金環日食に背を向ける


昨日の朝、多くの方々がヘンテコなメガネ越しに東の空を眺めたってワケなのだけども… なんだかマスコミが猛烈に騒ぎ過ぎたような気配が濃厚にあった金環日食
ふだんなら意見が違う見解がトップページにおどる各新聞のネットのページは、昨日の早朝は皆、この日食の記事だった。
朝日と読売が、「いよいよ金環日食」と、朝の6時頃に載せてたフレーズがほぼ同じだったのには苦笑もしたけど、なんか付和雷同でむずがゆいのだった。
宇宙のニュースとしては、たぶんに… 米国で、人類史初めての、"民間の商用宇宙船を打ち上げる"というのが、当然に金環と併せて載ってもイイはずなのに… 不思議だけども、日本ではほとんど報じられなかった。
ISS国際宇宙ステーションとのドッキングをめざす米国スペースエックス社の宇宙船「ドラゴン」は、打ち上げ直前のカウントダウンが自動停止しちゃったから、発射は延期されて、たぶん、今日になるんだろうけど… 人類の宇宙史にとっては、おそらく大きな転機点となる、これはイベントなのだ。
NASAからも300億くらいの資金援助と技術援助があるとはいえ、初の民間ロケットの商用なんだから… カウントダウン中に停止しちゃったけど、再開はスグだぞ〜! の報道が欲しかった…。
スペースエックス社のオーナーはIT系の企業で成功して、その会社を売って、宇宙ビジネスに乗り出した人で、たしかまだ40歳になってもいないんじゃなかったかな?
ま〜、たぶん、これから、打ち上げが成功して無事にドッキングしたなら日本でもニュースとして流されるには違いないとは思うけど… 日本の報道というのは、どうもイビツでやんすな〜。
金環が見られた! 見るコト出来なかった! 的なマトメに終始してるだけで、一向に… 面白みも展望もないのだった。
天体の運行をニュースの筆頭にあげるなら、この民間初の輸送船(無人)も同列で扱って欲しかったし、リングが見えた・見えない… も、確かに大事じゃあるけれどさ、それがもたらした『感触』に触れてくれないのもまた、残念なのだった。
太陽の強烈さ、というのをホントは実感すべきな天体ショーが、この日食だったとボクは思ってるワケだ。
今は、立ってる場所の緯度と経度が判れば、こたびの食の最大時間は判る。
岡山の某所に住まうボクの場合は、これが7時34分21秒なのだった。
曇ってダメだろうとの予想に反して、6時頃から日光が目映かったから、外に出た。
リングを見るためのフィルターもメガネも持っちゃいない。
何をしたかったかといえば… 太陽と月と地球の位置がもたらす気温の変化を知覚したかったんだ。
なので、太陽に背を向け、亀のように、小1時間を過ごしたんだ。

食がはじまってスグに、明らかに空気の組成が変わったよ。
気温が下がったという知覚ではなくって、なんか太陽の光のエキスから何かが抜かれちゃってる… みたいな頼りなさを、ボクは背中に感じたな。
あいかわらず、自分の影は小庭(というかミニ菜園)に映じてるんだけども、なんか感触が違うのだ。

Tシャツのコットン地を通して背中や、耳の後ろや、後頭部が、数分前までは感じてたモノの大部分を急に奪われたような感じが、した。
うまく表現出来る言葉がない…。ないけど、何かが顕らかに違う。マチガイなく気温も下がったと思う。
月が太陽をさえぎっただけで、こうも違うんだとハッキリ諭された。
これは、すごっく面白かった。
で、食が最大となる7時34分21秒頃に、手にしたiPhoneで自分の影を撮影した。
太陽、月、地球が、ものすごい速度で移動してるのを背に感じつつ、だよ。
この感覚ですわな。
リングがど〜たらは… どうでもよいワケでもないけど、"見た"ってコトではなくって、皮膚の感覚として、地球人たるコトを感じたかったのだわさ。
あえて直視しないことでボクは、太陽系を背中に感じたんだ、と思う。
ちょっと大袈裟ですけどね。
……………
バカな話だけど…、地球を滅ぼすには巨大なダンボール紙1つあればイイのではないかしら。
実に安上がり。
丸くカットした、月くらいな大きさのダンボールを宇宙空間に置けばいいのだ。
小さなエンジンを付けて、太陽と地球の間で、昨日の月と同様な位置を保持させればいい。
たちまち、地球は気温がさがって、我が菜園のトウモロコシもトマトもグッタリだぞ。