火星の音

土曜に幻想庭園。翌日曜は関連のライブと…… こなして来たから今日は完全にオフと決めてた。
やらなきゃいけない事は積もってるけど、オフだ、オフだ。休日だ。
晴れるなら、夜には外に出て、流星の出現を願おうかとも考えたけど、残念ながら曇り。
数時間後には雨になるらしい。
なのでNASAのホームページに載る新着の火星写真をボンヤリ眺める。
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火星のキュリオシティ。
キュリオシティ−、と伸ばすのがイイか、シティ、でイイのか… ちょっと悩ましいけども、刻々、精度の高い写真を送ってきつつあるので、ありがたいかぎり。
用途分けされた多数のカメラ達もどうやら故障がないようなので、今後がいっそう愉しみなのだったが、なんでマイクがないのか、音を収録しないのか… いっとき、残念に思ってた。
でも、でも… よく考えたら、火星は大気圧があまりに違う世界なのだ。
地球のそれに較べて1/100くらいな気圧環境なのだから、趣きが違うのだ。
送られてくる写真を眺めていて、ついつい、地球の景観と同列で見ちゃってしまうのがイケナイ。
地球では湯を沸騰させるには100度まで加熱しなきゃいけないけど、火星では、地球から持ち込んだ水をむきだしで大気にさらせば、瞬間芸で沸いちゃうのだ。
その昔、シュワルツネッガー主演の「トータルリコール」では彼が火星の大地に宇宙服なしで放り出されて、メダマが飛び出しそうになるのを必死に耐えているシーンがあったけど… 現実はもっと過酷なハズ。メダマは飛び出し、すぐに沸点に達して煮えちゃうのだわさ。むろん、水分だらけの人間の身体全体が沸いちゃうんだから、大変だ。
そんな気圧では音は飛ばない。
まったく飛ばないワケではないけども、絶叫めいた大声で話せば、かろうじて相手の声が聞こえる… 程度の環境なのだ。
だから、キュリオシティは録音装置を搭載しない。
でも、大気はゆらいでる。風がふいてる。小さな竜巻みたいなのが常に発生もする。
地表は流動し、砂に波紋が浮く。
音はあるけど、ほとんど聞こえない世界。
やはり、不思議の世界だ。
そんな環境でも生物が住まう可能性は高いのだから、さらに不思議だ。
音の伝搬がよろしくないのだから火星でのコンサートは、かなり難しいというコトでもあるけど… 一方ではやはり…、音が聞こえない(かもしれないけど)火星での"無音"な感じを直に"聞いて"みたいとも思うのだ。
音がしないコトを直に感じることで、火星という別な天体に立ってる気分を味わいたいんだ、な。
なんだか今度は、「マーズ・アタック」を観たい感じになってきた。