手元の灯り


お盆。
なぜか毎年、
「オジ−・オズボーン」
の名が浮く。
いうまでもないバンド「ブラック・サバス」の人。ヘヴィメタルなロックの帝王に君臨した人。
盆とま〜るで関係はないけど、語呂合わせ… ヘヴィメタルは好みとしないけども、かつて1度そう念頭に浮くと、おバカな1つおぼえで… 盆提灯を飾るたび、その名が出て来る。
人間は科学的存在ではないのだ。だからま〜、過ちも繰り返すワケなのだけど。


さてと。
真夜中、これから、
「気合い入れて作業するジョ」
自分宣言してデスクに向かって数分経つ内、手元を照らす蛍光灯が切れちゃった、ヨ。



こういうの、イチバン困りますわな。
右目の調子が悪いんで、手元の灯りがなきゃ〜、細々な作業は無理ムリ無理なアンリーズナブル。
フイな空虚に、あぜ〜ん。


そうでなくとも近頃は作業速度が遅いのナンノ。
40分で出来る作業を、近頃ときには… 3日費やすというコトもある。いや、ホントに。
早いハナシ、オック〜が前面に出て、学生時代の試験前夜にマンガを読みたくなる心理に似た停滞が、この頃しょっちゅう起きる。
集中力の"集"の字が溶けてるんだか、消えかけているんだか、とにかく、作業に向かう気はあっても、いざとなると、シガレットふかしてはボ〜ッとしていたりが、長い。過去数年ま〜るで見向きもしなかった本を棚から取り出して字ヅラを追ってみたりする。


なので、まるで茶柱が立つみたいに作業モードに気分がノッてくのは珍しいのだ。
"集"の字が硬化して顔もキリリ引き締まるアンバイ。
その瞬間を待ってたように蛍光灯が切れる。
何だ…、マーフィの法則か?
舌打ちして眉間にシワ寄せる。
けども同時に、「しめた!」との姑息なニンマリも即座に湧いたり。
やはり、科学的存在ではない。



これは『スターウォーズ/フォースの覚醒』のスチール。
おなじみミレニアム・ファルコンの船倉の一画。
広いよう見えるが、狭い空間。
そこに結構な数の照明装置が配置されてる。
これひとえに、このシーンを”見栄えある絵”として定着させるがゆえの工夫なのじゃあるし、事実この効果はよく活きているワケだけど、実際の船倉空間としてこれだけの照明を置くと、過剰な電力消費というコトになろうな。





いずれも同じ船倉。照明装置が各々の絵を引き立てているのが判ろう。
現実に貨物船としてのミレニアム・ファルコンがあるなら、客船じゃ〜ないんで居住空間とても、そうそう照明装置は要らない。天井に数灯あればコト足りる。なのでこの場合、楽しく発想するとオシャレなBARのそれのよう。


たまさか、気合い入れようとしたのが、デアゴスティーニのそのミレニアム・ファルコン模型の改造作例作業なのだったからお笑いだけど、手元の作業ライトが切れたおかげで… 映画の照明の秘密にチョット近寄れた感もなくはない。
これら数多のライト光がミレニアム・ファルコンをチャ〜ミングに見せてるんだね。



デアゴスティーニのそれは、ケナー社のオモチャ以外では初の船内の1部を再現可能、かつ映画撮影用模型と同寸というでっかいコトこの上ない、なかなかのモノじゃ〜あるのだけど、この上記した船倉内の一画は… モールドのないただのボックスだ。
これはこれで過剰の正反対、徹底の不足。
クフの大ピラミッドのあのガラ〜ンとした空間同様あまりに不足なのだから、手を加えざるを得ないでないの。
サイズに見合う情報量をそこに置きたいじゃないの。
ましてや、第1作の『新たな希望』、『帝國の逆襲』、こたびの『フォースの覚醒』でもっても、多くの大事なシーンがこの船倉に集約しているワケで、なおさらだ。



という次第で大改装中。床下から再設計。



けども今夜は蛍光灯が切れちゃった… んで作業中止。作業に入った途端休止。
エンジンはかかっても無灯火じゃ夜間走行はダメじゃないの、と… トラブルを微笑んで受け入れ、さてまたシガレットを一服。
蕪村はこういう心理を句にしたんだろか?

燈(ひ)ともせと いひつつ出るや 秋のくれ



 ※ ケニー・ベーカーに哀悼の意を