宇宙人ポール

ノンノンズイズイ♪、とうま〜く行かないのが世の常だね。
昨日の日曜は某BARの2Fでミニミニなライブがあって、午後からステージ設定などなどなヘルプに出向くコトになってたんだけど、ちょいとあって、出向けなくなっちまった。
これは口惜しい。
動くに動けないんだから、仕方ないといえばそれまでだけど、予定とは別個で新たな"急な行事"めくが加わってしまうと、やむなし、それに注視せざるを得ないのだ…。


よって、ライブに参加出来ず。
神戸在住クラリネットの名手でもあるAKIMOTOちゃんの歌声が聞けずで、いささか痛いイタイいたい、なのだった。


が、そんな次第あっても、時間が経って夜中になってみると、も〜何事もなかったみたいな日常が戻ってくるんだから、それはそれで妙に不思議だ。
数年前の3月の某日のあの激烈な災禍とて、早や1部じゃ風化してる気配も濃厚なのだし、ついこの前、この岡山では珍しい雪景色となった日の寒さと白さも、もう何だか、今日の朝の日差しの強さを前にしては、遠い昔の縁日の屋台の煌めき程度な淡いような記憶でしかないんだから… イヤになっちゃう。


なので、イヤんなっちゃった次いでというワケはないけど、某女子から借りたDVDで『宇宙人ポール』を観る。
でもって、ケタラタラと笑う。
これのおかけでちょっと味わってた鬱屈めくブルーを、うっちゃれたから、ありがて〜。
ったく可笑しな映画。
名作でも怪作でも傑作でもないけども、メダマがやたらにかわいい宇宙人ポールがからんでのオタクな男2人のロードムーヴィ。
ただ一発カッツ〜ンとブン殴られるためだけに登場のシガニー・ウィーバーがやたらに、いい。
ヒロインはちゃんと別にいるのだけども、その彼女が最後あたりのシーンでやっと登場のシガニーで一気にかすんでしまうんだから、やはり、存在感のケタが違うね、この人は。
何なのでしょうな、女性というか、女優というか… 個性の光りかた、強さ…。
謎、です。
女性にしろ男性にしろ、この世には目立つ人と目立たない人とがあって、シガニーはその目立つ方ね、とても。

ボクは密かにメグ・ライアンという女優が好きなんだけど、この女優さんが最近チッとも映画に出てないんで、「どうしちゃったんだろ?」と心配してたら、近年ズッとつきあってる人と、産まれちゃった子供と3人でもってハリウッドから離れてニューヨークで生活をエンジョイしてるという消息を知って、それはそれで嬉しくはあったな。
スクリーンでの新作としてのメグにお目にかかれないのは残念だけども、1個人としてハッピーなライフを模索中の彼女の"転身"にゃ、拍手だ。
意外や、メグ・ライアンはホントは目立たない女優さんなのだったのかも… と、ちょっとこっそり思ったりもする。
シガニーのオーラとメグのオーラ、むろん映画の中の彼女らのことじゃあるけれど… なんかこの2人には似てるようで似ていない、油彩と水彩の違いとかいったコトではない、光り方の方向性の違いがクッキリとあるよう… 思える。


その『宇宙人ポール』を貸してくれたY子さんの『鑑定士と顔のない依頼人』の評は面白かった。
曰く、
「あの依頼人は、それほどに魅力的な女性でしたか?」
なのだ。
いや、実は、ボクも… 妙におかしいなとは燻るような気分があったんだけど、そうなのだ… そこなのだ。
高名な鑑定士が彼女にドレスを着けさせているシーンで、ボクはその気分を知覚していた筈なのだけど、鑑賞後も言葉としてうまくいい顕せなかった…。
もちろん、恋に堕ちた男は、例えスゴ腕の鑑定士であれ税理士であれ模型屋であれ… アバタもエクボの求心な恋心でもって視界が狭まるもんじゃあるけれども…。
なんだか、この映画の中の ”顔のない依頼人”たる女優さんには、気の毒だけども魅惑の照射力がかなり薄いのだ…。


ま〜、映画の女優さんを貶めるつもりは毛頭ないんで、転じて考えるに…、
「じゃ〜、ボクって、ハタから見るとどうなん?」
と、いうことを結尾に持ってこよう。


実は相当に目立たない方なのだ。
オーラもなくば、当然に後光も光輪もなし。
スッパダカで岡山駅前を歩いても、あんがい誰も気がつかないような気がするんだ。もちろん試しちゃいないけど。
いや、別にね、気がついて欲しいわけもないけども。宇宙人ポールのように息を停めてる間は姿が隠せるという次第もないし。
ま、せ〜ぜ〜、中学生女子あたりが気づいてくれて、
「ぁ、ちっせ…」
余計な、残酷な一語を浴びるのがオチってもんだ〜。


もちろん、こちとらオトナだ。
女子中学生の哄笑跳ねかえす言葉も用意しての… スッパダカ。
「ふっ、お嬢ちゃんがた… ダイはショ〜をかねるって云うぜ」


……、この一語で反応なき場合もシミュレーションしてら。
「小ちゃくってもワンパクだ… もっぺん云うぜ、ワンパクだぁ」


どうよ?
問題は、彼女らが腕白なる単語を知ってるかどうかにかかってるんだ。
ワンパク・タンパク・ランパク・バンパク… 違いを彼女ら〜が判ってるかどうかで我がスッパダカの評は上下しちゃうのだ。

ちなみに、『未知との遭遇』のパロディたるを骨格にした『宇宙人ポール』の云いたいコトは、
「自分に正直に活きろ!」
という、普遍の進路だ、ぞ。
この映画は、良作だ。
iPhoneらしきというか、スティーブ・ジョブスらしきというかが、パロディで描かれるのも可笑しい。