IMAGAWAさん

また… 良き畏友を失った。
忌憚もなくアホ〜なことをダラダラしゃべれた人。
日曜の正午前、葬儀。


ボクは喪服が嫌いだ。
ある日ふいにそれを身に着けなきゃいけない… 釈然としない割り切れなさが、袖を通すのを拒もうとするからだろう。この感覚はたぶん… 正しい。
けれどまた彼をしのび、喪に服さないわけにもいかない。
もう1度ネジを巻いてリスタートというわけにはいかないのだから… 襟を正すのもまた正しい。


葬儀前夜、13年前(2002年の4月29日)のDVD-Rを取りだし、しばし眺めた。
彼を含む仲間とのキャンプ&カヌーを収録したもの。
それを撮影し編集した翌年、同じ川、同じ場所で、ボクはVTRカメラを水中に落として大損害… 以後もカヌー遊びを毎年繰り返したけども、川へはカメラは持ち込まなくなったので… いささか貴重な動画になってしまった。
彼、IMAGAWAさんをしのび、何枚かキャプチャーしてここに置き、楽しかったコトのみを湯のように沸かそう。
そのお湯で、ボクは焼酎を割ろうじゃないか。
献杯として。
むろん、彼なら云うさ。
「おい、俺にもいっぱい呑ませ〜。できたらムギじゃの〜てイモを割ってくれ〜」
そうでなくっちゃ〜いけない。



葬儀は無宗教の"お別れ会"形式だった。
だからお坊さんも神主も神父も牧師もない。
彼の遺言によるらしい。
してやられたり。
こちらの手の中のお数珠を哄笑するようで、
「1本スジを通したなぁ〜」
死が良かろうはずはないが、戒名なんぞはいらね〜やと突っ張った… なかなかダンディなファイナルだった。