極暑に豪雨に夏休み

激烈暑さの連続と思いきや今度は一転、東京界隈は豪雨になったとか…。
お天気、判らんね〜。
思えば３年だか前、その東京から岡山へ帰る道中、東名高速走行中に集中豪雨に見舞われたコトがある。
ゲリラ雨。
同行者は、ボクが東京に車で出るさいに必ずサポートしてくれる柔道家。いわばドライバー役。
で。
東京をば夜の７時くらいに出て、朝の３時だか４時頃だっけ…　浜名湖SAを通過、三日月ジャンクションも過ぎて山間に入ってしばらく後に、突然のジャジャ降りだ。
形容としてバケツをひっくり返すとはよく云うけど、ホンマだす。
雨粒というより、これは滝ですな。
ワイパーきなかい。
横も前も大型トラック。
たちまち走行音が変わって、水上を駆けてる音。
事実、道路は一様に冠水めく状況。
前方、側方のトラックのタイヤが跳ね上げる路上の水をこちらはまともに被る。
なんせ高速ゆえ、これがけっこう油染みてる。たちまちフロントガラスに油膜がはって…　視界がにじむ。前も横も後ろも見えない。
たまたまこの豪雨時にボクが運転していたからタマンナイ。
非常に危険な状況と理解しつつも、あまりの雨量に現実な感じがない。ハンドルにしがみついたままヘラヘラと笑い出してしまった。
同行の柔道家は助手席から、
「速度落として」
「もっと左に寄って」
「車間あけて」
ハラハラし通し。
自転車なみの速度でヨタヨタそれでも進み、数キロ先のパーキングエリアに入ったよ。

愛知は岡崎市の見合PA。
見合と書いてミゴウじゃなくミアイと読むそうな。
「ビックリしたな、も〜」
「ぁあ、死ぬかと思った」
すでに避難したトラックでパーキングはほぼいっぱい。
見合PAはさほど広くもないけど、24時間営業のマクドナルドがある。
やむなく停車してコーヒー１杯のドライバーで店内の席はもう埋まってら。
ビッグマックにチーズバーガーにアイスコーヒー。
これをば買い込み、車内へ。
いまだ雨やまず。
まるで昔のブリキ屋根（若い人は判らんかな？）を叩くような、１種の轟音（騒音）が車の天井で響いてる。
で。
シートに座ってクーラー廻して、モゴモゴ食べてたら、横手に乗用車が停まったんでボンヤリ眺めてたら、その乗用車の中、停まると同時にカップルが濃厚にキッスはじめてら。
こちらは三菱のデリカ。やや旧車で背丈が高い。だから見下ろす位置。それもすぐソバお隣り。
ジャジャ降りの雨の上、こちらは停車して灯火をつけてないから、誰もいないとでも思ってるのか…　カップルさらにエスカレート。
あまり、ここには書けない性質の…　ま〜、理解深めるためにあえてメモって置くが…　ボクが見ているのは、ドライバーシート側の男性の下半身の上に女性がアタマをのっけてる…　という俯瞰図、だよ。
通常な雨ならウインドウに水滴が無数について内部をより見せなくするもんだけど、このドジャ降りは水滴となる暇もない、一様に全てを流してしまうようなアンバイゆえ車内の様子は暗がりじゃあるけどマ〜〜ル見えなのだわね。
圧倒的に女性の方が積極果敢。

男性側のシートをば、女性の方が手探って彼の上半身を横倒しにするという勇ましきもアッパレな果敢。
おかしなもんで、それを何ら感慨もなく眺めつつボクはビッグマックを食べてるワケ。
自室で何ぞ食べつつDVDでも眺めてるようなアンバイ。昭和天皇のかの高名な「あ、そっ」的なアンニュイ。
ピーピングトムとしてのエッチな興奮もないし、兆してもこない。
ただ眺め下ろしつつ、ビッグマックをアイスコーヒーで流し込んでる。
助手席側にいるＳ君（柔道家ね）に告げようとも思ったけど、せっかく２人だけの濃密なお時間を過ごしてらっしゃるカップルに、こちらの存在を知らせることになるかも知れないから、あえてダンマリ決め込んで、ビッグマックからチーズバーガーにと順次平らげてった。
非現実的突然のゲリラ豪雨がもたらした効能だか延長だか判らないけど、お隣りの"カーセックス"を横目（下目か）にマクドナルドを味わってるという、カフカですら書かなかったエピソード。
次いでだから書いておくけど…　行為を終えるや、その車は降りしきる雨の中、素早く出ていったよ。
余韻もなく、終わって直ぐだよ。
なんともはや、ケモノ的というか…　即物的というか…　普通、余韻…　愉しまないかい？？　
急峻な豪雨が、このカップルにも影響を与えたんだろか？
ナニした後に速効で車を運転するというのが…　ボクにはオドロキでもあったけど、総じて非現実。

事後、ウトロウトロしてる柔道家にコトの次第を告げたら、
「へっ？　ホンマかいや」
半信半疑だった。
一応、彼とてジェントルマン。より仔細を聴いて来ないんで逆にボクはチョットモノ足りない感じを受けたけど、同時にやはり…　なんだか４次元世界に迷ったような、見たものをにわかには信じられないようなアンバイで、奇妙なおかしみをおぼえたよ。
やや冷めたフライドポテトを口にしつつ（まだ喰ってるのだ）、
「マクドのポテトは冷めると非常に味が悪いよな。これほどマズクなるポテトは類例がね〜な」
柔道家に半分あたえつつ、多少ゆるみはじめた雨足をウインドウの外に見る。
その数分後だったかな、空がサ〜ッと晴れ、お月さんが出て来たのには、驚いた。
「なんじゃ、こりゃ？」
てな感じ。
夜も明けだしつつある。

というよ〜なエピソードを思い出した2013年の８月13日の朝、本日だ。
なので、ゲリラ的突発発生の豪雨には不思議な作用があって人を時にケモノにするんではないかと…　ひっそりと思ったりもしつつ、戦争という非現実が人をケモノにするようなアンバイかなコレも、と思ったりしつつ……　さ〜〜〜、夏休み。
自営業だからイツ休もうが自在だけど、心に決めた本日with明日は夏休み。
今日この日に観るぞと、アマゾンで買ってたDVDもあるぞよ。

リンゴ・スターやらテリー・サバラスやらサミー・ディビス・Jrやらが、イモ虫やらチェシャ猫に扮して唄って踊るというミュージカル仕立て。
その名も『不思議な国のアリス』。
上映時間が187分というとても非現実的なロングゆえ、"休み"でないと観られない。

さてと問題は、はたして…　３時間を超える時間をボクが本日に捻出できるかだ。
なんだか"休み"と決めると、アレもコレもと、色々やってみたくなるじゃないか。ふだん出来なかった事の諸々が急に突然にワッと…　念頭にわいてくる。
これもまた、たぶん、"突然の豪雨"なのでしょうな。