コクピット部分の改造

デアゴスティーニのミレニアム・ファルコン。
コクピット内装のパーツは、高額な模型とはとても思えぬ代物。
オマケに、ホントに1/43なの? 懐疑なところがあって、それで余計に大味に映る。
でもって同社の解説写真で判る通り、椅子は赤色…。
「ぇえ?」
意味不明。



このキットを要約すると、良点と悪点がコクピット部分に集中してるってコトかしら。
前回も触れたけど、円錐先端の円幅が小さいゆえにコクピット全体にそれが影響し、内装も当然に窮屈になり、後述するが1部バーツがオーバースケールだから、カタチとしての整合性、部分においての納得感が薄い。
けどま〜、『スターウォーズ』そのものが整合辻褄あわせの連作なんだから、模型もまたそれでイイじゃ〜ん…、みたいに思うと改造欲が維持できる。
あくまでもデアゴスティーニ・バージョンと位置づけ、けっして"決定版"などとは思わぬコト。
という次第での改造記録。



※ 元のカタチ


『帝国の逆襲』と『フォースの覚醒』を参考に機器パネルを作りなおす。
左右のパネルは模型パーツを改造したものの、フロント・コクピットはパーツは使わず、ここはゼロから新造する。
単調なセンター・パネルや床にアクセントもつける。



右が元のまま…



元のパネルと新造のパネル比較



ほぼ改造終了


後部座席もキットのは使わず(使えず)、フルスクラッチで新造。
ぁああ、何と手間のかかるコトか… と思いつつ、工作そのものを愉しむ。
はじめて知ったけど、映画ではこの後部座席は英国空軍のハリアーの払い下げ品を流用したんだね、
「へ〜」
ちょっと感心しつつ、いささか複雑な形状に閉口。



※ キットの椅子と新造の椅子を比較。新造では映画同様に椅子が回転出来るよう軸を造る。(ツマヨウジじゃ〜ん)



ちなみにパイロット席のシートは70年代のポルシェ・カレラのもの。
これはキットのパーツを着色しただけで済ませるが、ホントはこの椅子がオーバースケールの元凶なり。1/43じゃなく、これはヘタすりゃ1/24と解釈できるくらい…、でかい。
しかし、模型というカタチの中では、このでかいのが逆に存在としてのコクピットを鮮明にしているトコロもある。
模型はそこが、おもしろい。
個々のパーツは音譜なのだ。そのハーモニーが活きるかどうかは…、造り手にまかされる。



このキットはコクピット背面パネルが電飾で光る仕掛けになってはいるけど、ドアは閉じた状態。
それで、あえて工作難易度を高めることにする。せっかくだから…、開いた状態、コクピット背景の通路が見える模型に変える。
1/43という大きなサイズを活かし、この模型では1部内部構造も再現できる。
けども、通路パーツはあるものの、コクピットはそれとはリンクされない…。



ないなら…、造る。
背部パネルにモールドされたドアを削りおとし、新規にゲートを造り、通路のつながりとなるチューブ構造を自作。
サイズと厚みと質感の3要素をミックスさせ、キットの通路部との接続、かつ電飾対応での取り組み。
か〜〜なり面倒。



※ ドアを開け、その向こうに通路を造るの図


LEDが組み込まれたパーツも使えなくなる。
残念だけど、仕方ない。
あらたにLEDを仕入れ、基板めいたのを造り、ドアの開いた状態でのセッティングをおこなう。
ステッカー式のプリント・パーツも大味ゆえ使わず、全部描きなおす。



※ 光ファイバーを組み込む



※ 新規にLEDを組み込む


外周廻りの計器プリントも同様。それを背後から照らす仕掛けも自作。ここにもLEDを5灯ばかり組みつける。
コクピットのドアはあんがい狭い。したがってBB-8やR2-D2はこのドアを通れない。映画でもその辺りはチャンと描かれているので、そこは感心。



LEDは極力安く、かつ小さなパーツを求め、九州のマイクロ電子サービス(株)にメールオーダー。
ここの製品はラインが極細のエナメル線オンリーなので、この手の狭い場所への埋め込み工作にむく。ただし、あまりに細いんでものすご〜く激烈に面倒…。
(「サンダーバード展」のために造ったトレーシー邸の内装照明は、実はここの製品を使ってる)
ハンダ付けし、オリジナルな基板をでっちあげて接合。
さらに光ファイバーを埋め込み。
常灯だけじゃ醍醐味が薄いから、点滅回路を1つ造って、そこから何本かの光ファイバーは点滅させることに…。



※ 『帝国の逆襲』のスチール



※ こちら『フォースの覚醒』より



※ 改装し、このようなアンバイ…。ドアが開いて深い奥行きがチラリの図



※ フロント部分。光ファイバーに加えLEDを1灯追加でセンターのモニターに明かり。



※ 『フォースの覚醒』に映るハンドル。なんか妙なカタチなり。上の製作中模型のシート・カラーがちょいと違うがコレは意識的に茶色を濃くしてみましたの図。ライトアップしていない時にコクピット内は暗くって単調なので…


作業は、
缶ビール、プシュ〜! 
イッパイ呑みながらヤルのが正道。
工作は自己満足の温度を上げるために在るようなもの。缶数に制限なし。
(おかしな事に日本酒は似合わない)


映画で使われた"ホンモノ"に似せることは必需ながら、けっして命題じゃ〜、ない。
そこの加減を愉しむには、デアゴスティーニのミレニアム・ファルコンは良い素材、妄想の定着点の見極めを愉しめるという存在。
なんだ〜かんだ〜云っても、ビール呑みつつの作業は、た・の・し・い。
ビールが楽しいのか、模型が愉しいのかは、さておいて、耽り込む…、こういう時間は長いホド良い。


コクピット通路を新造したので、本体側の通路部もジョイントを考慮して改造。あわせて内装も新造し、ここにも光ファイバーを組み込む。
キットの内装パーツは使わない。



※ 内部インテリアとしてのキットはこのカタチ



※ 上のパートを変身させ、長さも変更の図


ここでは逆に意識してオモチャっぽい雰囲気をイチバンに考慮、幾つかパネルを設けて光ファイバーで点灯を試みる…。
内装の汚れも適度に。しかし『フォースの覚醒』のミレニアム・ファルコンはひどく汚してたね〜、カビが生えてんじゃないかしら? と、そこまでの汚し塗装を模型に施すと、ただもう薄汚いモノに成り下がるんで、加減がチョイ難しい。




これでコクピット部分と本体側内部の双方が直かに結ばれ、模型としての完結した宇宙として一体感がかもせるはず。
しかしこうして工作すると…、この船って通路がやたら長いコトに否応もなく気づかされ、「変テコだぁ〜」な感想が浮く。密輸系の貨物船という設定を思えば、ずいぶんに無駄な空間で、早いハナシ、密輸品を運ぶというより通路を運んでるような感。
ま〜、そこの不具合がミレニアム・ファルコンの醍醐味かしらね。



以上、コクピット側からチラリとだけ内部構造が見える! というコトのためだけに…、愉しくエネルギーを注ぐ。
99人のヒトには、
「ぁ、そっ」
なコトだけど、99人の方のためでない自分1人の満足が、要め。



とはいえ…、本体側との接続はまだ先。
いまだ全パーツが手元に揃っていないから、ね。
LEDの配線など本体側のどこかで結線という次第を考えるから、こたびの作業はとりあえずココまで。連続の流れ作業というワケにいかないのがチョット歯がゆい。作業欲の電圧がさがるんだよね、中断は。
でもまた一方、中断があるから、ワインを寝かせるみたいな滋味の増加…、視界が広がって新たな工夫を導入も出来るから、一長一短。
だからこの記事の続きはまたしばし後に…、というコトになるでしょう、な。
チョメチョメ。