ちゅうぎんまえジャズナイト2016


無事に終了した『ちゅうぎんまえジャズナイト2016』。
早朝から… 日付けが変わった夜中の3時頃までと… 長丁場の1日。
帰宅して爆睡するも、クタビレは抜けないどころか増量中。
程良い飽和と充足な感にくるまれながらも、いつもの事ながら、節々が痛み、肩ははり、両足ともども筋肉痛。
よってイベント翌日の本日は終日ゴロゴロする。これを書いたらまた横たわりの予定なり…。


下記、土曜の幾つかの光景。



雨に濡れた朝の中国銀行本店前を、古い路面電車が行く。
昭和時代半ば製造の古き良きなオールディス。
ビートたけし主演の『点と線』でこの車両はロケ撮影され、そこにボクも同乗だったんで感慨深い。
モーターが古くてもはや長時間運行は出来ないはず。この日は『岡山国際音楽祭』のスタート初日ゆえ、その"音楽電車"としてチョットだけ登場したんだろう。
思わず写真を撮ってるスタッフのKUSANO君。微笑ましい。



屋外イベントの大きな楽しみは、スタッフ仲間とのお昼ごはん。
ここ数年は会場近くの「じゅん平」で楽しんでたけど、この日あいにく休業。
KOSAKA君が即座に、
「じゃ〜、ここに行きますか」
と薦めるンで、中電工横の「とも」へいく。
昼食時に生ビールを呑める喜びや最高。BISHIBASHIとボクは迷わず2杯めもオーダー。
本来はオムライスがうまいらしい。
けど、ボクはショウガ焼き定食。わずか750円でこのボリューム。



ポークはなんと5枚。しかもゴハンはおかわり自由でフリカケも無料。
いいのか… と思わず笑ったままカタマッたけど、ま〜、そんなにたくさん食べられるワケじゃない。
ポークと共に焼かれたタマネギが甘味が深くって、実に旨かった。


昼食後は常態的にせわしなく、とりわけ映像配信という作業も加わったんで写真を撮ってるユトリもない。
よって個人的な写真、今回はほとんどなし。
けども時間をばみつくろい、岡山神社さんの「蚤の市」には出向く。
禰宜のK氏ほかと談笑。午前中の雨がたたって出店がチョット少なくなったようじゃあるけれど、昨年同様な盛況っぷり。ホントはゆっくりしたかったが、そうもいかない。



数時間がたちまち経って、満員御礼。
本番前のバックステージでのピート(ピーター)・ホバース(左)とジェフ・チェンバースとOH君。
非常に緊張しているかというと、まったくそうでない。
「終演後にサーモンを食べたい、なんとかして欲しい」とのジェフの申し出にこっちが困惑。しかもタバコの匂いのない静かな店がいいという… いささか一方通行な申し出。


今回登場の2つのバンドは、ジャズ味ストレート勝負な熱演。
アッという間の3時間近く。
で、フィナーレ。
福井ともみトリオとピート達2バンド全員のうねるような演奏に、拍手かっさい。



さらに時間が経つ。
ごくごくごく内輪なうちあげ。
例のサーモンの件があり、急遽天満屋にスタッフが駆けて入手してくれた切り身を携え、プチパインに出向いて調理を願う。
ほぼ壊滅的に英語がダメなボクを、この日、同時通訳としてステージで活躍のN嬢が支える。
言語の垣根は大きい。
この小さなうちあげに、何人か声をかけたけど、いずれもご辞退で、いささかブルー気分っぽくもなったけど、最後のさいごで旧知なユッキーが、いわば『観客代表』として参加表明してくれた。


メンツは写真の通り。司会の早田氏ふくめ、わずかこれだけのささやかながら、食事論やら文化論やら、実にけっこ〜深いハナシ。
ピートがサンフランシスコ界隈の寿司事情をハナシはじめたんで、日本の寿司屋では"おまかせ"というコースがあることを教えてあげたら、(むろん2人の女神にコトバを置き換えてもらいながら)、まさにそこが日本文化だと、ピートが炯々としてこっちを見始めた頃合いから空気が解けた。
サーモン食べたいと自己主張貫徹の風土と、食べ物おまかせの風土の差異は、深くて渡れない… ものではなく、そこに橋かけるには要は想像力を粘着材にした相互理解がいるだけというハナシ。
そこがオモシロイ。
後はもう怒濤のよう。
ボクのオーダーしたペペロンチーニにジェフは横から箸をだし(フォークではなく)、「うまい!」を連発、破顔する。
司会の早田氏に、
「おまえさんはテレビマンじゃないのか?」
の2人の指摘にこっちが超ビックリ。
「なんで? なんで判るん?」
「そんな匂いがする」
に眼が点になる。
匂いについてジェフは「自分はその知覚過敏症」だというので、ボクもそのきらいがあって、
「真夜中に5Km向こうの火事の匂いを嗅いだ」
などと法螺でなく実話を話して、大いに盛り上がる。いうまでもなく、その数時間を、こちらはシガレットをガマンしてもいたのだけど…、気づくと日付けが変わって2時をとっくに過ぎている。
なので2人をホテルに送り出すや、即座に一服。
これが旨かったのナンノ。
ともあれ、女神たちに救われた夜。



記念写真を撮った窓の外。
すでに以前からあった"塔"が塗り変えられつつある。
白一色で目立たぬよう配慮されていたであろうこのごく平凡な"空調塔"が、『岡山芸術交流 OKAYAMA アートサミット2016』なる現代アートの"祭典"の1部として、いわば… のっとられたカタチ。
アート?
ボクにはそうは見えない、思えない。
いま、日本のアチュコチャでまるで雨後のタケノコのように、自治体主催の公募型現代アート展が開催されつつあって、これもまたその流れの1つなんだろうけど、単なる思いつき程度なプランをアートでござい… と主張する、その厚顔がうっとうしい。
そのうっとうしさの顔が、おそらくはこのペイントではあるまいか。



赤磐市岡山市に隣接)は桃の産地だけど、そこのガスタンクは桃色に塗られてる。それを「市のシンボルとして注目されている」(赤磐市のホームページ)と誇らしくうたう、その"こころざし"の低空飛行の蔓延がすこぶる景観をペケにしていく。
昨今の公募型現代アート展の正体はこのガスタンクのペイントと同程度なものでなかろうか。
まったく嬉しくもない。