思う程には皿が積み上がらないなぁ。かつては20皿くらいは楽勝だったよう思うけど、今年初の回転寿司……、12皿でもう充分なお腹に年齢を意識しないわけでない。
ラストオーダーは〆鯖とシャレてみても、気持ちはもうチョイ食べたいけど、お腹はも~イイも~イイの二律背反。いけ好かんなぁ。
しかしま~、アチャラもコチャラも「恵方巻」。
うちの近所のスーパーの「恵方巻」に至っては高名な某最上稲荷でお祓いを受けたノリで巻いてるってわざわざチラシに写真を載っけてる。
そうまでしてカツいでどうする、縁起?
国民そろって東北東に向かわせ黙って巻き寿司喰ってネ~って、気味悪いし、みっともないな~。
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某日。
敬愛してやまぬ方の墓に参る。
飄々と真摯と諧謔を見事均等に身体化させていつつ、時にヤンチャで一点張りな頑強主張まで含め、ま~ヒトコトで云えばカッコ良かった方。教わるコト大であったマ~ちゃん。
なんとも奇遇ながら、我が家のと同じ霊園。
父の墓から歩いて数秒、電話しなくともチョイ声を高めりゃおしゃべり出来るご近所づきあい。
けったいなハナシながら、妙に嬉しい。
お掃除中のEっちゃま
お参り後に、これまた近場なコメダ珈琲で一服。
といっても店内でシガレットを吸えるワケでもなく、もう死語になるんだろうなぁ、一服という表現は。
一服しようか → お茶しようか
何か……、これって絶妙に違うなぁ。一服しようかの一服は含有されるアレコレが大きくて包容力が高いんだね。お茶しようかはどうも限定的。
ま~、どうでもよろしいが、シガレットな文化の消滅はお言葉の端々にも影響が出るって~ワケだね。
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2月になれば、『ラ・ラ・ランド』の監督と主演がコンビを組んだ『ファースト・マン』という映画が公開される。原作は月に最初の一歩を刻んだ故ニール・アームストロングを描いた伝記。
60年代という時代はとにかく盛大にシガレットが消費された時代。なにしろアポロ計画をスタートさせたケネディの基調演説(1962年9月。NASAに広大な地所を寄贈したライス大学での屋外演説)でも、
「あなた方の吸うシガレットや葉巻の税金でこの計画は充分にまかなえられる」
晴れやかに云ったもんだった。
実際、当時の映像を見るとNASAの管制室をはじめに、アチャラにコチャラ、皆さん盛大にスモーキング・ブギーしちゃってる。
トム・ハンクス主演の『アポロ13』やこの映画から派生したTVシリーズ『フロム・ジ・アース・トゥ・ザ・ムーン』でもその片鱗はたっぷり味わえた。制御卓の灰皿にタバコがあふれ、かつ卓に灰がこぼれ散ってる辺りの描写が実に細やかで当時のスモーキーな様相をよく再現してた。
1969年のNASAアポロ管制室での実際映像
1995年の映画『アポロ13』での映像
けど、近頃はたとえ60年代の事を描こうが、タバコがシーンに登場することが少ない。
WHOの「たばこ規制枠組条約」(2003年決議)が登場して以来、不健全を増長させるな!との声がジワジワ昂ぶっての波動砲攻め。映画製作に出資のスポンサーを大いにビビらせたから、自ずと喫煙シーンに影響が出る。自主規制をかけるようになり、またそうすると、それが当たり前ダ~的流れとして比重が増す。
だから来月に観ることになる『ファースト・マン』では、そこはどう描かれるかしら? いささか気がかりだわネ。
大量に吸われ、いわば当時の典型的光景だった事実は、おそらく、ごくごく一部の背景にチラッと登場程度に卑小化されてるだろう。マーキュリー計画での軌道計算などに大いに活躍した黒人女性たちを描き、邦題のトンチンカンっぷりが話題になった『ドリーム』でも、スモーク・シーンはほぼ隠蔽されていたからね……。
観る前から心配したってしかたないけど、あった事がなかったように扱われてくのは、嬉しくない。今風に云えば、それこそが「フェーク」、「捏造」じゃあるまいか?
侍を描いた時代劇なのに刀を腰に差していないって、それはないでしょう……。
ことさらに大きく、いまさらに強調しなくともいいから、ほどほどな「時代のまぶし」を願いたいなっ。
しかし、なんで邦題タイトルは『ファースト・マン』と、ナカグロ入れてるんだろ?
オリジナルは『First Man』で、「・」はない。原作とて『ファーストマン』、区切ってない。
『スーパーマン』を『スーパー・マン』にしちゃったようなもんで、日本の配給会社って余計なことを加えてくるね~。変だね~。