数日前、彼岸参りにやって来た弟の子供の1人から、
「ぉいちゃんの一番好きな映画、なぁ~に」
と問われて、くだらない質問にゲンナリしつつ、同時に、即答できない難問だなぁ~、とも思わざるを得ないのだった。
だって、そうでしょ。観た映画は数多ヤマのようにあるんだし、好んだ映画もまたヤマのようにあるワケで、そのヤマの中より1本をナンバー・ワンと断言するのは……、とても難しいんだから。
絵画や音楽にも、それはいえる。
頑張ってベスト・テンくらいなっら、云えそうな気もするけど、それとてあくまで頑張ったりオマケしたり四捨五入したりという操作が必要で……、けっこう難しい。
あんまり真剣に考えたこともないから、余計、ハードですがな。
サルバドール・ダリは毎年、9項目ほどの設問をもうけ、自分、ダヴィンチ、ラファエロ、フェルメールやマネなどなど、名だたる画家に点数づけして、それを公表していた。
傲慢な彼が、ほぼ常にダヴィンチとラファエロを自分よりはるか上位において点をつけているのが、面白かった。フェルメールはダントツで高得点。同時代のピカソは自分より僅かに下。モンドリアンにいたってはほぼ零点。
9つの項目の点数は毎年変動し、ダリの1年での気分の在処がそこに反映していて、興味深くもあった。根っこは真面目なダリさん……、という印象が浮く。
映画もそうだね。観返すたび、評価は変動する。だから、「一番好きな映画」というのは最悪の愚問だと思うのだけど、ズバリ即答できない憂鬱もまた……、チビ~ッとは味わってしまうのだった。
なので、
「去年観た映画でイチバンは?」
と期間を限定し、そのうえで項目があれば、答えやすいとは思うんだ。今度、甥っこにあったら、そう促そう。
ダリの「採点表」の項目は下記の通り。
技術・霊感・色彩・主題・天才度・構成・独創性・神秘率・真実味
映画にも応用できそうだが、ま~、天才度とか神秘率は変更だな。
霊感は絶妙。某政党をむしばんでいる統一なんたらの霊感とはムロン、ちがいます。
ダリゆえに超自然的なものとしての第六感的なものなのだろう。でもインスピレーションととれば、そのままでもイイような。
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女王の国葬をライブ映像で見つつ、哀悼する。寺院から宮殿、そしてウェリントン・アーチに向けての2.5Kmにおよぶ、ながいながい葬送の行進と行進曲……。
チャールズ新国王も妹のアン王女もその2.5Kmを歩き続けていた。
国葬というカタチの意味と国葬に価いする人物の大きさを今一度かみしめ、黙礼する。
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台風は日本に大量の水分を運んでくれて山々を潤し、山はそれを蓄えとして保水して川や樹木を養いと、恩恵高き自然現象じゃ~あるけど、もたらす厄介もまた大きくって、一長あれど一短もあり……。
これを書いている19日の23時現在、雨なく風もなく、最強クラスというから身構えていただけに、ヤヤ拍子抜け。朝にはケロっと収まってるんだろう、たぶん。
こういう晩は、なんぞ映画をみつくろって観て過ごそうと思ったけど、いやいや、
神田伯山の講談をyoutubeで眺めるのもイイ。
とにもかくにも圧倒され翻弄に近い驚愕を味わえる大型タイフ~ンが伯山。
ここで紹介する「東玉と伯圓」は、六代目伯山となった彼自身もハナシの中に登場する驚きをからめた超絶話芸。騙されたと思って5分聴いてみんちゃい……、5分どころか最後まで一気がオチ。とんでもない弩級の台風が彼。
※ 字幕をONにして観るといっそう凄みと迫力が増加しますぞ