満員御礼

ちょっと注意して見廻すと、近隣の家々の軒先やらベランダに吊し柿が垂れているのが判る。
ボクは干し柿は食べないというか、好みとしないのだけども、そうやって柿が幾つも吊されているのを見ると、
「ぁあ〜、冬が来るんだな〜」
と、いつも思う。
この感覚には、ちょっとした寂しさが伴われる。
樹木は紅くなった後、枯れていって、景観から色が失せていく。
吊された柿どもも、当初は紅いけど数日で暗く、黒くなる。
色のないシーズンが来るな〜… という寂しさ。
が、一方でこの寂しさを抜けたら、また春が来るという、1つのサイクルが予感されるから、ただただ寂しいだけでもない。
季節というものを一番に感じられるのが… 今頃というワケだ。

日曜の午後。
デジタルミュージアムで講演した。
嬉しい誤算があって、何ゆえか満席となった。
前半と後半に分け、前半で2人の方に講演を願い、ボクと仲間3人による講演はいわばトークショー的な展開と企画した。
前半でのトークがやや長くなって、自分たちの時間が短くなってしまったから、お喋りしたかったコトの全てを縮めざるをえずで、そこが少し残念だったけど、ゲスト講演者の内容はとても面白いものだからまったく問題ナシ。
むしろ、もっと聴いていたかったという感想アリ。
ともあれ、アカデミックな内容をアカデミックでなく話すというスタンスを今回は自身に課していて、そこが成功したかどうかは気になるトコロ。
迂闊にも、来演者の皆さんからアンケートを採るのを忘れてた…。
………
講演を終え、片付けを終え、諸先生方やらと打ち上げ。
コースになった料理。
中央で、みんなでつっつく湯葉がグツグツ。
けど、乾杯してワイワイ歓談に熱が入って誰も煮えたのを忘れてた。
猛烈に泡が噴いたんでだれかが気づき、あわてて火をとめ、美味しいところを掬ってやろうとしたら、土鍋の中は白く濁ったお汁だけ。
「ありゃ。全部溶けちゃってるぞ」
一同、苦笑してまた乾杯となった。