スペーストラッカー

 続く右往左往。

 自粛要請は緩和されつつも、状況好転、とは云い難い。

 くわえて、ろくな具体策提出できずのリーダーの、信仰めいた情緒発言が大黒柱じゃ〜、安堵できない。

 

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 愚鈍豚足政治がもたらす中央と地方のギャップと、虚実ごった煮の報道と、なにより怖いあちゃこちゃ潜んでるらしきウィルス……、この3重苦。

「いいのかなぁ?」

「たぶん、ね~っ」

 程度な根拠ない希望的観測でもって、アレコレ行動するっきゃ~ない。

 悩ましい。

 

 汚染感覚が背にはりついてる。

 高じて、それで鬱になっちゃったというヒトのことをアレコレとニュースが伝えてる。

 さもありなん。

 けども一方、「なぁ〜んとなく」に収束しちゃった〜みたいな空気が今度は出て来はしないかと、それも不安。

 

 この1月~5月、周辺で、風邪をひいたとかインフルエンザになっちゃった……、という声は、逆に聞こえなかった。不思議。

 

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 数年も経てば、こたびの騒動の渦中で生じた諸々を題材に、小説やら映画やらが、必ずや創られるでしょうね~。

 だぁ~れもいない繁華街とかブロードウェイとか、稀有でレアなビジュアルがえられるから、ヒト知れずきっとカット、ガッツリ記録映像が撮られてるはずだし、当然にそれを有効活用したくもなるでしょうよ。

 

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 ウィルス騒動で映画館というカタチの維持が難しくなってる。こういう場合の脆弱さが顕わにされたといっていいか……。

 ネット配信して課金するシステムでけっこうな収益が出ると判ってきた映画製作の側と、映画館との関係が、この先どうなっていくのか……

 映像を眺めるという行為はこの先さらに肥大し裾野が広くなるはずだけど、それをどこで、どう観るか、一昔前とは環境が変わり、経営規模の小さい映画館にはアタマの痛い問題でしょう。

 プロジェクターとスクリーンでホームシアターが構築できるようになって久しく、映画館にとっては、これも、いわばライバルだろうし。

 

 しかし映画館の最大ポイントは、複数で出向けて観賞でき、そのアトで映画のことをア~ダコ~ダと云いあえるっていう点でしょ。

 云いあうのは映画館じゃなく、近隣の居酒屋さんとかだけど、仲間と時間あわせて合流で共に映画を観て過ごせるという、そこだよね~。

 そう、特別な場所という位置づけね。

 そのポイントをどう維持させてくかが、このさきの課題だなぁ。

 なんといってもデートに最適じゃないか。

「ボクちゃんのお部屋のホームシアターで映画観ない、ウフ♡」

 なんて~の、サイテ~最悪でしょ。

 デートには映画カ~ン!

 2人で共通体験してる場としての映画館というのがメチャ大事なのさ。いやさ、映画観てる間は2人は会話しないけどね、他にないでしょ、このほぼ無言なれども2人の間の垣根を大いに溶融してくれる場所って~のは。

 

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 なんちゅ~て理屈云ってるワタクシめ……、1人、ホームシアターで観ましたのは、『スペース・トラッカー』。

 これ、1966年のSF映画ですけど、とてもオバカでノリが良く、

「ホントはお利口さんだけど、それをどうやったらアホ~にみせるか」

 をキモに、製作者一同・出演者一同が超真摯に挑んだ怪作。

 

 宇宙をカッ飛ばす二人のトラック野郎と一人のスペース・ウェイトレスが、地球を守ってしまう物語。

 

 このキャッチ・コピーでもって深刻な内容でないことは自明。

 

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 当時第一線で活躍の韮沢靖、空山基、スクリーミング・マット・ジョージといった日本人クリエーター達も参加で、主演がデニス・ホッパーなんだから、すばらしい。

 

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 初見は10年以上前、スター☆チャンネルだかでの放映だったけど、ニヤニヤしつつ愉しんだ。

 で、こたびDVDにて再見。

 とはいっても、この作品、DVD販売の初期に出たっきりで、今は絶版。

 ワタクシとしてはこれ名作に価いしてると思い決めてるのだけど、ね~。

 

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 チャールズ・ダンス演じる悪者のブッ飛び方が圧巻の悪漢っぷりで、あれよあれよの展開にメダマくらくら。

 この悪漢、気の毒にも身体メチャクチャ。半機械ニンゲン。

 なので男性機能もダメなの。

 それで機械仕掛けのナニを下半身に取り付け、幽閉したベッピンのヒロインにナニしようと孤軍奮闘するあたり、大笑い。

 そういう描写もあるんで、家族向きでなく、初デートにも向かない。

 

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 名作と書いたけど、いわゆる感動作じゃない。

 要は、50年代末頃のチープなSFムーヴィの味覚を90年代テクノロジーで再現したというだけがポイントの映画。

 その上で「エイリアン」、「ロボコップ」、「2001」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「スタートレック」に「スターウォーズ」、さらには珍作というかポルノ映画だった「フレッシュゴードン」なんぞの美味しいところをチョイと真似て、ごっつあんでした~のちゃんこ鍋。

 ま~、だからこそ好感してる1本。

 1時間半強、だらだらとビール呑みつつの観賞に、最適。

 見終わったアト、「ぁぁ、愉しんじゃったなぁ」と淡雪みたいな気分になるものの、な~~~にも残らないのが清々しい。こういう映画と時間も大事。

 

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『スペーストラッカー』でのチャールズ・ダンス。いっけん怖いが、実は大笑いのビジュアルです

        

 ちなみにチャールズ・ダンスは悪役がすごくお似合いの役者だけど、脚本&監督作品もある。下写真↓

 これは名作に価するというか、記憶喪失の音楽家が浜辺で発見されるという内容が、英国封切りのすぐ後に現実に起きてピアノマン事件)、かなり話題になっちゃった作品。(ワタクシは未見)

 この映画のサウンドトラック「Ladies in Lavender」が流麗なもんだから、フィギュアスケート界では定番、今も頻繁に使われてる、らしい。

 

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 ダンス本人は本作やら長年の役者業でエリザベス女王から大英帝国勲章ももらい、ゆとりでチャールストン・ダンスしちゃえるくらい元気。

 10月誕生というから74NOW。さらなる悪役っぷりを期待。