数年前、庭の中央にあったユスラウメが、フクロミ病という桃系の樹木のみが感染するらしいヤッカイなのにかかり、以後、それなりの対応をして様子をみたものの、結局、根治させるコトが出来ず、あきらめて、木を抜いた。
ユスラウメに申し訳ない気分が逆巻いたけど、どうしようもなく、敗北を味わう以外なかった。
で、抜いてるさい気がついたんだけど、いつのまにやら傍らで、何かが勝手に伸びていた……。上写真の赤丸部分の白っぽい棒状がそれ。
何じゃろな?
鳥が糞をし、それに混ざった種だか何だかが定着したらしきなのだけど、どんなモノが育つのかチョイっと興味もあって、放置して早や……、2年になる。
2020年5月14日撮影
2022年5月の様子。巧みに枝を茂らせ上空に伸びてる
やたら育ちが早いのだ。
冬場は落葉し、つまんないガイコツ姿になるけど、4月の半ば頃より芽をふき、枝を広げ、たちまち葉を茂らせる。
幹も太り、樹高も高い。当初の草のような感触は失せて木になりつつある。
草だと思ったモノが木へと変貌していくのを間近に見たのはコレが初めてかな。草と木の領域違いを初めて知らされた。
なんせ小庭のど真ん中という立地。廻りの、苗木で植えてまだ数年のレモンやブルーベリーや、その他なんやかんやが一切、この謎の樹木の傘に入っちゃって、
「陽当たり、悪いよ~」
お嘆きのようなのである。
それでやっと、この“ふってわいた”樹木の名を知るべく、晩ご飯時に、iPadで「植木ペディア」を開き、落葉樹の項目・ア行から順次順番にしらみつぶし、1つ1つ、名を追ったのだった。
で、3日だか4日め、
「あっ、コレじゃ~ん!」
見つけたんだ、正体を。
センダン、だ。
栴檀、と書く。
ことわざに、「栴檀は双葉より芳し」というのがあるけど、そのセンダンだ。
もっとも、これは、良い香りのするビャクダンのことで、ウチの庭に勝手に育ちつつあるのとは違うみたい。
同じ系列なのだけど、文字通りのダン違い、良い香りなし。
一昨年あたりから、夏になると、やたらセミが取りついて、ミ~ンミンミン、賑やかになってたけど、そのコトも記されてる。
セミが好むらしい。
で、読みすすめて、たまげた。
成長が著しく、放っておけば樹高30メートルを越える大木になるという。
庭木には適さない、とも書いてある。
樹木ペディアに載る写真
アヘアヘ……。
30メートルともなれば、幹だってメッチャ太いだろう……。
小庭が全部、センダン1本に占有されちまう。個人的野望色が強いプーチンのウクライナ侵攻に、似ていなくもない。
しかし、彼と違うのは、これはあくまでも鳥が種子だかを運んで来て、それで定着しようとしているワケなんだから、むげにするのも何だしね……、一気に切り倒し、根を引っこ抜くのも、気がひける。
どうしたもんかしら。
庭木に適さないけど、枝葉が涼しげな緑陰をつくるから、西洋式公園では時として使われてもいるらしい。下にベンチなんぞ置いて涼める場所にするらしい。
なるほど、でっかい公園であるなら、日陰をつくるセンダンは植樹選択の候補じゃあろう。
けどウチは、チッとそうでない。
そんな次第あって、上に伸びず横に拡がらずを考慮し、大幅大胆に剪定。
ノコでゴリゴリ、ハサミでチョキチョキ。
この夏はこの状態で、様子見というコトで、しのいでみよう……。
結論の先送りとも云えるけど、いきおい抹殺はなかろうとも思って。