小型なのが、ない。
やたらにでっかい50型とか60型はお持ち帰り可能なれども、廉価なのがない。
生産待ちなんですな。
この状態を知れば、少なくとも2ヶ月とか3ヶ月、アナログ波の停止を伸ばすというコトをやるべきなんだけど… どうも、そうではないようです。
それに対しての意なり異なりの声があがってこない…。
何のため、誰がための政治なのか… また、それにむけての我らの心構えと気持ちの有りようはどうなってんの? と訝しむばかりの今日この頃であります。