某日、でっかいサイズのDIY用資材をまたぞろ柔道家の車で運び、そのあと、瀬戸内市邑久町にデミカツを食べにいく。
国境いに長いトンネルがあるでなく、車でわずか20分もかからずなので、他市に出た感じはゼロながら、同店駐車場には他県ナンバーの車も停まり、なるほどユーチューブで紹介された店だけあって遠方からもヒトがやって来るんだね……、感心する。店名はマルバンね。
デミカツも良かったけど何よりラーメンのお汁が良く、一口すすっただけで、メリとハリが背筋を伸ばして熱いダンスを踊っているのがわかって、
「ぁ、うまいじゃん」
ビールで舌を冷却し、また熱々をすするというのを繰り返して堪能、デミカツ食べようというのが1番だったのに、気づくと2番になっちゃった。
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ボクが生まれる以前の、1950年代初期の英国製SF映画『The Man from PLANET X』。
白黒の低予算映画で、大道具小道具の準備が整うや、撮影はわずか4日で終えたという早撮りランク上位の1本。
カルト・ムーヴィーとして英国では知られているようだけど、この作品に出てくる宇宙人の模型を持っている。
30年ほど前、キャラクター系模型を商いの中心にしていた頃に付き合いのあった英国の小さなメーカーの社主氏からギフトされたもので、
「日本でこの模型の存在を広めてくれよ~」
という次第だった。だけど、当時は本作の名を知っている程度で、VTRも売ってなく、広めるもナニもあったもんじゃ~なかった……。
キット状態なので、組み立て、その頃に画材屋で売りにでた塗料+酸化剤、2液を用いて錆び表現やブロンズ風味を醸せるというペイント剤の実験に用い、以後、久しく放置プレーのお蔵入り。
この宇宙人氏の実際のカラーが判らず、あえてカラー情報不明の仕様にしたというワケなのだけど、それが……、我が住まいを改造のさなか、棚の奥から2体、ホコリをかぶって出て来た。
経年で接着部分が剥離していたり、しかけていたり、状態はヤヤかんばしくない。
ヘッド部分はクリア・パーツで、内部に豆球が入って頭全体がボワ~っと光る。当初は白だったけど経年ですっかり黄ばんでる。でも、これが逆に良い雰囲気を、レトロな風合を醸しているような気がしないでもない。
インターネットで検索してみるに、近年、当時のこの映画関係者が当時の宇宙人の姿を1/1で再現したという情報も、ある。
「ふ~ん、ホンマはこういう色なのかぁ……」
あれこれの情報が溢れ流れる時代になっているのを再実感。歩くのをやめて、ホホ~ッと眺めいるような感を、うけた。
ちなみにこの宇宙人は、善人で、地球人との友好を求めてやってきはったんやけど、最初に遭遇した若い女性がギャ~!と叫んで大騒ぎ。
なんや、なんや、どないしたんや?
ケッタイなやっちゃ、いても~たれ!
彼女の周辺のオトコどもが血気燃やして宇宙人氏をボッコボッコ。
やむなくカレは自衛の武器を持ちだし、
あんたら~とは、つきお~てられへん
男どもを追っ払うや、すたこらさっさ、宇宙に戻っていって、ジ・エンドだ。
なるほど、カルトに価いするムーヴィーだわいね。ワケわかんないモノや者を排除したがる昨今をいみじくも70年ほど前に描いていると、云えなくもない。
ぁあ、いやいやそうじゃ~ないですな。70年前も今もさほど変わらんのがニンゲンだ。
ま~、そんな次第あって、部屋が片付いたら……、この2体を塗り直してみようかなぁ~、密かに思ったりもしたのでした。
何やかやとヤラナキャ~いけないコトが積もってるんで、たぶん実行には至らないだろうけど、リメ~ク気分が豚骨スープみたいに濃厚。
でも、リアルな色が判ったとはいえ、それに近似るようガンバラない方がいいかも。いっそむしろ、当時の人工彩色されたスチールの色使いの方が、1951年の映画製作時の気分が反映されるのじゃないかしら?
再ペイントはあえてこのカラーだな。