昨日24日は、サーカス見物のお誘いがあったのだけど、あいにくと用事ありでいけなかった。残念。
サーカスを最後に観たのは大阪だなぁ。学生の時だ。天王寺公園だかその近隣で観覧したと記憶する。木下サーカスじゃなく、矢野サーカスだか国際サーカスだか……、憶えさだかでない。
見世物小屋も併設(?)され、なんだかそっちに関心がむいた。
檻に入った全身毛むくじゃらの女獣人とか、なが~い刃物を飲み込んじゃう男とか、生きた鶏を喰らう野生の女とか……。
もう、ないでしょ?
その当時も、
「ありゃ、まだこんなの、あるんだぁ」
と、いささか面喰らったのを、今もしっかりおぼえてらぁ。
その場だけが、何やら大正時代だか昭和初期頃にさかのぼったような、猥雑色なエネルギーが充満した異界だった。
蛍光灯的明るさはなく、裸電球の、それも40ワットくらいのほの暗さの中に、赤や緑や黄色のまがまがしい絵とおどろおどろな文字が踊っていて、やたらにいかがわしい匂いをたてていたのが、懐かしい。
そんな小屋と小屋を結んだ狭い小路の暗がりで、顔を緑に塗ったピエロとすれ違ったけど、その唇からアゴにかけて血の滴りが見え、もちろんそれもメークだろうけど、いささか怖かったとも記憶する。緑のピエロはタバコをくわえてた。
大人も子供も楽しめるエンターティメントとしてのサーカスが健康色のA面ならば、見世物小屋はエログロの扇情、大人向きで猥雑なダーク色のB面だ。
いわば、そのA・B両面で「楽しみと愉しみ」の輪が閉じていたワケだ。
そんな時代があり、そんな時代はもう過ぎ去ってしまって、今はもうA面のみというのを、いささか残念に、チビッとばかし思ったりもする今日この頃。
今、還りみるに、あの時にすれ違ったのは、鶏を喰らう女を演じたオトコだったのかもしれないな。ちょうど演技を終え、カツラはとって、小屋の楽屋から出たところで遭遇という次第だったのかも。だからピエロじゃ~なかったのかも。
ま~、以上は、我が数少ない、“サーカス体験”の一部なのでした。
余談だけど、同じ年の8月に、道頓堀で「ロッキー・ホラー・ショー」の日本公演を観ている。
ケッタイな人物たち演じるSFとロックン・ロールとのごった煮ミュージカルは、ぜんぶ英語なので細かいコトは判らないにしろ、半裸の男女のけばい乱舞は、洋的な“見世物”そのものだった。
なのでこの1975年(だったハズ・47年も前だよ〜ん)、いみじくも、2種類の『見世物』をまのあたりにしていたワケだ、なっ。
当時のチケットの半キレを今も持っている……。なんでも捨てりゃ〜イイというもんじゃ〜ない。
S席3000円は今の3000円と等価じゃない。ビンボ〜な学生の身の上で何でこのチケットを買えたのかしら……。
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お盆のあと、我が住まいの界隈ではコロナ感染があいつぎ、当方も濃厚感染の疑い があって、
「ぁっちゃ~、まいったなぁ」
数日、絶妙な鬱屈を味わった。
幸いかな、感染疑い有りの近親者が検査の結果、タダの夏風邪と判明したりで、身構えて覚悟していただけに、昇りかけていたハシゴを外されたような、ヘンテコな拍子抜けを味わったりした。
我が宅とブロック塀でさえぎったお隣は若い夫妻と幼い子供の3人が住まって、近しく接しているけど、およそ2週間ほど、夫妻の2台の車は駐車場に止まったきり。数日おきに、どちらかの両親の車がやって来て、食品らしきを運んでた……。
それが数日前から解禁、夫妻ともども朝には車で職場に向かっている。よかったよかった。
やはりごく近所のタケちゃんの、そのかわいい妹も感染したりで、なにかとドタバタな妖しい空気が流れたお盆以後。
けどもま~、「幸い住むとヒトの云う」とブッセが短い詞の中で云ってる通りでしょうなぁ。
山のあなたの空遠く
幸い住むとひとのいふ
ああ、われひとと尋(と)めゆきて
涙さしぐみかえり来(き)ぬ
山のあなたになおとおく
幸い住むとひとのいふ
この6行、上田敏の訳だけど、感傷的過ぎるという評もあるけどね、違うだろ。
眼の前の苦労苦難はしんどいし、1つ山を越えてもやっぱりしんどいかもしれないけど、次の山を越えりゃ~、ひょっとして幸いが在るかも……、とカール・ブッセの難解詞を訳したワケだ。名訳だ。
当然に、その2山めもシンドイだけかもしれないけど、じゃ~、次の3つめの山を越えてみようや、ひょっとして、ようやくに“幸い”らしきがあるかもよ~ん……。
辛苦辛酸あじわってグッタリしても、希望を忘れちゃイカンよ~という、こっちゃね。
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カール・ブッセと書いて、ついつい連想してしまうのは……、お菓子ですなぁ。
で、近頃最近、八重洲の、銀の鈴附近で売ってるらしき東京土産。
マクドナルドやらのファストフードの容器とカタチをなかなか見事に……、お菓子にしちゃって、可笑しいなぁ。
東京へ行くヒトは帰りに買って、ワタシのところへ運んでください。
甘味さがシャープ。あんがい、おいしいクッキーなのでした。