ガンヘッド

 先日、伯母が死去。

 昨年11月に没したマイ・マザ~の姉。

 あと数ヶ月で101歳になったのだけど、妹の後を追った……。

 マイ・マザ~は5人兄弟だったので、これで全員が鬼籍に入ってしまった。まったく残念というホカないけど、次世代への交代という否応ない新陳代謝、サイクルとしての人生を意識させられた。

 

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 木曜の午後に某書類を投函すべく郵便局に持っていくと、配達は月曜になるという。

 同じ市内なのに、4日後なんて……。

 宅急便が高速な配達に務めているのとまったく反対。土日の配達を止めちゃった弊害だ。時代を逆行しているとしか思えない。

 思えば数ヶ月前、Eっちゃんからのバースディ・カードも4日後に届いたっけ。

 北区と中区の相違はあれど車で20分ほどの距離。江戸時代の飛脚だって……、あ〜た、4日はかからんでしょ。どう転んでもコレって退行なのに、されど、文句を聞かないのも不思議。

 

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 ビオラがシーズンの盛り。

 赤っぽいのやムラサキっぽいのやら、色々なカラーがあるけど、青っぽいのは、こんな感じ。

 なんか、ヒゲづらのおじさんの顔に似てる。

 多数が咲くと、多数のおじさんが、コッチを見てるよう。

 そう意識すると、

「あんたらねぇ……」

 あんまり、嬉しくない。

 

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 我が周辺の模型系の知友たちは、こぞって『シン・ウルトラマン』を観に劇場へ出向いてるようだけど、エヴァにもシンにもアンノにも触手が動かない当方としては、置いてかれたような気など毛頭なく、遠い昔には自分も『ウルトラマン』に夢中になったもんだわぁ~、と感慨の気分がわくのをヤヤ悲しいかなと思う程度にまで枯れちゃったようなトコロもなくはないんだけど、卒業という2文字もチビっと点滅してる。

 ま〜、ともあれ夢中になるのは良いことぞ。

 

 ごく最近、『ガンヘッド』がBlu-rayでようやく出ると知って、これは思わず、予約してしまった。

 33年ぶりの再会になる。

 

        ガンヘッド Blu-ray 2枚組

 

 1989年の夏に、この巨大ロボットを主眼にした空想特撮映画を岡山東宝で観たさいは、誰と一緒だったろう? 

 記憶曖昧だけど、劇中巻頭での機内の様子がやたらリアルで、さらには、日本人俳優の英語が実に自然で、そこらあたりに、それまでの日本の空想特撮映画とは一線をかす作品かもと、魅せられた記憶が濃い。

 米国生活が長かった原田眞人監督の采配あってのものだろうけど、でも、なぜか映画のストーリーなんぞは全部忘れてしまってる。

 今はその原田ファンなのじゃ~あるけれど、内容を印象していないってコトは、結局は、ま~、当時の自分の評価が薄かった……、ということになるのかな?

 そこいらを確かめる意味も含めて、Blu-rayを予約した次第だわさ。

 

 たまさか『ガンヘッド』が封切りされた直後に、東宝撮影所に『ゴジラビオランテ』の取材に出向いている。模型誌じゃなく中四国界隈向け就職情報誌の映画コラム記事のため)

 取材当日は、ゴジラ原子力発電所を襲来するシーン撮影で、思った以上に左右幅のある大きなセットに、

「おっほ~」

 と、眼を細めたりし、後日に劇場で本作と接したさいは、実際に見た撮影現場での火薬の炸裂音などとはケタ違いの音響編集の妙味に、

「映画って、編集作業での追加が命だにゃ~」

 などと自明なコトをあらためて思ったりもしたけど、取材時、スタジオそばの巨大なゴミ捨て場には、撮影所が前作で使ったセットの残骸が山積みされていて……、それが『ガンヘッド』の諸々の大道具なのだった。

 

 ま~、そんな回顧と共に、こたびのBlu-ray発売という次第ゆえ資料を見ると、準主役級で円城寺あやさんが出てるじゃないの。

 これにビックリ、たまげたわい。(1989年当時には彼女を意識する術がない)

            左が円城寺あや。後ろの大きな人は主役の高嶋政宏

 

 数年前になるけど、遅~い夜中、某BARで2回ほど、円城寺さんとは席を同じくしている。

 そこでほぼ1対1でおしゃべりしたコトがあるというだけなんだけど、そういうのはチャ~ンと印象されるワケだ。

 なので円城寺さんと判ったとたん、

「こりゃどうも、失礼をば」

 アタマをさげたりしちゃった……、『ガンヘッド』。

 ちなみに「GUN-HEAD」じゃなく、「GUNHED」。

 GUN-HEADじゃ、「銃アタマ」になっちまう。

 

 当時、公開後、米国でのVHS発売にさいして大幅な編集が加えられ、原田は立腹。監督名を外せと米国側に伝えて、なのでそのVHSの監督名はアラン・スミジー。例の『DUNE』の米国TV放映時にやはり大幅変更があってデヴィッド・リンチが怒って偽名扱いにしたのと同姓同名のアラン・スミジー

 米国って、不思議だねぇ。監督さんが怒ってオレの名を出すなぁ、と叫べば、監督組合が機能してアラン・スミジー名義に換えるという仕組みがあるのね……。日本にもそういう仕組みってあるのかなぁ?

 

 こたびのBlu-rayはもちろんそんなペケなもんじゃ~なく、劇場公開時のままのオリジナル。

 発売は6月半ば。チビリ待ち遠しいような、そうでもないような、でも、再見しなきゃ~ハナシにならんもどかさしとか、予約後モロモロに心が揺れる今日この頃。