3日前、高齢の親族1人が没してしまった。
コロナウィルスとは関係なく、心筋梗塞。おそらくは温度差によるものだったろう。
残念このうえない次第ながら、葬儀に出られない……。
多数の集いは今は回避しなきゃいけない。出向きたい気は強靱ながらウィルス蔓延はなはだしいから、行くに行けず、なので葬儀はごくごく近親者のみで執り行うという次第。
葬儀社や仕出し屋さんや花屋さんなどなど……、葬儀に伴うアレコレには、思えばけっこうな人がたずさわる。
仕出し屋で例えるなら、50名前後の宴席1つがなくなったワケで、ダメージはでかい。
葬式という不幸の上にさらなる不幸が重なるみたいなもんで、なるほど、経済への影響がこんな所にも顔を出している。
エドガー・アラン・ポーは『赤い死の仮面』で、感染症からの回避を模索して城に閉じこもった人々が、束の間の安穏の中でパーティーを催し、その賑わいのさなかに、発病者が出てジ・エンド、という次第を描いてまことに秀逸、まことに怖かったけど、さすがに経済への言及まではやってない。
結局こたびは、親族同士で電話で連絡しあい、香典の額やら電報の件など、可能な限りの気持ちを遺族に伝えるという事しか出来なく、まこと心残り……。
しかたないが、しかたない。
言葉遊びめいたガックリ気分を味わうしか、何も出来ない。
こちらとて、こたび没した方とほぼ同年齢のマザーを抱えた身。1つの覚悟のみが徐々に輪郭線を濃くしてく……。
なくなった親族は、とある地域では誰もが知る呉服商を営み、かつては店の2階で琴の教室なんぞもやって、和のテーストを地域に広めてたようだけど、はるか後年、当方がジャズフェスの運営に関わるようになって、その仲間のKusano君と雑談してるさなか、
「うちのおふくろ、昔、琴の教室に通ってましたよ~ん」
というハナシになって、
「えっ? どこの?」
「○○○○のY呉服店ですがっ」
思わぬ接近遭遇、人と人のつながりの妙味を知らされ、互いに、
「へっ?」
「ええ~っ!」
楽しい思いになったコトがあるけど、こたびのウィルス騒動はそんな人同士のつながりまでを揺さぶってくれる……。
–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
Kちゃんのメールで、福本清三さんがこの元旦に亡くなったのを知る。『ラスト サムライ』のボブだ。
我が親族といいボブといい……、良き武者が去っていくのは淋しい。
–––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––
毎年の今ごろはK夫妻との新年茶話会をやり、マジな話、バカな話、アレコレ喋って1年の基点、ここよりスタートだぁ! と決めてるけど、こたびはそうもいかずで中止だ。
けども昨日、こっそり車でやって来たK氏は、郵便受けに、毎年恒例のオリジナルの「星のカレンダー」を置いてくれてた。
彼は大型望遠鏡で星を追う人、クールなナイスガイ。
「ぁぁ、なんて素晴らしいお年玉ッ」
サンキュ~サンキュ~と、夜になってモシモシし、しばし、あれこれ電話歓談。
笑い声や 心地よし