ステーキ

10月はジャズフェスでせわしない。
今年で10年目。
岡山ジャズフェスティバル、というのをやってるのだ。
幾つかのジャズ・コンサートを主催する。
この10月は全部で3つ。
このまえ、中国銀行本店前広場での「ちゅうぎんまえJAZZ NIGHT」と「いしやまパークセッション&アートバザール」を無事におえて、あとは8日(土曜)の「下石井3DAYS JAZZ UNDER THE SKY」あるのみ。
フライド・プライド他ミュージシャンを迎えての、ちょっと大掛かりなやつ。
詳細はココを見てもらうとして… (^_^) 良い仲間が多々いる。
で。今回はジャズの話ではなくって、食べ物だ。
せわしない合間を縫って、某夜、某BARのママと、ニューポートという店で食事したんだ。
ベネッセの本社ビルの真ん前にある店。ながく営業されている。
だからオールドフアッション。いわば普通な洋食屋ケン喫茶店
が。メニューが素晴らしく良い。
何年も過去にさかのぼったような感覚をおぼえるメニュー達。
でもって、そのボリューム。
ここの知る人ぞ知る人気のメニューにステーキがある。
1600円。
分厚い肉の上にレモンの厚切り、その上にパセリを混ぜた四角いバターがのる。

いまどき… このカタチはみない。
だから、嬉しい。
焼けてジューシーな分厚いビーフに、さらにバターを塗っちゃう、このギドギドな感じがすこぶる久しぶりで、とてもいい。
某ママは我が輩がちょっくら病気なのを知っているから、
「バターやめなさい。頼むから塗らないで」
心配してくれるけど、ガマンよりも眼の前の昂悦をボクはとる。
塗る。
カットする。
口に運ぶ。
うまい。
ボリュームは写真の通り。
彼女は別なものをオーダーしたけれど、それも写真の通り。
ボリュームが素晴らしい。
なので、2人、呵々と笑って満足色に眼を光らせた。
スペースシャトル時代以前のNASAを思い出す。
マーキュリー計画からアポロ計画に至るまでず〜〜っと、打ち上げ日の宇宙飛行士の朝食はステーキなのだった。
朝。それも4時とか5時という時間帯にコッテリなステーキが出る。
それが伝統でもあった。
いまどきな草食系とかいったヤワでない、タフな感じがイイではないか。
実際、寝起きに肉を食べられる程なタフでないと宇宙なんぞに出ていけない感触もあった時代なのだし、宇宙飛行士というのはそんなタフな人物たちでもあったのだ。
実体としては博士号をもってたりのお利口さんでもあるのだけど、頭脳明晰な感じよりは"宇宙野郎"的なタフガイを実践していたのが、彼らだった。
ニール・アームストロングもバズ・オルドリンも、ボクの大好きなアラン・ビーンも、ピート・コンラッドも、月に向かう日の朝食はステーキだった。
記録を見るに、コンラッドビーンはその前夜の夕飯もお肉ステーキだ。
そんな次第を思い出したベネッセ前のニューポートだ。
文句なし。
今や世界的な規模でもって経済が破綻しつつあるから、世界を見渡せばお肉なんか食べられない人もいっぱいいるとは思うのだけども、さ。
ちょっとプチな飛行士気分になったり出来た。
未来に向けての希望が濃くは持てないからか? あるいはヘルシーな健康志向の食ばかりが注目されるゆえの反撥か?
ニューポートの70年代風味をボクはゆえに堪能したという次第。
…………
たったいま、ジョブスがなくなったと聞いた。
地球はまた大きな人物を失った。