一猪とりにがし牡蠣を喰ってかぐや姫

ぼたん鍋パーティ」あり。
久しぶりに猪を堪能じゃな、と楽しみに、かつ、ボクにとって第3弾となる忘年会となるハズだった… のだけど、その夕刻に予約入れてた歯科受診。
一部分が新たな義歯に置きかえられて、いささかモノ噛めずなアンバイ。
術後の痛みもありで… やむなし。
パーティをドタキャン。
痛恨の極み。



それで翌々日。
リベンジじゃないけれども、日生の「五味の市」に牡蠣を買いに出向く。
シシよりはるかに柔らかだし。
11時前くらいに到着したけど、市は終わりかけ。
魚はほぼ皆無。
でも、牡蠣は幾ばくかあったから1000円チョッキリで大粒そうなのを一山ゲット。
(昨年に較べて今年のは実ががやや小ぶりらしい)



駐車場をはさんだ道路向かいの「日生のどんぶり屋」で、昼食。
牡蠣丼。
これが980円。
でも、
「いいのか、こんなに牡蠣を入れても!」
てなくらい、牡蠣たっぷり。
これが溶き卵にからんで、春菊とニンジン加わって旨いです。
これでぼたん鍋にありつけなかった悲哀を少し解消。



帰り道。
日生の市街からほんの少し岡山寄りに戻った所に、「海の駅」が出来てる。
寄ってみると、あらま〜、オドロキ。
昼を過ぎた刻限なのに、人でいっぱい。
なにしろ、地元のもの、小豆島のもの、愛媛のもの、広島のもの、沼津のもの… などなど「海の駅」の名にふさわしい物量。
「五味の市」が日生の地場モノしか扱わないのに対し、こちらは場所を選ばない海モノ商いゆえ、自ずと幅広い。
広島のマテ貝、地元の牡蠣、どっかのどじょう、ブリ、タコ、でっかいあさり、くるまえびなどなど豊穣。
その場で造られる刺身や揚げ物が続々に並び、加えて海の乾物も多数。



したがって、ま〜、眼を楽しませてくれるというワケで、これはこれで一向に悪くない。
「五味の市」を運営している日生町漁業組合さんとしては、いささか脅威だろうけども… 観察してみるにイーオン・グループのマルナカがこの「備前 海の駅」を運営してらっしゃるようだ。
次に出向くさいも、この2カ所は要チェックだなとコッソリ思った次第。


「五味の市」で買った牡蠣はレンジでチ〜ン。
見事にムッチリ。
レモンとバターを添えて、ビールごく旨。(発泡酒だけどさ)
1000円で堪能させてもらいました。
(ちなみに16ケだった)



その翌日。
TOHOシネマズ岡南へ。
良き仲間と4名で高畑勲監督『かぐや姫の物語』を観る。
富士山の命名に関わる部分がハショられているのが残念だけども、悪くはない。さほどに論ずべき処なし。
ただ媼(おおな)の、老いた媼のお乳がふいに出る辺りの描写には、古参で熟達なアニメーション作家たる高畑氏ならばの旨味があって、そのようには、若手の作家では描けないだろうと思った、感心した。
老いた媼の乳首を描写するというのは、非常に難しいはず。そこを1カットながらキチンと描いていて、さすがと思わさせられた。
断じて若くはないが、けれど断じて汚くない、断じて滑稽でない、"美しい乳首"を描くのはダンコ難しいと思える。
"女"をちゃんと描けるアニメーション作家は少ないのだ。
氏はおそらく、何10枚となく、老いた女の乳首をスケッチしたろうと思うし、本編に登場した一瞬のそれは、これはナマの役者さんのそれでは描ききれなかったであろう性質の、アニメーションゆえに価値高きの乳首だ… と、思う。
これほどの母性、これほどの綺麗さ、これほどの温かさ、を醸した乳首をボクは映画の中で観た覚えがない。
アニメーションだから可能だった、これはワザだし、ましてや上記の通り、高畑氏だから描けた乳首、だ。



見終えて移動。スシローへ。
なんだかサーモンを中心によく食べたけど、ここでもやはりシメは、しめ鯖なり…。
で、閑話休題
同行のO嬢の右手首に、フランク・ミューラーとおぼしき、というか、まずそれっきゃないな高額な時計アリとて、問うに、
「いや〜、実はコレよく、見てたもれっ」



啞然!
フランク三浦。
笑ったな〜。傑作にして快作。
ボクはこういうのが大好きだな。♡
ちょいと前にこのブログにも記した『Advanced Style』をボクに教えてくれたのも実は、この人。良いアンテナをもってる。