ハックション大魔王

ベッドから起きだし別室に陣取った直後とかで、ボクはやたらクシャミする。
ハナミズた〜らたらで、たちまちティッシュの山。
記憶にあるイチバン古い症例は… 20数年前だか、坂本龍一のコンサートで広島に出向き、その夜は同市に住まう『STAR WARS』ポスターのコレクターとして高名のY君の新婚宅に泊まったのだけど、朝起きるや、ハクション大魔王と化して往生した。
なんだか以後、このハクションというかハックション、かつハナミズたらたらを意識するようになった。


ごく最近、『寒暖差アレルギー』というのを知った。
このシーズン、温度差が大きい。
自律神経がそれに対応しきれず、血流が絶妙に変化して、それでクシャミになるらしい。
「あ、それだったか!」
腑に落ちた。
坂本コンサートもたしかこの時期で…、Y君宅で迎えた朝は寒かった。


けどもまた一方、そう単純でないような気もする。
例えば、ハウスダストがハックション連続20〜30回(くらい)に関係しているのかも…  との疑念もある。
新婚さん宅の客間の真新しさがボクにハックションをもたらしたかも知れないし、今、日常の、部屋から部屋の移動直後(概ねで)のハックションも、室内浮遊の微粒子が原因かもしれないのだ。
1日の大半を過ごしている部屋には、もう何年も前に換気扇を取り付け、エアコンを動かしつつ換気扇も廻って、一見は空気の入れ替えが常に起きていると思いたいけど… どうもそうでもないような気もし、そも、その空気の細動によって、ハックッションが逆に喚起されるような感もないではない。



近頃、医療科学は急激に進歩して、アレルギーの原因は血液検査で判るらしい。
なので、チョイと病院に出向いて調べてもらえば… ボクのハックションの原因が何であるかは判るようなのだ。
だから、調べてもいいのだけど… それが判ったからといって、素晴らしく良いコトになるような気もしない。
連続のハックッションが嫌で嫌で気になってショ〜がないという次第でもないんで、なるほど、ティッシュの山を作るのは嬉しくないけど、苦痛で悶える… というには遠い。毎日生じるワケでもない。
むしろ、クシャミが1つ出るたびの、妙な解放感もおぼえていて、頃合いが難しい。ハックション+ハナミズ大会は10分と経てば治まるから、病院をたずねるホドではないや… と、そう思ってウッチャリ、ただ、
『寒暖差アレルギー』
というのが今は病気としてあるんだな〜、と、これに大いに感心してるだけ。




数日前だか、WHOが、
「ハムやベーコンの加工肉、1日50gの摂取で発がんリスク18%増」
と、警告したニュースを聞いて、ビックリするよりも、どこか、
「も〜、いいよ。うんざりだわい」
な、感じをおぼえたのは、何だろう?
科学が進むホドに、世の中、息苦しくなる。


発色良くみせるために亜硝酸ナトリウムが添加され、これが肉成分の何んとかと反応してニトロアミンという発がん物質に変化するらしい…。
じゃぁ、亜硝酸ナトリウムなんぞは使っていない手作りハムやベーコンは、どうよ?
おそらくWHOは、それはそれで、飼育された牛や豚の餌に言及し、○○と××を使うと人体に影響アリと、また警告するんだろうな…。
ではWHOを鵜呑みにして、アレもコレもの摂取をやめてハッピーライフとなるのか?


ならんでしょう。



タバコ、マーガリン、ソーセージ、ハム、ベーコン、コンビーフ、音量大での音楽摂取… アレやコレや。
なんだかどうも、WHO発する警告は、社会システム、わけても経済としての社会を核に、国家が負担する医療費をただただ抑制するを最大目的として、その上でもって、
「嗜好な、お楽しみこそ元凶…」
苦い顔をしているような気もする。
ノルウエーの首相だったブルントラント女史がご子息の自殺を契機に首相を辞め、やがて転じ、WHOの代表になるのは1984年だけど、彼女は就任するや、
「タバコは人殺しだ」
と激烈に主張し、たちまちに禁煙と嫌煙を世界に植えつけ、1例としてあげるなら米国の映画界に搦め手で圧をあたえ、青少年の健全育成という抵抗しようのない方向からタバコのシーンを奪って、以後、主役たちを含め悪人どもも何だかタバコは吸わない映画が続々で、今や海賊映画のパイレーツどもさえがパイプをくわえていないという奇妙に嘘っぽい映像が主流となる。
タバコに害ありは判っているんだ。けども喫煙者に「殺人者」のレッテルを貼ってまでして迫害視しちゃいけない。 (>_<)ゞ
その女史の就任あたりからどうも… WHOは、
「誰、あんた?」
正義の味方のフリをした自己主張の権化のような、面倒な存在になったと… 思えなくもない。
むろん、以上は黒色のジョークじゃあるけど。
いっそ、漏れ聞こえる製薬会社とWHOの癒着疑惑について、WHOは自身に向けて、
「ワクチンも摂取次第では…」
警告を発するくらいでなきゃ、いけない。
こたびの「ハムやベーコンなどの発がんリスク」はそのような癒着ではなく純粋に科学を基点にした親切なのだろうとは思うけど…、受けたこちらとしては、
「聞かなきゃよかった」
の、心持ちもまたデッカイのだ。
知って得点アップでなく、知って損した… ってな、ベーコンのお味までがまずくなったようなガックリを強制されるんだ。


よって、今から… 焼き飯を作る。
(焼き飯とチャーハンの区分けが今1つボクには判ってないけど)
バターがないからマーガリンで炒め、たっぷりベーコンをのっけて脂分と塩分を愉しんでやろう。
反社会的に行こうじゃないか… とは大袈裟だけども、100年生きるための辛抱ガマンで健康大事よりも、今ここにある味覚の愉悦をば大事にしよう。
『アリとキリギリス』は今もって充分に手応えある寓話じゃあるけれど… 今は、も少し変化球含みの寓話が必要かもと、思ったりしつつ。