サバ缶太平記 ~ça va?~

数日前の8月11日。
台風一過で黒雲がアチコチにいるけども晴れつつな夜空に浮いた月。
通常より1.3倍大。満月な時間帯と近似点がピタリ一致のスーパームーン
やや黄色ががかって、ボクの好むシルバー基調な"サバ色の月"じゃなかったけど、見応え有り。
ま〜、気分としては惑星エンドアから見たデス・スターくらいに、もっと近寄ってもらったってイイんだけど。
あいにく、カメラを取り出した頃には雲に隠れてしまった。以後今日に至るまでほぼ曇り空の夜が続く。

さてと…。

サバの缶詰。
一見、仏蘭西語圏の輸入缶かと思いきや、岩手県築波郡の矢巾町産。
ちょいと前の日曜、駅前の居酒屋"いざ酔いの月"で白昼ビール呑みつつY子さんに紹介されたものの、近場じゃ売ってない… んで、やむなく通販。
缶切り使わず、あえてプルトップをカパッ。
いや、ホントはこの開け方、好きでないんだけど… 初回でラベルが反対方向というのもナンだし。

この黄色いカラーがスーパームーンを彷彿させる。
サバと月に共通するものは直接にはないけども、けっして遠くない何か近似な消息があるようには… 思ってる。
月見ソバがあるなら、月見サバもあってイイじゃんか。ツキノサバク〜♪ともいうじゃないか… 語感を含めたメタモルフォーゼとして月とサバは同じ部屋で遊んでる。
サバ缶との相性バツグンのスコッチと、チェーサーとしてビール。こたびは、ça va缶に近似た色合いのエビス添え。

オイル漬け。
缶をあけた直後のオイリ〜な風味。
水煮ほどには煮込まれず、ある程度の硬さが保持されてるな食感。
脂っぽいかと思いきや、意外とそうでない。身を硬うにさせてオイルの徹底した浸透を和らげている。そこが水煮とは違う。
けど、水煮にかなり近いテースト。
ウォーターとオイルはまったく相反な筈なのに、主人公たるサバの個性が水であれ油であれ… 崩れない風味として君臨して揺るぎない。
水煮が青畳の部屋ならこちらは煉瓦の洋部屋。どちらも似合うサバの高雅。煮て良し焼いて良し同様、堂々っぷり際立つサバ。
この目立つパッケージ眺めつつ岩手在住の仏蘭西人の顔を勝手に想像して、きっとその人は缶詰工場で働いてるに違いネ… ごっちゃりほごすべ… などと妄想も愉しめる。

というワケで缶コレに新たな1ページ。
ただ、「どっちか選べ」というコトになると、我が舌は水煮に軍配をあげる。
このオイルな缶は良く出来てるけど、メーカー問わず、水煮のもたらす、お汁まで美味しい効果にはまだ至っていないよう思った。
けどもまた一方で、これはパンに合う。良く合う。
この1点では水煮よりこっち。レタスの葉とレモン数滴をくわえると、きっと素晴らしいものになると、みた。いや、レモンの厚切りを添えるのがいいかも… とも思える。オイルの滑らかな重厚とレモン酸味の昂揚があいまって、舞台の華やぎのようなことになるんじゃなかろうか。

毎日新聞によるとこの9月から日本水産やらマルハニチロを筆頭に、サバ缶が8〜30%も値上げされるらしい。(サバ以外の缶も皆な値上がる)
原油価格上昇で漁に出る船の燃料費があがり、缶の製造価格もあがり、その上で税金もあがって… ネダン添え置きで内容量が減るとかもあるんだろう… ったく、嬉しくない。
「ça va?」
問われても元気でないので、それゆえ、値上げ前にと、自ら禁じてた通販購入を緩和して買ったわけなのだ。
「景気は持ち直している」のじゃなく、今しか買えそうにないから通販したまで… やれ、口惜しやなアベノミクス


ところで… トマトの年間消費量はエジプトがお1人で97Kg。
ギリシャが94Kg。世界で1番にトマトを使っていそうなイメージが濃いイタリアは、54Kg。
で、日本はどうかしらというと、これが… 9Kg、だそうな。
先月の『くらしのこよみ』にそう書いてあった。
なんだか比較にならないね。
(下写真:ディオで売ってる1リットル100円のリーズナブルなトルコ製無塩トマトジュース)

では魚はどうよ?
すると、これは世界1が日本になる。
経済産業研究所の2007年調査によると、年間お1人あたり何らかの形で魚類を56.9Kgだそうな。
2番はポルトガルの54.8Kg。仏蘭西は第7位の35.8Kg。
そのうち、サバだけをみると、昭和40年の日本ではアジ、イカに次いで3番目に摂取量が多い。
それが平成22年にはサケやマグロやブリが多くなり、サバは昭和40年に較べると1/3に減って、すでにベスト10ですらない。
年に3回は食卓上にあったものが50年後の今は、たった1回くらい、ということになるワケだな。
鰻がごとくに資源を食べ尽くしつつあるワケではない。捕獲量は減少傾向にあるとはいえ、原因は日本人の好みの変化。
ま〜、もちろんそれにはノルウェーからの輸入量増大やら、サーモンを筆頭食にと奮闘した回転寿司系統な業界の努力あってのことなのだろうけど… ともあれ今はサバよりマグロやサーモンだ。
別にそれが悲しいとはチ〜ッとも思わんし、我がサバ愛好癖はむしろ、いっそ、この減少傾向を知ると俄然昂ぶる。
むしろ、消費量が落ちてるということは、よりムッチリしたサバがたくさん育つ環境にもっていけるとも解せるじゃないか。
ふっ。
そうなれば、しめシメしめさば。これからいっそう美味くなるんじゃなかろうか缶詰を含めて。
月夜の晩にゃサバ缶、だ。
そんなフレーズがこぼれそ…。
あくまで穫り過ぎず、あくまで海の恵みを頂戴するという方向で願いたい。

ちなみに、日本で1番にサバを消費する市は北九州市だそうな。
海峡もあるし、玄界灘も近いし、市民こぞって新鮮な刺身で味わってらっしゃるんだろうな。
同市で開催中の『サンダーバード展』…。見学後には近くの店でサバ定食が、いいかも。