取材ツアー。
3月初旬とは思えない陽気となった日、某所に詣でる。
ある人、ある一族の墓。
広大な墓所。
ご親族より場所は聞いていたものの、探しあてるまで小一時間。日差しに汗をかく。
けども、気分はいい。
お墓で気分好いというのも何だけど… かねて数年来、その方の生前を追っていたゆえ、
「やっと会えましたな〜」
感謝に似た感慨が濃かった。
同行者も同様。献花しつつ、いつもより多弁。
たちまちに、これが"成果"となる次第じゃないけども、いわば裏付けがとれたというか… 絵であった餅が実在として眼前に… というリアルに、知らず、心ハシャギをおぼえてた。
陽気がそれを押し上げてくれる。
この日、等輩はしっかり日焼け止めクリーム。
こちら無防備。
半日過ごす内に、日焼けて頬の辺りがむず痒い。
三月なのに… 軽度に日焼け。
「また、寒さは戻るそうですよ」
って、そりゃそ〜だろさ。
急斜を登り降りしつつ、もう一カ所、別場所を取材。
ほぼ一つの山をめぐる。
また汗をかく。
道中、素麺の話をする。
胡麻油で伸ばす某所のそれと、遠く他県のそれとの、ヒョンな接点を持ち出す。
凄惨な歴史の暗部がもたらした… 思わぬ結果としての素麺。
「それ、オモシロイ。五月の講演で話しましょうよ」
「けど本題と、かけ離れてないか?」
「ソーメンだもん、流せばイイじゃん」
ノリが軽くなった。
思えばホントはこの週末あたりに講演を予定していたのじゃあるけれど、いみじくもOH君のライブと重なるコトが発覚したのが、去年末。
よって講演日程をば変更してもらい、本取材デーも変更しての…、その陽射し。
お寺さんの庭先では、おそらく一気にだったろう… 梅が開花してた。
『白梅に明くる夜ばかりとなりにけり』
にはまだ早過ぎるけど、「沖」掲載の小澤利子作がいいな。
何かが反映され、どうとでも解釈できるようで出来ず、笑みてた顔に暗い影がスッと生じて真顔になるような。
消せない心の中が浮き上がるような。
『悲しみは不意に白梅匂ひけり』
今日これを書いてるさなか、外は雨。のち曇りでやや肌寒い。
こちらの気分をよそに、季節は否応なくページをめくる… もんなのだな。
明日、震災から5年。
※ 講演詳細はまた後日に。
日程は5月8日のサンデー。岡山シティミュージアムです。