この国の諸々アレコレの進み方をニュースで聞くたび、希望より失望が膨らむ。
青息吐息な呼吸不全な状況を糊塗しまくっての、まやかしの連打。
ウンザリ。
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ここ数夜、眠る前は、士郎正宗の漫画をば。
彼が漫画を描かなくなって既に久しいけど、べつだん、かまわない。
こうして手元に複数冊あるのが至福。
『アップルシード』1巻・2巻、『攻殻機動隊2』が何故か見当たらない……。誰ぞに貸し出したままかいなぁ。
遠い昔、彼が大阪の青心社を基点に本を出してた頃、登場のメカや人物を幾つか模型化したことがあって、青心社の当時の担当者にはずいぶんお世話になった。ただの著作権窓口の営業者でなく、士郎作品に惚れ込んでいるマニアの1人という感じで、小気味よかった。ゼニカネでなく、士郎作品をもっと知って欲しい、読んで欲しいという真摯さが前面にあって、ずいぶん心地良かった。
士郎正宗が大きなブームの火点となる以前の話、だ。(むろんコアなフアンは既に多数いらっしゃったね)
そういう先見も、もう「懐かしい過去」のことになってしまったけど、べつだん、かまわない。
この記事のために、それら模型のパッケージを引っ張りだそうかとも思ったけど、倉庫のどこぞの段ボール箱に入れてるのだか判らないんで、やめた。『攻殻機動隊』のフチコマなんぞもあるはずだけど、懐かしみを反芻するだけなので、やめた。
でもま〜。手元にある写真を何枚か……。
画集『Intron depot』からレリーフ化したもの。
部分のアップ。
同じ作品ながらブロンズ風味に仕上げたもの。
レリーフ別作品。青銅風に仕上げたものだけど、中国で複製品が出回ってガックリやら怒った記憶あり……。
『ドミニオンC1』に登場のミニ・パトをキット化したもの。パッケージは士郎作品で多々登場する手書き注釈を模し、あえて活字使用せず。
あんがい売れなかったのは、当時まだ士郎正宗ブームじゃなくってぇ……。士郎作品を好む人がそのまま模型を作る人ではないワケで。
同じく『ドミニオンC1』より、ボナパルド戦車。あちゃこちゃ可動する。これも当時、中国でパーツを省略したコピー製品が出てしまい……。ブ〜ブ〜。
士郎正宗作品でダントツに好みは、『仙術超攻殻ORION』だな。
こたび超久々に読んで、その感をより厚くした。『攻殻機動隊』よりも物語世界の像型が堅牢で、彼の独自独善の私感と史観がはち切れんばかりに溢れ、密度が濃ゆい。厚切りしたバターのみを口に頬張ったような、だから美味としてでなく、激烈な濃厚さに舌が喜悦に麻痺するに似た……。
各々のキャラクターの立ちようもいいし、魅力が各々でかい。
そも、この漫画が万人向けでないトコロが、いい。士郎テーストの感覚をそちらの感覚で読んでくれたらそれでイイというスタンスに好感。
以前に何度となく読んだ頃は、宿参ノ王(スサノオ)がダントツにキャラクターとして面白かったけど、こたびの再読では、櫛薙刀姫(クシナタ)をガードしている2人の女性キャラクター(神さんの一種だね)、桜花と梅花に“惚れた”。
出番はさほど多くはないけど、キリリとして爽やかで、その上、清廉。2分身化した宿参ノ王にちょっと翻弄されるあたりの描写が、漫画作品としての極上の醍醐味を味じわわさせてくれた。
仏像風に工作した1/6スケールの櫛薙刀姫フィギュア。当時うちに出入りしていたK君の作品。
例によって例のごとしで、数ページをめくってる内に眠ってしまうけど、数夜それを繰り返してると、おかげで、突拍子もないSF的な夢を見たりもして、士郎正宗効果かしらん、悪くないねっ。
士郎正宗氏は父親の介護でナンギされている(既に過去形か?)と聞く……。それが漫画を描けなくなっているダイレクトな原因とは思わないけど、自宅介護は日を増すごとにナンギもつのる。当方も今、そのさいちゅう。
それをストレスとしないよう心がけ、なワケでチョイっと士郎正宗を読んで日頃を束の間忘れるんだけど、当の士郎正宗は……、介護疲れを自身の作品見て癒やすワケにもいかなかったろう。これ、気の毒。