The Man From Hong Kong


香港から荷が届いた。
概ね、予想していた通りの大きさ。


どうやら税関で開封され、中身を確かめられたようだ。
一度開けられ、また閉じた痕跡がアリアリだけど、ま〜イイや。
アップルのロゴに人物のシルエットをあしらった中箱が、秀逸。


でも、引っ張り出してみると… 良いデザインのボックスじゃなかった。
側面の文字が、過剰…。


で。
ご本尊。
1/6サイズ。本物レザーの椅子。


すげ替え用の手が2種も付属の上に、リンゴが1つ。
メガネも2つ入ってる。
気がきいてる。
これは誉めなきゃいかん。素晴らしい。


ナイキのシューズ。
裏側までしっかり作り込んである。
しかし、この角度で撮影しちゃうと… 高名なリンカーンの像みたいに、やたらに"偉い人"に見えちゃう。
ボクは現実のS・ジョブスに、ただの一度、それも極めて近距離で接したコトがあるんだけど… ムロン、話をしたとか眼があったという次第じゃない。
かのボンダイ・カラーのiMacが日本デビューするさいに、訪日した彼の基調講演を聴き、ロビーに出て同行者のA嬢としゃべってたら、すぐそばに現れちゃったという、だけのコトなんだけど… 今となっては"大事な瞬間"だ。


フィギュアを買ったのは… 何年ぶりだろうか。
わけてもこのような可動するフィギュアには、興味を失って久しかったし、自分の中ではト〜の昔に卒業したような感触ある"オモチャ"なのだった。
でも、こたびはちょっと懐かしい感慨と、S・ジョブスという人物への憧憬が混ざった、けど一方で決別しなきゃいけない気分やらやらがゴチャ混ぜになって… 数日悩んだ末にオーダーしちゃったワケなのだ。


30年に近いその昔、ボクが模型の業界に入っての最初のワークが、実は"コンバットジョー"を改造して別フィギュアにしちゃうという企画提案だった。
模型誌の片隅に載ったものの、その企画は結局は売れず終いで、それと同時にボクの中のフィギュアというモノへの興味の大半(その後もチョコチョコとお人形の仕事もしてるけど)は失せちゃった…。

でも、ともあれ、30年近い歳月の合間の進捗を見るチャンスでもあるから、その最初の"企画モン"を引っ張り出してみた。

並べて写真に撮ってみた。

ちょっと上着がテカッて見えてるけど、本物レザーを使って縫製してもらった逸品。

顔はリアルに。


バックスキンのシューズにも、けっこう手が入ってる。

でも当時、こういったリアル嗜好なカタチでの量産は簡単じゃなかったし… マニアチック過ぎたんだな… 某社のトップにいともたやすく「経費を考えろ」と切り捨てられたのを覚えてる。

それが30年経つと… こうも違ってしまったワケなのだ。

限定とはいえ、"量産"してるワケだ。

それも香港のメーカーが、だ。

こんなトコロにも、日本が1番じゃなくなってるのが判るようなアンバイだけど、ま〜、それはよろしい。30年ほど前にボクがちょっとだけ夢みたカタチへのアプローチがこうやって"活きてる"のが嬉しい。30年前… 自分はマチガッちゃいなかったよなな… 感慨をわかせているワケだ。

と。それにしても… よく出来てます。スティーブ・ジョブスの1/6。30年ばかし前には出来なかった素材の活用法の巧みにまずはビックラこいちゃった。
なるほど、レザーはレザーながら、30年前、それを1/6というスケールにダウンさせてのテカりとかヤレ具合までは再現できなかった…。
でも、この香港メードはそれをクリアして、もう見事あっぱれ。
ここでは写真を掲示していないけど、これを立たせると、ジョブスの足の長さが際立つ…。
ホントの彼はもうちょっと短いハズなれども、イメージとしての、例えば講演時の姿とかを彷彿させる姿の模型的アプローチとして、これは実に上手だ。
模型とは何か…… というコトを極めてよく理解しての足長の製品化ではないのか… と、驚く。
上記の通り、ソファの感じやら、ジーンズの光沢と生地のリアリティやらやら。細部への気配りには文句のつけようがない…。

リアリティにはディフォルメもまた必需の、その頃合いと按配と要素のミックス加減がすごく充実してる…。
まいった。

ついさっき知った、ロシアでの小天体落下…。
やはり、すごいな。youtubeをみたけど、あれだけの衝撃波がやってくるんだから、怖い。原子力発電所に被害がなくてチョット安堵したけども… も少し都会よりの地域へ落下していたら、いったい… と思うと、ゾッとする。