散歩がてら



庭先。白昼に灯りがともったような満開。
花の下では、もう今年の緑が色をつける。


このユスラウメの下で昼食を…、というホドにガーデン・スペースがないのが残念。



いっせいに、花も咲く。


あれ


これ


それっと…、イチゴにも。


眺めるに、若いバンドが初々しい羞じらいを浮かべつつも、見てよ聴いてよ…、さえずってってるような感じもアリ〜ナ席。



自宅そばの用水路でも、妙な場所に定着しちまった連中が花を揺する。



用水路脇を数10歩ばかり徒歩すると「竜之口スポーツ広場」。


とても近いというか、すぐおそば。
用水路(祗園用水の末路)はスポーツ広場内の別水路と合流。
(水路のスタート地点は一緒だよ。数キロを分離してまた合流という次第)
流れをはさんで広い側のグラウンドは、これは東岡山工業高校の野球部とか近隣の少年野球チームとかが利用し、もう1つのグラウンドは老人会だかがゲートボールに興じたりする。



ゲートボールの方は冬場でも夏場でも、時に夜明けと同時に方々が参集でゲームをはじめていたりもする。
あいにく写真はないけど、けっこう、賑やか。
といって老人会は嬌声あげたり歓声あげたりはしない。あんがい静か。でも盛況という意味で賑やか。
ま〜、こういう賑やかは良いこっちゃ。
その傍らを犬を散歩させる人も通る。ゲートボール組がいない場合は時に犬のクサリを外してやって、広いグラウンドを駆けさせたりもする。
夕刻になるとランニング・スタイルの方が何人か、広い外周をクルクル駆けて周回する。方々皆なサングラス。



40年ほど前だったか、市はここに大掛かりな下水処理場を設けようと土地を確保したのだったけど、どんどん宅地化が進んで近隣周辺住民こぞって「処理場反対!」の大合唱。第九ならぬ大苦の声高におされ計画頓挫。
久しく放置され…、結局は市が管理するグラウンドになって今にいたる。
トイレなども整備されてるけど売店なんぞはない地域密着スタイル。
その40年前までは水田あるのみだったけど、次第に無計画にポコポコ家が建って住宅街そのものになった地域だけに、この広い公共的空間はありがたい。
雨の日の早朝とかにカサさしてここに出向くと、誰ぁ〜れもいないダダっぴろい広場にポツンとただ1人佇むことが出来て、これはなかなか快感。
煙った茶色の地面に落ちる雨音の数々と戯れるのも、おつなもんだ。



ところで、グラウンドが正しいのか? それともグランドか?
どっちでもイイけど、どっちだろな…。
先日は両腕かかげてシャドー・ボクシングしながら駆けてる元気者がいたけど、同じ島国ながら、アイスランドではボクシングは禁止らしい。(1956年から今にいたる)
競技もないし、TVで中継なんて〜のもなく、国の方針として「暴力的要素が高い」とのことで禁止だそうだ。
(でもボクシングを主題にした映画も禁止、とかではないようだ。あくまでも、顔が腫れるような競技はスポーツとは言い難し…、という見解での方針のよう)
おもしろいね。
何にでも飛びついて流行りものに出来やしないか虎視眈々などこかとは違うのね。
でも柔道やテコンドーは盛んのよう。



ハナシ脱線ついでにいえば、アイスランドの映画館ではどんな映画でも、途中で休憩が15分ほど入るんだって。
昭和40年代頃まではハリウッド製でも和製でも2時間越えの映画では、INTERMISSION - 休憩 がチャ〜ンと最初からあったけど、今やそれってないね。3時間半を越えるのだって休憩なし。
オシッコの都合を考えるとですな〜、アイスランド方式って、なかなか良いじゃござんせんかね〜。
ただ、1時間とチョイといった映画にも休憩があるというのは、どうかしらね。
でも、アイスランドではそれが普通であたりまえのようで、休憩になると皆さん席をたつ。結果として売店の飲み物がよく売れるそうな。
これは…、日本でもマネてもいいんでないの? 全部そうしなくてもイイから、3時間くらいの映画なら、午後5時の回だけは「休憩つき」とかさ。館も売り上げアップだし観る方も同行者と映画前半を語りあったり出来るし、頻尿ぎみなボクはとくに大歓迎。



※ 同国の映画館ビオ・パラディス


さらに余談というか、むしろこっちが本題になったかも知れないけど…、TVは日本のような多チャンネルでないけど、アイスランドの人はTV視聴より、本をよく読むらしい。
図書館の数も日本の比でない。
日本の文部科学省の2003年度調査によれば、10万人あたりの図書館数は日本では2.16舘。
だけど、アイスランドは55.56舘。
比較にならん数。
そも、アイスランド国立大学図書館が観光名所の1つ、という具合だから自ずと本読みの国というか、国民性的歴史まで想起できちゃう。
その国立大学図書館などではコーヒー・マシンが設置され無料で飲めるそうだけど、税金が高いのは、こういうサービスに費やされているんだろうか…、住まったことがないので実によく判らん。
たぶん、そんな一面も、前回書いた「幸せのランキング」には出てるんだろう。その小さな一面がありとあらゆるトコロにあって、それが相乗して多面に構成されての幸せ、って〜なもんだろう。
しかし何だか…、あまりに違い過ぎ。歩ける範疇のご町内に2〜3舘くらい図書館があるという実体に眼がクランクランする。
なるほど税負担は大きいけれども、それはしっかり自分たちの生活に潤いもたらすお金というコトがちゃんと機能してるんだろう。友達の学校造りに税負担をこっそり操作するような国ではないようだ。



※ アイスランドの街角。海外旅住NAVIより転載。


図書館とはいえスペースは限られる。
キャパシティを越えると本が溢れる。
日本の県立図書館の場合、全県平均で1舘あたり、年間21841冊の本が買われる。
対して廃棄されるのは1館あたり、6667冊。(上記文部科学省の調査による)


そう…、本とて捨てられるワケなんだ。それも毎年、かなりのボリュームが…。
幸せの国ランキング4位のアイスランドでは、そのあたり、どうなってんでしょね?
県費や市費をつかって毎年必ず県議や市議が視察名目でパリやベルギーに「観光」に出向いてるけど、こういうのを調査に出向いてくれる議員さんがいればな〜、とナイものねだり。



※ 明治岡山に初登場の図書館。岡山県立戦捷記念図書館。その模型。
開館の翌年には早くも蔵書に溢れて書庫(3階建てのでっかい蔵)を建て増し、それが結果として当時最大規模だった日比谷図書館の書数を超えて日本イチバンになり…、でもって"教育県おかやま"というヘンテコなプライドが生じてしまった元凶だよっ。このオシャレな建物は空襲で焼失、今はござんせんので模型をば。


で、ナイものねだりだけど…、ゲートボールくらいしか今のところ使われていないダダっ広い「竜之口スポーツ広場」の半分っこですが…、ここに4階建てくらいな図書館作って、屋上はフラットにしてゲートボールも出来る空間…、って〜のを夢想しますがね。
あれば近くで嬉しいな〜、出来たら木造が良いな〜、もうコンクリートの無機質はヤダな〜〜ぁ、と身勝手に空想しつつ散歩。
映画『コンタクト』でのジョディ・フォスターの名セリフではないけど、
「SPACEがもったいないよ」
とも思ったり。また一方、そういう感じ方が不幸せの度数を高めてるようでもあり…。