ラーメンズ

なんだかもう10日以上、星を見ていないのだった。
星覗きの趣味があるワケでなく、事実、天体望遠鏡すらボクは持っちゃいないのだけども、深夜に外に出てチョットだけ夜空を見上げるのは… 好きなのだ。
でも10日以上、見ていない。雨が続く、曇りが続く、の連続だからシャ〜ないのだけど、1日のどっかにピリオドを打つような、無化な瞬間をもてないのが残念だ。
なので仕方ないので… まだ暗い朝の4時頃にラーメンを作る。
いっとき、近所のスーパーでゲソ天を買って、うどんの玉をチャチャッと湯がいてお手軽に天ぷらうどんを作るのを癖(へき)のように繰り返していたのだけど… 近頃のボクはレンジでチンしちゃうラーメンに惚れてしまったのだ。
元よりボクは電子レンジで調理しちゃえるようなお手軽なフ〜ドを小馬鹿にしていたのではあるけども、これは違った。
写真の製品。

ニッシン製。
袋にプリントされた"調理法"でも、『鍋で温めるよりもレンジを推奨します』旨が書かれてる。
そんなアホな… と一番はじめには思ったけど、ヤッてみたら、これがま〜、あ〜た… うまいの。
レンジの600wで5分、麺を温めるだけ。
スープは湯に溶くだけ。
麺はコシがしっかりし、スープは濃くてキレがある。
こんなお気軽で、「うまい〜」てなコトを口にするのは気恥ずかしいけども、なにやらカルチャ〜なショックをおぼえさせられたのだった…。
きっと、何かのマチガイであろうと、翌日だかにまた買い求め、再度チャレンジしてみたら、やはり、うまかった。
手軽さという意味では同社のチキンラーメンが、それはもう何といってもダントツなのだけども、レンジ使用のこれとは味の幅が数倍に劣るのだった…。
そんなワケで、近頃は天ぷらうどんはボクの中ではすたれて、今はニッシンのこれなのだ。
「21世紀的食味なのだな、コレが」
と、ボクは大袈裟でなく、そう思った。
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シンフォニーホールの真裏(岡山での話デス)に、もう10年通ったラーメン屋さんがあって、『とん亭』というのだけど、さほどに特徴のある店じゃない。
餃子は肉っけがなくキャベツばっかりが目立ち、ラーメンは濃くなく薄くなくと… やはり大きな特色があると記せるワケでもない。
でも、気がつくと、この味に慣れて親しみ、アッという間に10年近くだ。
界隈では高名なバー・Pのマスター氏やら近場の映画館館主も常連だった。
いわばこの濃くもなく薄くもない特徴のなさが、リピート可能な持続性の元となっているとも… 愚考するのだけど、この店がつい最近、郊外に移転した。
なので、ジャズフェスのミーティング前とか、用事の中途に『とん亭』でちょいと食べるという従来の習癖をボクは失ってしまったのだけども… 仕方ない。
繁華な市内ストリート沿いで高額な家賃を払いつつの営業よりも、郊外の、広い駐車場もあって家賃もやや安い上に店の面積は2倍以上という方に賭けてみようと、『とん亭』のオーナー夫妻は考えたようなのだ。
やはり常連であった某BARのママを伴って、新店舗には先日の白昼に、車で出向いてみた。
キャベツたっぷりの餃子が、やはりイイ。
こんな餃子はよそにはない…。
そうか! これが『とん亭』の味か!
あらためて鮮烈をおぼえ、わざわざ来てくれてありがとうと挨拶にテーブルに来たとん亭の大将に、
「やっぱ、この餃子、最高っすね!」
正直に申しておいた。
ラーメンもオーダーし、チュルチュル・ハフハフ… ぱくついた。場所は変わったが味は変わらない。
「うまっ!」
むろん大将には、さすがに、電子レンジでチ〜ンしちゃえるラーメンにハマッてます、とは云わなかったけどさ。
下の写真:新店舗の『とん亭』