拝察の一語があったとはいえ、
天皇の「気持ち」もまともに取らず、封殺する現政権って……、おそろしや。
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マイ・マザーが介護を必要となって既に久しい。この数ヶ月でボケ具合も進行し、歩行困難ゆえ徘徊の心配はないけども、昼夜の区別がつかず、夜中もヤヤ眼が離せないというテイタラク。
大ボケ小ボケで日が暮れて やまのお寺の鐘がなる……
ベッドには柵を造ってあるけど、腰で身体を動かして、それをミゴトにすり抜け、落ちたりもする。
そのマザーが元気な頃に使ってた部屋は、そんな次第もあって勝手に物置として使ってた。(マザーは日当たり良好の別室に移動してる)
近来は展示用の大型模型製作が多く、木箱やら段ボールに入ったそれらを無雑作に積み上げる……、というのを繰り返しているうち、気づくと、一歩誤ればゴミ屋敷の一室というアンバイになりかねない堆積物の山と化している。
なのでアレコレとリフォーム作業をやってる延長として、この旧マザー部屋にも改造の触手を伸ばしたのだった。
でっかい和ダンスが2棹ある。
両方、こちらが物心がついた頃よりあったものだから、我が宅の中ではイチバンに古い。
おそらくはマザーの結婚時に用立てられた花嫁道具であったろう。
どちらにも着物の類いがどっちゃり、入ってる。引違戸(ひきちがいど)の中には、10枚ほどの1964年の東京五輪の記念硬貨やら昭和天皇の在位61年記念硬化なんぞも、入ってた。
思案のあげく、1つのタンスを廃棄し、もう1つは残すことにした。
桐のタンスで、3分割できるが、でかいので重い。
我が宅の最古参。およそ70年前、あるいはもっと古いかもしれないモノゆえ、捨てるにはしのびない。
廃棄する方は、残すタンスとほぼ同寸でカタチも近似で、一見はマホガニーっぽいが、部分に合板が使われている。古いけれど再生させるホドでもなかろうと決め、中身はとりあえず、押し入れに退避させることに。
が、今度は、押し入れの中のモノが邪魔になる。使わない寝具の類いが一山……。しかもメチャに重い綿ぎっしりの昔の布団~ズ。
結局、ところてん式に……、そのフト~ンズをば廃棄するコトに。かといってゴミ捨て場に出せないわけで、これもタンスと共に近いうちに回収業者さんにお願いというカタチになるだろう。
で、残すタンスだ。
いまどきのタンスは表層にラッカー系の塗料が塗布されたりだけど、昔の桐ダンスは、「砥の粉仕上げ」とか「時代仕上げ」とかいうフィニッシュ作業でもって完成させていたらしい。
(ラッカーとかウレタン塗料は桐自体の呼吸を止めてしまい。桐の特性を奪う)
我が宅にあるのはおそらく「時代仕上げ」されたものであろう。製作過程で桐の表面を炎であぶって黒ずませ、それで木目を際立たせた後に砥の粉(とのこ)を塗り、蝋をひく。
相当に面倒な過程を経て桐ダンスは出来あがっている。
桐という木材は湿気にとても強いから、なので着物の安置所として最適であったらしいし、今もそういうことで流通している。
(時代仕上げという名称は昭和になってから作られた単語であろう)
古い桐のタンスが白っぽく見えるのは、木目に浸透した砥の粉が劣化し、ただ表面にくっついているだけの状態なわけだ。
それをサンドペーパーで削いでみると、そこそこ、オリジナルの木肌が顕わになる。
上写真で違いが判るデショ。
電動のサンダーがあればイイのだろうけど、あいにく持ってないんで、サンドパーパーのみで、シャコシャコシャコ……、表面を磨いた。
下台から抽斗3つをハズしたところ
砥の粉とか蝋引きとかは当然に出来そうにないから、ペーパーで磨き直すに留めるけど(蜜蝋が主成分のワックスをかける気はあるけど今はその段階でなし)、サビて劣化しきった引手(ひきて)は取り外し、あえて真鍮のを買ってきて、つけ替えてみたりもした。
ちなみにオリジナルの引手は「蕨手(わらびて)」という名だ。
廃棄を決めたもう1つのタンスから、使えそうな引手部分を移植させもした。
蕨手
下のブラックが廃棄予定のタンスから移植したもの。これも蕨手
和箪笥専門の業者さんにお願いすれば、水洗いして砥の粉や蝋を除去して全体を削り直すという処置が施され、「あっ」と驚くほどに見事に再生されるらしいけど、いかんせん……、それには相応のお金がかかる。人の背丈ほどある桐ダンス修復なら、概ねで10数万円が相場らしい。
なワケで、シコシコシコと自らの手を動かしたのだった。
桐の微粉末が大量に飛散し、掃除も手間だけど、ま~それでも、古びたのがチビリと再生し、マザーに向け、
「Shall we タ・ン・ス?」
意味不明な語呂合わせを口にすることが、できた。
いかんせん、哀しいかな、マザーは興味を示さない。願わくばマザーこそが元気を再生して欲しいところだけど、ね。
これだけは、どうしようもない。タンスの劣化より人の劣化が甚だしい……。
飾り房はかなり傷んでるけど、あえて、このままに。
およそ70年、あるいはもっと……、こうしてぶら下がってるワケでおろそかに出来ないワイ。
一応、7割がた、削り終える。天然素材の良性のワックスを入手したら、塗布し、研磨してみよう。 おっと、今、気がついた。最上段の引違戸、中央2枚は手前にあるものだった。これ、逆ね。