アラン・ビーン

数多くの宇宙飛行士の中、ダントツに好感をもっていたのが、アラン・ビーンだった。
昨日、体調を崩され亡くなった。
86歳。



※ 1969年10月。アポロ12号を背景に記念撮影。右がビーン。source: NASA


アポロ12号での月着陸とスカイラブ計画での活躍後は、画家としてず〜〜っと宇宙を描いてた。
繰り返し繰り返し、月面でのイメージをキャンバスに描き続けてらっしゃった。
何冊か画集も出ている。
幾つもの画廊(米国)が彼の作品を扱い、高額のプライスになってもいる。



※ Is Anyone Out There (2006年) source: Heritage Auctions

※ Skiing the Mountains of the Moon (2008年) 


けれど、必ずしも正当に画家として評価されきっていないのが、惜しまれる。
1つには表現として上手で革新的とは言い難い絵そのものが原因だろうけど、稚拙さをあえて隠そうとしないストレートな感情表現にボクはすごく引かれ続けていた。
月へ出向いたことを、月での体験を、真摯なまでに引きずり続けた彼が、素晴らしい。
他の天体に出向くという行為のすごさを、彼は絵でもってず〜〜っと訴え続けていた。その意味をずっと探り続けてらっしゃった。自身の中に萌芽したものを何とか手繰り寄せようとして描き続けてた。
それゆえ、老いた身体から開放された彼のタマシイが、今頃は、月面で悠々の闊歩を踏み出しているんじゃなかろうか…、そう願わずばいられない。
コンラッド船長と2人して、月面史上初の騒々しい大騒ぎを、またヤッてるんじゃなかろうかと、思いたい。



※ The Fantasy~Conrad Gordon and Bean~ (1992) source: Heritage Auctions