数日前この岡山市でも感染者が登場で、ワールドワイドな時流の只中にここも入っちゃったアンバイ。まだしばらくは右往左往のドタバタが続くと覚悟もするのだったけど、公平公正な施策の速度アップと報道が続くよう願うばかり。
公共を最優先の、ある種の社会主義的発想でのアレコレな政策なり示唆を出せるかどうかで、大袈裟にいえばジンルイに明るいヒゥーチャーな兆しが見えるような気もしないではないけど、オリンピックも延期したので、
「心ひとつで、皆んで乗り切ろう」
みたいな精神主義的掛け声は願い下げ。
ながく親しんだユスラウメを、抜いた。
土を掘り起こし根を断って、木を土から抜いた。
ながく親しんだゆえに感傷がなくはない。
根は太く、踏ん張るがごとく土中の四方に伸びていた。
最盛期にはバケツ数個分、5キロを越える実りもあって、数年間毎年、ジャムにして楽しんだりもした。(味はたいしたコトはない)
煮立て、アクをとり、さらにフツフツ煮やし、裏ごしていくと、5キロもあったのが僅か1/4だか1/5の量になって、減少幅に「ぁぁあ」と驚きもした。
瓶を買ってきてラベルを創ったりもして、愉しんだ。
けど、この数年は「ふくろみ病」が完治せずで、開花も次第に少なくなっていた。
昨年はごく僅かに実りはしたが直に落下した。
花の下につく実が文字通りの袋状に奇形する「ふくろみ病」は、アマチュアにはけっこうハードルが高い。
スモモやユスラウメに特有した細菌がもたらす病いで、菌は土中で越冬するから始末が悪い。石灰と硫黄を混合させた薬剤散布が効くらしいが、ほとんど一般には売ってない。
おまけに、この薬剤は他の樹木を傷めるらしく、散布はユスラウメ全体をビニールなどで覆っての作業となるようだ。
それをしなかった。
そのまま放置した。
ちゃんと世話してやれなかったのを、悔やむしかない。
冬姿のユスラウメ
枝や根にノコを入れると、脆くなっていることにも気づかされた。
病いに侵食され、年々に衰えていたのだろう。
南無……。
ひっこ抜いた幹は、しばらく庭に置いておく。そうやって日々、眼にしつつ、次第に感傷が抜けていくのを待とう。
大量の白い小さな花がついた姿。その花が失せて実がつき、やがていっぱいの実りになった時のふくよかさ。収穫の醍醐味。
夏の、ものすごいような枝の伸びっぷりと葉の勢い。
冬の、葉のないガイコツのような枝の寒々しさ。
いずれもが眼に焼きついている。これは消えない。
ユスラウメを抜いた後、腐葉土やらやらを土に入れて混ぜ、数日放置。
しばし土を養う。
で。
ユスラウメの跡地に、一考二考と悩んだ末、レモンを植えることにした。
最近はトゲのない品種もある。
なにより常緑だ。ユスラウメの冬の姿を思うと、この一点は魅力的。
残念ながら近場のガーデニング・ショップには、トゲのある品種しかない。
そこで通販。
直かに眼で見られない不安もあったけど、届いたものは悪くなかった。栽培方法を記したプリントも添えられていた。
リスボンという種類のレモン。むろん育てたことはない。
リスボンとはあのリスボンか? リスの坊っちゃん悦ぶレモンではないはず。ポルトガルが原産地だそうだから、ああ~、そういうことか。
サンキストレモンはリスボンレモンと同じだそうな。カリフォルニアの内陸地域で作ってるリスボンのブランド名が「サンキスト」なんだというコトを、こたび初めて知った。
ベチャ~っと云えば、どこにでもあるレモンというわけだ。
けど、我が庭じゃ初めてだ。
First experience 、初体験の酸っぱさだ、ウフ。
プリントには植樹後は2年ほどは実らないと、ある。
かまいません。
風に弱いというから支柱で支え、植えた。
いまは、根づいてくれるのを願うばかり。
ユスラウメがくれた喜びと同じく、レモンの育ちに期待。
ながい交際になるのを求む。
イタリアでは、ウイルス感染で危篤となって臨終の患者に、祝福を与える聖職者の死亡が相次ぐという。ミラノ近くのベルガモ教区だけでもう10人を超えるという。(AFP)
無残で黒い光景ながら、それでも聖職者は死の床についた患者に寄りそう。もちろん防護服を着てマスクでだろうけど。
「明日、世界が滅ぼうと、今日、リンゴを植える」
レモンを植えつつ、そんな言葉を想いだす。