赤穂線沿線の懐かしの鉄道展

今日10月20日から、JR播州赤穂駅・自由通路ギャラリーで、『赤穂線沿線の懐かしの鉄道展』がはじまった。
期間は来月11月26日(水曜)まで。
1962(S37)年に開通した国鉄(現JR)赤穂線。その沿線には幾つかの私設鉄道があったのだけど、時代の流れと共に消えてった…。
「赤穂鉄道」
西大寺鉄道」
「片上鉄道」
そして、その「西大寺鉄道」にリンクされる、西大寺方面への入り口としての岡山電気軌道株式会社の「番町線」。
後楽園口(今はセブンイレブンがある場所)で降り、鶴見橋を渡って、現在は夢二美術館になってる場所に、西大寺鉄道(軽便だよ)の岡山駅があって、かつてこれは、西大寺に向かうにはイチバンに都合良い交通路線だった。
明治44年に開業され,、西大寺の裸祭りの頃合いには臨時列車も出る路線だったけども、もう今はない。(1962年に廃線
そんな鉄路に焦点をあて、幾つかのパネルと幾つかの模型でかつての姿をお見せしようという企画。
場所は上記の通り播州赤穂駅のギャラリー。
地域ローカルなヒストリーを記すべくな展示。見学は無料。
赤穂方面の方は、どうぞヨロシク。



赤穂といえばごく一般には四十七士ということになるけど、ボクに刻まれているのは、はじめての遠足の場所ということ。
どういう次第か、どこを見たとも何を観たとも記憶がない。
ただくっきり、藤田君というよく太った子と一緒に石作りの階段のそばに陣取って、お弁当をひろげたことだけをおぼえてる。
そこが赤穂城なのか赤穂御崎だったのかもさだかでない。
弁当箱はアルミ製。
おふくろが作ったおにぎりはアルミのフタに押されていささか扁平になり、海苔はベチャ〜っと御飯に貼りついてしまってるけど、卵焼きが甘いのだ。
その甘みが"楽しい遠足"の本質、中心軸なのだった。
馴染みきったおふくろの味なのじゃあるけれど、アウトドアでの別天地が甘味をいっそう際立たせた。
で、その昼食時に、先生が配ったとおぼしき、塩味饅頭をはじめて食べたワケだ。
赤穂の観光業者さんからのギフトなのか、先生のポケットマネーでの供出なのか、そこはもう判らないけど、とにかく、お弁当を食べ終えた後でそれを1ケもらって、食べたのだ。
饅頭イコール甘い、の認識しかない子供のボクにはコペルニクス的転換の味だった。
だからよくおぼえてる。
おそらく、"美味い"という感触とは別の、"旨い"というのを味わった最初のこれは体験じゃなかったろうか。
だから今も、赤穂といえば… 浪士でもなく岬でもなく、急上昇するような甘味な至福のおふくろの卵焼きと、塩のからさの奥に隠れた甘味が口の中で顔を出した刹那の驚きとしての塩味饅頭のスゴサなのだった。
なので、この2つがボクの赤穂の全てなのだ。
甘み、なるものをボクの舌がはじめて、
「単純じゃないのね」
哲学した場所なんだ。