人間がおもしろい


おととい、K夫妻が我が家にやってきた。
正月明けの、ボクらの恒例化した行事。
年に一度、3人でクチャクチャ喋る。笑う。
11月にデジタルミュージアムで行った講演には当日は用事アリといってたけど、ヤリクリして来てくれてた。
このカップルに会うと、ボクは頭髪が伸びてくるような文字通りなノビノビを味わう。
なので遠慮もなく、クチャクチャチャプチャプ、大笑、苦笑、苦い顔、渋い顔、でもってまた破顔して大笑と… アッという間に半日が過ぎる。
ボクの人生は、きっと… 失っているものもの方が多いとは思うのだけども、このカップルを含め、何人かの、友人といえる方々が居るのは嬉しい。
仕事柄、時にボクは"内向き"な歯車が体内で起動して、部屋に閉じこもって何日も過ごすというコトを平気でやっちゃうけども、でも、点として生きてるワケではない。
線が必需なんだね。
その線が、友達だ。
なので今年、新たな、どんな出会いがあるんだろうかと… 期待するワケだ。
1回会った途端に友達になるなんて〜〜コトはない。
何度か会って、共に何かしたり… で、何かが芽生える。


写真はおなじみの、「2001年宇宙の旅」の1シーン。
国際宇宙ステーション内での、米国の科学者とロシアの科学者の出会い。
表層の友交と、ホントのところでの笑みつつの探り合い。
だから、このシーンに友情はない。
身を置いた立場の中でしか発言できない哀しみともどかしさ。
が一方で、人間はそのように"繕う"ことも出来る生き物に成長したコトを証す、これは名シーン。
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ここ数年の明石を含めたアポロ関係の模型の仕事にしろ、ジュール・ヴェルヌの本に出てくるメカニックの模型化にしろ、あるいはジャズフェスの運営にしろ… あるいはまた、今やってる100年前ほどの岡山の某所の模型再現も… まちがいなく、人間への興味があるからだとボクは思う。
模型も音楽もホントのところはボクには”付録特典”みたいなもんかも知れない。
むろん、それはメチャに豪奢かつ豪華でいつだってワクワクさせてくれるのだけども、その根ッコはけっきょくのところ、人間が面白いんだ。
昨年の暮れに「スティングレー」と「キャプテン・スカーレット」を何話か観た。
むろんに「スティングレー」は「サンダーバード」以前に作られ、「キャプテン・スカーレット」は「サンダーバード」の後に作られたもの。
で、どっちが面白いかといえば、圧倒的に前者。
完膚無きまでに前者「スティングレー」。
同じ30分番組の人形劇。「キャプテン・スカーレット」では技術も進んで、人形も、その動きも精緻ながら… いっこうに面白くない。
比して、「スティングレー」は等身もいかにも人形だし、話の展開もゆるいのだけども、そのゆるさと等身が逆に濃く人間の輪郭を描きだす手助けをしていて、
「おやおやっ!」
と、眼をはらされた。
そこですな。
けっきょく、人間ですな。
感情をもってる人間を、どう描くかですな。

写真:「スティングレー」より。60年代のはじめに作られた人形劇だからマイケル・ジャクソンはまだ生まれてもいないんだけど、可笑しいホドにマイケルに良く似たロック歌手がスティングレーの基地にきて、トロイ艦長を嫉妬の絶頂に追い込む… 抱腹な1話。
司令官の娘(右側)はマイケルの魅力に失神中。もう1人のヘレンちゃんも失神寸前というシーン。
背景の壁のデザイン、色。そして3人物のファッション。
いいですな。