阿吽の呼吸

前回のブログに、複数の方々が反応してくれた。
例によって記述なが〜い、の指摘もあれど、ま〜、それはここの"特性"、いまどきの短文指向と嗜好が違うのだ。あきらめてチョウダイ。


たとえば K.O君は、「宇宙軒」ではなく「自由軒」で遭遇した『孤独のグルメ』の作者・久住氏とのツーショットをメールでおくってくれた。
自由軒」は福山駅のそばにある。
肴(おかず)が豊富で壁にはズラリとお品書き。白昼から呑めるとのことで、もうだいぶんと前だけど、出向いたら… 休業日だったりした。
なので K.O君の遭遇はチョイと我が事のように嬉しい。お昼のお酒の旨味がビヨヨ〜ンとアップしたろう思える。
もし、その場にボクがいたら、きっと、久住氏原作のあの『ダンドリ君』をば持ち出して、公園のベンチでノリベンで苦労する一話の運びを誉めちぎって、如何にその一話に感化されたか… 例によってグチャグチャ喋り出したであろう。
ぁぁぁ、ある意味では… ボクはその場に居ないのがヨロシイ、な。
呑んで食べてが… 主語たれば。



女友達にして読書量と読書速度が重厚かつ速いEちゃんからは、
いたわさ、じゃないの〜」
との連絡があった。
それで、
「ぇ、ぁあ、なるほど」
納得した。
ボクは、最初の1字が読めず、なんか"肉"と書いてあるよう思えて混乱してた…。
T.K さんの「変体仮名では?」の示唆がありがたい。



フフフ… 心強いな〜、有り難いな〜、なんだか人類のあゆみが1歩進んだような得心だ。
いたわさ
おそらく、「宇宙軒」のあのメニュー、これで決まりだろう。
ワサビ醤油での蒲鉾…。
ぁあ、蒸したばかりの熱々、食べて〜な。
むろん、ワサビは多めが好いね。



閑話休題 ––––––––––––––––––––


子供のころは、手塚治虫横山光輝小沢さとる石森章太郎が四天王だったけど、だいぶんと老けた今は、みなもと太郎諸星大二郎を好む。
神社入口の阿形に吽形のように、我がベッドサイドには、2人のコミックスが鎮座して久しい。
繰り返し読める。
繰り返し愉しめる。
今年になってやっと、諸星の『西遊妖猿伝・西域篇』を読む。
「大唐篇」の最初の頃の悟空を思えば、「西域」での彼はあいかわらずシャープじゃあるけれど、ずいぶんに丸くなってもいて、この先どう成長するか愉しみ。
といって、諸星が次ぎの巻をいつ描くか、わかったもんじゃ〜ない。
「大唐篇』から「西域篇」執筆には、11年ほどの休止があるんで…。
お楽しみは無期限待機… という次第。
だからこの場合、読み通すのが惜しいような感もなくはなかった。
子供のとき、名古屋のでっかい動物園で猿のオリを見ているうち、とても気持ち悪くなって… その場で吐いてしまって以来、猿はシンソコ徹底して苦手で嫌いじゃあるけれど、『西遊記』の悟空は別。
その諸星解釈による悟空に沙悟浄猪八戒に才蔵法師。物語を編むというのはこういうコトか… 感嘆させられる。



閑話休題 ––––––––––––––––––––


この数週、とある怪獣映画に、とある"歴史としての光景"が忍んでいるのに気づいて、関連書籍を集合させては結びつきをば紐解き、時に自ら結んでみたりして…、
「なんだか大発見!」
てな感慨に舞いあがってたら、な〜〜んと、それに近しい見解を書いた本が既にあるのを知って、
「ガッチョ〜〜ン」
先を越されたショックに、クラックラ〜。
ガックリな感がまだ肩の辺りに少し…。
んでも… そこはめげず、邁進しよう。
ここしばしは、それがテーマとなるんだから。
いや、怪獣がテーマじゃないよ。
などと、何か匂わせつつ意味深に書くのは、多少の自信の顕れだ。
おっとっと、そこは猪八戒的に戒めよう。
仏門に入ったその初日に8つの禁を一挙に犯したのが馬鹿ヤロウの猪八戒
警戒しよう。
増長はいかん。


閑話休題 ––––––––––––––––––––


近頃、この岡山にあっては、神社の狛犬備前焼製の獅子)が相次いで盗難にあっている。
我が甚九郎稲荷にもそれがある。亜公園由来の、ボクに云わせれば貴重極まりない文化財
これがあんがいと大事にされていない風情ゆえ、心配してる。
盗まれないことを切に祈る。



※ 説明看板を首にぶら下げられている甚九郎稲荷の阿形。
ぅうむ。嘆かわしい。
えっと… ちなみに拝殿に向かって右にいるのが阿形で、これは口を開けているからね。
反対側にいるのが吽形でこれは口を閉じてるからね。狛犬配置の基本。
片っ方がアア〜といって発声し、もう片方がン〜とそれを呑み込んで、いわばそれで1つの宇宙が完結してるというワケなのだから、二対の狛犬前を通過するさいは出来るだけその中央を歩くと、バランスよい… というコトになってるそうな


しかし、そも、狛犬を盗むとは何たるコトか?
密やかに金になるんだろうけど… 非道い行為だ。
また、それを買うヤツは密やかに獅子所有の喜悦に浸るんだろうけど、とてものこと容赦の範疇にない。
そういうヤカラどもは素っ裸にして、両腕両足をつかみ、阿吽の呼吸、いちに〜のサンで、岡山駅のホームに降りる階段の上から下に放り投げてしまえ! と、いささかメチャな罰を考えたりもする。
この罰、1回こっきりでない。ベルが鳴って電車がくるたび、行う。
したがって津山線より山陽本線が望ましい。便数がはるかに多い。
乗降客の眼の前で階段を転げ落ち、より多くの痛みと、よりたくさんの羞恥を味わってもらおうと… いささか嗜虐が過ぎるリンチと思われちゃ〜、困るけどね。
それほどに腹立たしい。


来たる今月27日(土曜)に情報誌『タウン情報おかやま』といささかオシャレな季刊紙『Osera』主催で、天神山界隈の昔を学ぶ現地ツアーが予定されていて、ボクはそのガイド講師役を務めるんだけど、
"良い子は真似しちゃ駄目"
盗難の件を…、まずはイチバン、喋らにゃイカンな〜とも、思ってる。