亜公園成立とプランナー

今日(5日)の岡山市内中心部ではイオンモールという大型商業施設がオープンということで地元の新聞もTVもこれを筆頭のニュースにし、事実、大勢いっぱいの人が詰めかけてるんだろうし、しばらくは岡山駅前周辺はゴッタ返すんだろうね〜。
実は122年前の岡山にも似た現象が起きてる。
明治25年だ。まだ江戸時代の残光が方々に薄明かりのように灯り続けてる頃合いに突然、市内天神町に市中全域を見下ろせる集成閣という塔と、料亭を含む多数の商店が入居した"複合大型施設"が登場したんだ。
亜公園という。
岡山まで関西方面からの鉄道(山陽鐵道-現在のJR山陽本線)が結ばれたジャスト1年後の同年3月にオープンした亜公園は、たちまち明治の方々を熱狂させる施設となる。
入場料5銭を支払って集成閣の最上階にあがれば、瀬戸の海はおろか、豊島やその向こうの四国までが一望でき、見学後はショッピングに飲食、お楽しみが詰まった集積回路なのだ。
お江戸の時代が去ってわずか25年め。
どれっくらい人気だったかといば、オープン後2年半で建造費いっさいの元手が回収出来たというのだから… ヘタすると、今よりスゴイ。いったい、どれっくらいの人が詰めかけたんだろうかと仰天する。

けども残念なことに、この亜公園のことはあまり今に伝わっていないんだ。
いっそ、無視されているといってヨシ。
そこで数年前より、この施設をば若干のお仲間たちと一緒に研究し、幾つか模型を造り、何度か講演を繰り返しては、亜公園のことを知ってもらおう〜と奮戦しているのが、ワタシだ。(笑)
知ってもらお〜というのは、ホントはおこがましい。
むしろ実体は、ワタシ自身が知ることを"愉しんで"るという方が、きっと正しいのだけども、ただの1ケの胸像をインディ・ジョーンズがジャングルの奥深くに分け入って探す気分は、よく判る。
ここ岡山はジャングルではないし進入険しい地底に埋まった神殿でもなくって、ただの100年ホド前のコトを探してるに過ぎないけども、そのたった100年ほど前のことがさっぱり判らないというのは何たるチ〜アなのだった…。
1つには、亜公園が20年に満たない期間しか存在せず、以後はそのおなじ場所に警察署や図書館や議事堂が出来ちゃって、急速に記憶と記録が薄れたこと。
そして… 1つには、昭和20年6月の空襲がある。
焼夷弾の油でもって焼かれたのは、その時の街と人だけでなく、過去の記憶もまた焼いてしまったんだ。
ひどいもんだ。
それゆえ、今は、亜公園の記憶はまったく断片しか残ってない。
それを拾い集め、パスルみたいに組み合わせたり〜のして、何とか、122前の、イオンモールよりもっと… 人をビックリさせた施設としての亜公園を再考したいと思ってるワケ。
なので、あさってのトークショーは、その学習成果発表会みたいな感じですな。
今回は、亜公園建造に岡山神社が関わっていた可能性が高いというようなハナシも混ぜて進める予定。
なので、岡山神社からゲストも迎えての豪華仕様。
岡山神社といえば宇喜田直家・秀家の両名がからんでくるから、そこにもチョット触れるかもしれないけど、お堅い歴史講話はしません。
お越し願えれば、幸い。


『亜公園成立とプランナー』
岡山シティミュージアム4階・講義室
午後2時より(開場は1時半)
入場無料
詳細情報はコチラ