連続ミュージック・デー

 

 今期のジャズフェスを終え、一息いれているここ数日。

 裏方としての責務から解放されて、ちょっとした真空状態かしら?

 何をするのも億劫な感じ。「祭りの後の淋しさ」ではなく「祭りの後のくたびれと飽和」って~感じだな。

 

 昨日の土曜、シンフォニーホールで岡山フィルハーモニック管弦楽団のコンサート。

 3階席の高みから、ブラームス交響曲第1番やらを聴く。

 チケットを購入したものの用事が出来てしまったT氏の代理としてシートをあっためる。

 クラシック演奏を生で鑑賞するのは何年ぶりかしら?

 こういうのを聴いて、

「癒やされた」

 とか、云う気はない。そうそう簡単にヒトは癒やされるワケがないとも思っている。癒やされるという感触はかなり深淵かつ絶妙で、その感触を容易に言葉として「癒やされた~」なんて呟いてしまうのは……、イケナイと思って久しい。表現として薄っぺらなんだ。

 でもま~、旋律に身を委ねていると、ちょびっと裕福な感じは募る。代理鑑賞なのでチケット無料という意味でなく、音楽と共にいる時間のありがたみは、味わい、刻まれた。

                   

 エドワード・エルガーの「チェロ協奏曲」を聴いてるさなか、なぜか、炭火でジュ~ジュ~焼かれているサンマが念頭に浮いた。

 それにスダチをしぼり、お醤油をかけ、箸で身をほぐして、熱つつっ……、口に運んでるシーンが曲と一緒に脳内に拡がって、なんだかそのアンバランスな連想も面白かった。

 エルガーがこの曲を創ったさいも、シンフォニーホールでチェロを奏でた宮田大の脳裏にも、サンマのサの字もなかったろうハズだけど、いいのだ……、どう感じ、何を思ったかがポイント。

 我が輩の中の「チェロ協奏曲」は秋サンマの旨味とリンクし、香ばしい匂いをたててくれた。

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 翌日の今日。サンデ~。岡山神社の『岡山神社音楽祭』。

 あれまっ、2日連続の音楽ドップリだわいね。

 朝まで雨だったけど、やんで良かった。

 昨日のシンフォニーホールの空気より、こっちの和らぎが、やはりイイネ。

 クラシックはゼッタイのものとして大いに了解するけど、ソ~タイとして、神社境内での祝祭の楽音を好む。

 なんせビール呑みつつの鑑賞だし、ミュージシャンや観客席に知った顔もあって、自ずと身体も心も馴染みモード。クラシック・コンサートのヤヤ肩張った定型はなく、聴きつつ談笑し、会話がとぎれるとまたステージを眺め、足を伸ばし、くつろぐ。

 午後のビールが、うまい。焼けたサンマを食べたい気分上昇ながら、あいにくそういう出店はないんで、しかたない。

  ほぼ立ち飲みで3杯目をまもなくクリア……。

 チェロの独演。ミュージシャンの芸名は「マーマー・ヨ Jr.」。

 昨日シンフォニーホールのチェロは無論にプロのそれながら、こちらは堂々の自称チェロ歴半年。そのアマチュアリズムと、妖しいネ~ミングの発揮と揮発でもって、否応なく笑わされた。

 

 この愉しい場所を神社内に設けた裏方さん達の苦労をも、ねぎらいたい。

 おそらくは雨中の前日からの仕込み。雨はきっと止むと念じての設営だったろうけど、開催可能かしら? との不安の焦燥にさぞや炙られたであろうとも、思う。

 幸い、雨は遠ざかったわけで、そこの気苦労を含めて、

「おつかれさんでした~」

 直には云ってないけど、こっそり記しおく。

 それにしても、このデザイン秀逸。岡山神社音楽祭のフライヤーの一部)