貴ちゃんの店で

この前の土曜、ジャズフェスのスタッフうちあげパーティーをやって、30名を越える方々が集い… なんだか久しぶりに実に楽しかったのだった。
司会進行を勝手に努めてた関係上、一次会での写真をボクは一枚も撮ってないんだけど、二次会では何枚かシャッターを押せた。
ちなみに、進行役というのは、前菜は頂戴できてもメインディッシュ含め料理を口に運ぶ時間がとれなくって、それがいささかむず痒い(苦笑)のだけど、それはともあれ、楽しいからイイのだ。


一次会終演後はてんでバラバラになって、それぞれが二次会なりに突入というアンバイになって、ボクらは十数名でもって、貴ちゃんの店に出向いた。
貴ちゃんというのはタカコちゃんで、TKOBBというジャズバンドのボーカリスト。その彼女の店なのだ。
店の名はあえてここには書かない。
実のところ、そこに出向いたのは初めてだったんだけど、ゆるやかな空気が流れる良い店で、たちまちにボクのお気に入りの店になってしまうのだった。だから、あえてご紹介せず、自分用にとっておくのだ。


おそらく、その感触はボクのみでなく、共に出向いた仲間もそうであったよう、思う。
ジャズフェス・リーダーのOH君は、ふだんの常としてスタイリッシュな感じを崩さない男子なのじゃあるけど、カメラ(iPhoneだけど)に向け、どういう次第かヒョウキンな顔を作ってる。
これは希有な出来事なので、あえてお見せしておこう。

貴ちゃんの店が醸す空気にボクらは、きっと、知らず馴染んで、心のヒダがユルユル親和しちゃったような感じが、する。

事実、ジャズフェスの会計いっさいを担い、常に厳しい顔をみせているがゆえ、ボクがBISHIBASIと名付けた事務局長のYOSHIBASHI嬢が、下写真のように、楽しく弾けていらっしゃる。
むろん、あくまで、これはホンマにキッスしてるワケではない(たぶん)のだけど、BISHIBASHIがこういう姿を見せたのも、これまた貴ちゃんの店ゆえの甘やかに和める空気感染だったかもしれない。

カウンター席の奥のこじんまりした畳み部屋には、さすがミュージシャンの店、ギターがあってキーボードもある。
新婚ホヤホヤの秀和(シュワちゃん)が突如にクラシックを実演し、
「えっ!」
と、中銀前ジャズナイトの司会役・早田どんが驚きに眼をはって聴き入る。
ひそかにボクも驚いてる。
ショパンだったかな?
『雨だれ』だったかな?
ノクターン』の十二番だっけ?
そこの記憶がもう飛んでしまってるけど、ジャズでなくロックでなく、ふいなクラシカルなピアノの音色にボクは草原色なエレガンスを感じて、またまたこの夜が楽しくなった。
夜の深みに一本、凛々とした線が入ったようで気持ちが良く、なにかいっさいが、愛おしくなるような、そんな夜だった。
こういうコトはめったと生じないんで、ここに記録しておこう。

U。P。誰にも紹介したくない店がボクの中にはあるけど、そこに一軒、増えたのも嬉しい。
最近、急ごしらえで"女性活躍相"なる大臣職が創成されたけど、実に妙な感が拭えない。男女が平等に参画するという意味での旗振りとしての大臣職ならともかく、女性は劣るの男子目線での、いわば差別的発想でのしつらえ。
UもPも、貴ちゃんのTも… いずれもオーナー&シェフは女性。
いい女はとっくに自活して炯々とし、良質の空気をそこから紡いでくれてるんだ。むろん、それにはいっぱいの苦労もあるだろさ。
男が思う以上の大きな労苦を肩にのせてら〜。
でも、そこを云わないよね。
いっそ男子以上に女子はもうとっくに元気なのだ。
そのあたりを肌で感じることの出来ない、"女性活躍相"なる変なのを創成する貧寒の度合いが文字通り、寒々しい。
あ、ハナシがそれたね。(^_^;